( )を見つめる 05 | 小さな問い
括弧、はやはり不思議な存在です。
奥ゆかしく受け入れる姿勢を見せる浅い深皿のようであり、
流れる小川にそっと身を置き、音を立てずに漂う笹舟のようでもあります。
括弧の務めは、文字をそっと運ぶことだと言えるでしょう。
ですが、括弧はただ中身を運ぶだけではありません。
その丸みを帯びた形そのものが、どこか私たちの意識を和らげたり注意を促しているようにも見えます。
つまり、括弧自体が文字のように働きかけてくるのです。
括弧の中にあるだけで、その言葉になぜかほっとしてしまいます。
括弧が付いていないだけで、その言葉はなぜか真っすぐな矢のごとく飛んできます。
括弧は、ただそこに言葉を浮かべている他ないようでいて、
その形自体に、時に言葉以上の意味が宿っているのです。
括弧は、器でもあり、その中身でもあるようです。
皆さんには、括弧はどちらに見えるでしょうか。
それとも、まったく別の姿に見えるでしょうか。
いつか教えていただけたら嬉しく思います。
