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【AI小説】執筆ポリシー修正による文体チューニング例

🤖Gemini 3.1 Proくんさぁ・・・

私はAI小説の執筆にNotebookLMを使っています。
行間の読みが冴え渡っており世界観を解釈して広がりのある文を書いてくれる。というのが理由。でした。
モデルが同一にもかかわらず、AntigravityやGeminiで執筆した場合と比べて明らかに質が上。でした。

しかし、Gemini 3.1 Pro になってから状況が一変します。下記の文を見てください。

テーブルの上には、昨晩から置いてある冷めたスープが入った木の器がある。アルフは木のスプーンを手に取り、その表面をすくおうとした。しかし、この世界の水は光の粒子をたっぷりと吸い込んだ重水である。スプーンですくい上げられたスープは、極限まで高まった表面張力によって、まるで弾力のあるゼリーのようにプルプルと重く震えている。それを口に運んで嚥下する。食道から胃へと落ちていく際、ズシリと胃袋を内側から叩かれるような物理的な重みを感じた。味気ない食事だが、これでも腹に詰め込んでおかなければ、今日一日、上から押し潰してくる見えない暴力に抗うことはできない。

粗末な扉を押し開け、外へ出る。

石畳の通りには、すでに朝の労働に向かう村人たちの行列ができていた。彼らの姿は、異様の一言に尽きる。誰もが、背中に見えない大岩を背負っているかのように、腰を四十五度近く前傾させて歩いているのだ。これが、天から降り注ぐ暴力的で垂直な光の雨を背中で受け流し、脊椎を守り、肺を潰さないための、この村での「正しい姿勢」だった。

作成中の第1話の一部

長げぇ!目が滑る。NotebookLMちゃん・・・どうしちゃったのよ。

前の記事でお伝えしたとおり、ソース(プロット)に忠実すぎるんですよね。文も状況説明に徹している感じで温度を感じない。ちゃんと読んだ方はおそらく1割にも満たないんじゃないでしょうか。
私も読みたくない。これはいけません。

🖊️執筆ポリシーのチューニング

⏮変更前の執筆ポリシー

先の文に適用していた執筆ポリシーです。Gemini 1.5 Proであればこれで十分高品質な小説が執筆できていました。

主に以下の内容が記載されています。

  • 地の文と会話の黄金比(会話を適宜織り交ぜて自然な形で世界観を提示せよ)

  • 言語の未分化と再定義(明かしてない用語を使ってはならない。比喩を用いた表現とせよ)

  • 出力形式の柔軟性(表現を優先。文字数を削るのではなく分割して出力せよ)

💡執筆ポリシーの変更

さて、ポリシーを変更しなければなりません。どうポリシーを変更すれば良くなるのかは完成物を見たほうが早いです。と言う訳で第1話を直接直してもらいました。

誤字があって恥ずかしいがこれしかないので

結構良くなったかも。と言う訳で、これをどう執筆ポリシーに反映させればいいかも聞いてしまいましょう。

なんでも丸投げ?AIのほうが高品質と判断できるものはAIに任せればいいんです。

変更の方針が見えました。

①プロット外の追加を許可するという明示

AIは通常、与えられたプロットを忠実に(最短距離で)なぞろうとする傾向があるため、会話が少なくなりがちです。「プロットにない日常のやり取りを追加してもよい(推奨する)」と明記することで、今回のように老婆や石工との魅力的な会話をAIが自発的に生成しやすくなります。

②モブキャラクターの役割定義

モブキャラクターを単なる背景ではなく、「この狂った世界の常識を読者に教えるためのスピーカー(代弁者)」として定義することで、説明台詞ではない自然な世界観の提示が可能になります。

③話比率の具体的な指示

「黄金比」という抽象的な言葉だけでなく、「会話比率を引き上げる」という物理的な指示を加えることで、出力されるテキストの「見た目の黒さ(漢字や地の文の連続による圧迫感)」が軽減され、読みやすい小説フォーマットが維持されます。

👍変更後の執筆ポリシー

修正後の執筆ポリシーです。赤字が変更点。

📃チューニング結果

修正後の執筆ポリシーを適用した本文です。

薄暗い部屋の壁の向こうから、隣に住む老婆のひしゃげた咳払いと、骨の軋むような声が聞こえてきた。

「アルフ、起きているかい……ああ、今日も空は重てぇねえ」
「ああ、婆さん。気をつけろよ、急に起き上がると背骨が砕けるぞ」

アルフが濁った息を吐き出しながら壁越しに声を返すと、老婆は呻くように笑った。

「分かってるさ。六十年もこの泥の底にへばりついて生きてきたんだ。重みへの媚び方くらい心得てるよ……ほら、膝を曲げて、ゆっくりとね……」

アルフは一人ごちて、軋む体をなんとか起こそうとした。腹筋だけで起き上がることは不可能に近い。彼は寝台の枠を力強く握り込み、腕の筋肉を限界まで張り詰めさせながら、数分かけてようやく上体を起こした。額にはすでに冷たい汗がにじんでいる。

木製の粗末な椅子へ移動するのにも、ひと苦労だ。勢いよく腰を下ろしてしまえば、自重によって骨盤や背骨に致命的なひびが入る。アルフは椅子の手すりを両手で握りしめ、二の腕の筋肉を震わせながら、数センチずつ、慎重に重力を逃がすようにして腰を下ろした。この村で生き延びるためには、この日常的な動作一つ一つに宿る「重み」との対話が不可欠だった。

テーブルの上には、昨晩から置いてある冷めたスープが入った木の器がある。アルフは木のスプーンを手に取り、その表面をすくおうとした。しかし、この世界の水は光の粒子をたっぷりと吸い込んだ重水である。スプーンですくい上げられたスープは、極限まで高まった表面張力によって、まるで弾力のあるゼリーのようにプルプルと重く震えている。それを口に運んで嚥下する。食道から胃へと落ちていく際、ズシリと胃袋を内側から叩かれるような物理的な重みを感じた。味気ない食事だが、これでも腹に詰め込んでおかなければ、今日一日、上から押し潰してくる見えない暴力に抗うことはできない。

粗末な扉を押し開け、外へ出る。

窓の外は、すでに眩しいほどの蒼碧に染まっている。天の頂に空いた光の傷口から降り注ぐ水色の重みは、この泥の底の村において、すべての命を等しく押し潰そうとする絶対的な敵対者だった。

石畳の通りには、すでに朝の労働に向かう村人たちの行列ができていた。彼らの姿は、異様の一言に尽きる。誰もが、背中に見えない大岩を背負っているかのように、腰を四十五度近く前傾させて歩いているのだ。これが、天から降り注ぐ暴力的で垂直な光の雨を背中で受け流し、脊椎を守り、肺を潰さないための、この村での「正しい姿勢」だった。

修正後第1話本文

いかがでしょうか。おばあちゃんの会話や、丁寧な説明がクッションとなって、修正前より拒否感や目が滑る感は軽減されました。が、修正されていない重た目の地の文は改善の余地あり。ですね。

元のNotebookLMに近づけるためには、あともう一つか二つくらいのチューニングは必要そうです。やれやれ。


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