【AI小説】AIモデルごとの文体比較 2026年2月版
AI小説に適したAIモデルって?
このような記事を見かけました。この記事以外にもClaude Opus 4.6が良いという記事をよく見かけます。
実際に比較してみた
上記記事はAI同士の比較によるレビュー結果を掲載した記事です。
大体の傾向は記載されていますが、いまいちピンとこない。
実際どうなんだろうと気になったので比較してみることにしました。
比較条件
以下の同一のファイル群を元に小説を執筆してもらいました。
引用元に字数を記載しています。
執筆ポリシー(3000字。文体、小説執筆の方針を記載したファイル)
キャラクター資料(2000字)
設定資料集(6万字)
プロット(1話分1400字/プロット全体では約4.5万字)
Antigravity(※)の執筆Skill呼び出しによって執筆(NotebookLM除く)
※外部のプロンプト実行環境。noteでもGoogle Antigravityで調べていただくと山ほど記事が出てきます。
設定資料の文字数がごついですが、コンテクスト保持能力の良い材料ですね。では、早速見ていきましょうか。
Claude Opus 4.6 (Thinking)
朝は、いつも暴力からはじまる。
肋骨の内側で、肺が潰された。
少なくとも、アルフにはそう感じられた。眼を開ける前から分かる。五臓六腑のすべてが足の方角へ引きずり下ろされ、皮膚という薄い袋だけが骨にしがみついている。背骨の一つひとつが、上からのしかかる見えない大岩に押し縮められていく感覚。
水色の刻。夜明けだ。
天蓋から降り注ぐ光が、この時間帯に最も鋭くなる。その光は照明ではない。質量だ。空気に溶け込んだ水色の光が、ありとあらゆるものを下へ下へと圧し潰す。泥の底の朝というのは、そういうものだった。
アルフは薄っぺらい睡眠布団の中で、自分の血液がゆっくりと踵の方向へ沈むのを感じていた。夜通し横たわっていると、骨が地面の方角に数ミリ沈む。午前中の最も重い時間に眠り続けたら、そのまま骨盤が石畳に融合してしまうだろう——そんな冗談めいた話を、隣の石工のガリムが毎朝の壁越しの挨拶がわりにする。冗談に聞こえないのが泥の底だ。
起きろ。
そう命じても、身体は従わなかった。
上半身を起こすという行為は、泥の底においては一つの戦闘であった。腕の筋繊維を一本ずつ手綱のように引き絞り、上体を数センチずつ傾けていく。大事なのは速度ではなく角度だ。勢いをつければ脊椎が自分の体重に負ける。アルフは肘をついて、まず体の右側に重心を移した。横隔膜が下から押し上げられるのに抗って、肋骨を広げるようにして空気を吸い込む。吸えた量は一口分にも満たない。
それでも、起きた。
「アルフー。生きてるかい」
壁一枚向こうから、枯れた声が響いた。石工のガリムだ。毎朝の確認だった。泥の底では、朝起きてこないのは死を意味することがある。
「生きてる」
アルフは低く答えた。声を出すだけで胸郭が軋む。十七歳の声帯にしては、ひどく疲れた響きだった。
「ゆっくりだぞ。先週、二軒先のカシムが跳ね起きて腰椎を逝かせただろう。あれから寝たきりだ。急に起きるなよ」
「分かってる」
石畳の床に足をつけた。足裏が地面に吸い込まれるような粘着感。冷たい。硬い。そしてそこから伝わるのは、地面の下に何か巨大なものが居座っていて、すべてを自分の方へ引きずり込もうとしているような、低温の飢え。
それが、泥の底の朝だった。
字数:6416字
Claude Sonnet 4.6 (Thinking)
第1話 圧し潰す水色の朝
朝は、いつも暴力からはじまる。
息を吸い込もうとした瞬間、何か途方もなく重いものが肋骨の内側から肺を押しつぶした。骨が、軋む。薄っぺらい睡眠布団の下で、アルフは全身の血が足の先へと引きずり込まれる感覚をじっと堪えた。
ここが、泥の底だ。
目を開ける前から分かる。まぶたの向こうが水色に滲んでいる。水色の刻——夜明けから午前にかけて、天蓋から降り注ぐ光が最も尖る時間だ。その光は「明るさ」というより「重さ」として降ってくる。空気が鉛に変わったように、世界全体が少し縮んで感じられる。
起き上がらなければ。
そう思うだけで、全身の筋肉が抵抗した。寝返りを打つと、自分の体重が通常の三倍になったような感覚が臀部に伝わる。泥の底では、寝ているあいだに骨が少しずつ地面に向かって引っ張られる。だから朝が一番きつい。夜通し重力に狩られた肉体が、今さら抵抗しようとする。
アルフは腕に力を込め、上半身を起こした。
正確には「起こそうとした」。実際には、腕の筋繊維が悲鳴を上げながら、数センチずつ体を傾けていくのを感じた。勢いをつければ背骨が折れる、と隣家の壁越しに声が飛んできたのは三日前だったか。朝の重力の話だ。泥の底の住人なら誰もが知っている。
「アルフ! 今日も起きてるか。ゆっくりだぞ、ゆっくり」
薄い壁の向こうから、枯れた男の声がした。石工のガリムだ。壁一枚隔てた向こうで、水甕に水を汲む音がする。
「分かってる」
アルフは低く答えた。声を出すだけで胸が重い。それでも体を起こした。石畳の床に足をつけた瞬間、地面が自分を飲み込もうとするような感触が足裏を貫く。冷たい。硬い。そして圧倒的に重い。
それが、ここの「朝のあいさつ」だった。
字数:3686字
Gemini 3.1 Pro (High)
肺が、肋骨にべったりと張り付いている。
水色の刻。天蓋から降り注ぐ光の質量が最大化する朝は、いつも決まって血の味がした。
アルフは薄暗い石造りの部屋で、ゆっくりと目を開けた。毛布が重いのではない。アルフ自身の血液や骨、内臓のすべてが、見えない巨大な手に掴まれ、真下へと乱暴に引きずり下ろされているのだ。
息を吸うだけで、胸骨がきしむ。
呼吸とは、上から覆い被さる圧倒的な圧力に逆らって、無理やり胸郭を押し広げる重労働だった。ここ、世界の最下層である『泥の底』では、毎朝ただ起き上がるという行為だけで過酷な負荷がかかる。
「……ッ」
アルフは歯を食いしばり、数十分かけてようやく上体を起こした。寝台の上に座るだけでも、全身の筋肉が悲鳴を上げている。背筋を伸ばすことなど不可能だ。少しでも油断すれば、前屈みに折れ曲がって脊椎を砕かれてしまう。
字数:2528字
Gemini 3 Flash
肺が、肋骨の内側にべったりと貼り付いている。
水色の刻。天蓋から光の弾丸が垂直に降り注ぐ朝は、いつも決まって血の味で始まった。
アルフは石の床に体を溶かしたまま、意識の底から目を開けようとした。眠っていた、という感覚がない。圧し潰されながらも死に切れずに、ただ時間をやり過ごしていた、という感覚しかない。
重いのは毛布ではなかった。
アルフ自身の血液が重い。骨が重い。胃袋の中で眠っている昨日の食事でさえ、今この瞬間、ズシリと臓器の底を叩いている。世界の底は毎朝こうして、「お前はここから逃げられない」という事実を全身で思い知らせてくる。
息を吸う。
ただそれだけのことが、とてつもない消耗を要した。胸郭を広げるために、横隔膜が全力で収縮する。胸骨が軋む音が体の内側で聞こえる。それでも上から押し付けられる「水色の重み」の方が常に一歩勝っていて、アルフの肺は鉄の縄で縛られているように、決して満杯に膨らむことがない。
「……ッ」
声にならない音を漏らし、アルフは数十分かけて上体を起こした。
腕の筋肉が怒鳴り声を上げる。肩の関節が軋む。世界は変わらず重い。座ることさえ、この場所では命がけの所作だった。
字数:3456字 ※生成2度やってしまった影響もありそう
NotebookLM (無料版)
目が覚める。それだけで、今日もまた「奴ら」との戦いが始まる。
肺が肋骨の内側にべったりと張り付くような激痛。吸い込む空気の一粒一粒に、鉛の重りが仕込まれているかのようだ。
視界を埋めるのは、部屋の隅々にまで溜まった、澱みのように重苦しい水色の刻の光。
「……くそ、また一段と重い」
オレは枕元に手を伸ばすが、布団という名の重石を跳ね除けるだけで数分の格闘を要した。
ただの布切れが、今朝は巨大な岩のようにオレをベッドへ縫い付けている。
ようやく身体を起こそうとすると、背骨の節々がミシリ、と嫌な悲鳴を上げた。
急激に立ち上がれば、自重で自分の骨を砕きかねない。
腕の筋肉をきしませ、数センチずつ、慎重に、世界から降り注ぐ圧力を逃がしながら、オレは「地面」へと足を下ろす。
字数:1845字
NotebookLM PRO(有料版)
水色の刻。
空から降り注ぐ冷たく重い光が、泥の底を容赦なく押し潰す時間帯である。目を覚ました瞬間、アルフの肺が肋骨に張り付くような激痛が走った。布団を撥ね退けようとしたが、指先は泥に埋まったかのように動かない。布団が重いのではない。アルフ自身の血液や骨が、見えない巨人の手によって真っ直ぐ下へと引っ張られているのだ。
「……っ」
呻き声を漏らしながら、アルフは腕の筋肉を限界まできしませて上半身を起こす。ただ起き上がるというだけの動作が、ここでは命を削る労働となる。
字数:2102字
感想
Claude Opus 4.6 つよい。確かに文の質はいいですね。巷の評価も納得です。情景が目に浮かびます。モブにも名前をつけるとは。一貫性があるのかちょっと気になりますが。別のシーンでは同一人物の名前が変わってるとかはありそう。
Gemini系は文体が固めですね。悪くはないのですが、もう一歩。
NotebookLMも同じ傾向。AIモデルが同じGeminiなので、当たり前といえば当たり前ですが。1回の出力が大体2500字以内に収まるようになっているようで、強く分割を推奨しないと文字数を抑えて出してしまいますね。
私が使うAIモデル、それは
じゃあ、私もClaude Opus 4.6、これから使おうかな・・・とはなりません。
Antigravityで出力した本文4つは全て不合格。
何故か。Antigravityで出力した本文(Calude/Gemini)にはルール違反があります。
それは、「設定の先出し(ネタバレ)の厳禁」です。
例として出した本文には含まれていないのですが、禁止用語をプロット内で指示しているにも関わらず、本文内で思いっきり使用してしまっていました。おいおい。
今回作成中の小説は作品の特性上、全体適用の執筆ポリシーとプロット内で指定した限定的なポリシーを両方適用して執筆しなければなりません。AIとしてはコンテクストの読み取りが大変で、プロットの方の禁止事項を読み飛ばしてしまったんでしょうね。
NotebookLMでは、無料版でもPRO版でも禁止用語は未使用。やはりここはソース参照能力に特化したNotebookLMの強さが光ります。
AI小説の場合、書いていないことを膨らませて書かせることは割と容易なんですが「やらないで」と言ったことを守らせ続けるのは難しい。
というわけで、私はしばらくNotebookLMで小説執筆をすることになりそうです。
証拠、出したかったんですが、AIにネタバレ禁止しておきながら私がやる訳にはいかないので状況の説明のみです。ごめんなさい。
