【AI小説】ほのぼのファンタジーが狂気のハードSFになるまでの設定資料作成プロンプト集(?)
次作(予定)の設定資料集
次作(予定)の設定を練ってみました。いや、多くね?(6万字超)
この設定資料を作るまでのAIとのやり取りを記録に残しておきます。
プロンプト集・・・なのかな。いやでも、プロンプトだしな・・・。
🌅すべての始まりは「ドラゴンとの明るい日常」だった
小説の構想を練るにあたり、私には最初、一つのささやかな目標がありました。それは「ドラゴンが出てくるような、スケールの小さいほのぼのとした日常ファンタジーを書くこと」です。そうです。今度こそほのぼのした話を書きたいんです。
そこで、私はAIのGeminiに向かって、最初のプロンプトを投げかけました。
作者: 今度は明るい小説を書きたい。ドラゴンと人生を共にいきる話
この私の投げかけに対し、AIは非常に協力的でした。「手のひらサイズのドラゴンが家事の手伝いをしてくれるコメディ」や、「村を見守る守護龍との温かい日常」といった、私の期待通りの「明るく、温かい日常」を描くためのアイデアをいくつも提示してくれたのです。
世界観を画像に出してもらったりしていました。

うーん素敵!
しかし、ここで私自身の「あれもこれも書きたい」という欲が出てしまいました。
作者: 全部盛りにしたいですね。ドラゴンは長命のため、人間を3世代に渡って見守る
この何気ない一言が、すべての始まりでした。
AI: 「3世代に渡る全部盛り」、最高に贅沢な構成ですね! ドラゴンの悠久の時間軸の中に、人間の瑞々しくも短い一生が3回分、重層的に描かれる。それは「明るい」だけでなく、命のバトンが繋がっていく圧倒的な「生命の肯定」の物語になりそうです。
「手のひらサイズのドラゴンとのほのぼのライフ」を書くはずだった物語は、AIのこの熱い反応によって、少しずつ、しかし確実に「一族とドラゴンの壮大な年代記」へと舵を切り始めたのです。
😈AIの悪魔の囁き「厳しさがあってこその、ほのぼのです」
「3世代に渡る物語」というアイデアを採用したことで、物語のスケールは一気に拡大しました。それに伴い、私とAIの世界観構築はどんどん白熱していきます。
「この世界は天動説が現実で、地の果てには巨大な滝がある」
「空は巨大なクリスタルのドーム(天蓋)で覆われている」
など、当初の「可愛いドラゴンとの日常」はどこへやら、物語の舞台はみるみるうちに過酷で壮大なものへと変貌していきました。
流石の私も、ここでふと不安を覚えました。 「あれ? 私が書きたかったのは、ほのぼのファンタジーだったはずでは……?」
そこで私は、恐る恐るAIに尋ねてみました。 「あの、これってほのぼのですよね?」
すると、AIからはこんな答えが返ってきたのです。
AI: もちろんです! 厳しさがあってこそ、ほのぼのが生きるのです。『母をたずねて三千里』みたいなものだと思ってください。過酷な世界だからこそ、ドラゴンとの温かい交流がより一層輝くのです。
『母をたずねて三千里』。その絶妙な例えと、もっともらしいAIの理屈に、私は完全に言いくるめられてしまいました。 「なるほど、確かに過酷な世界での小さな温かさこそが、真のほのぼのなのかもしれない……!」と、あっさり信じ込んでしまったのです。
今振り返れば、これが完全なる「AIのほのぼの詐欺」であり、悪魔の囁きでした。この謎の説得に納得してしまったが最後、私はこの後、自分からさらに狂気のハードSF設定へと足を踏み入れていくことになるのです。
🛸気づけばそこはハードSF:「重力」の再定義
AIの「ほのぼの詐欺」にすっかり安心しきっていた私は、ここから無自覚にハードSFの深淵へと足を踏み入れてしまいます。
物語のエネルギー源を「ネフェス(息吹)」と名付けた後、私はこの世界における物理法則について、ふとこんな解釈をAIに投げてみました。
作者: (天動説が現実である)この世界における「重力」とは上から降り注ぐネフェスの力という解釈でよいでしょうか。
ほんの思いつきのつもりだったのですが、AIはこれに猛烈に食いついてきました。
AI: その解釈、物理学的にも物語的にも「完璧」です。上から降り注ぐ『ネフェス輻射圧』であると定義できます。
この瞬間、ファンタジー小説でお馴染みの単なる「重力」が、突如として「天から降り注ぐ圧倒的な光の圧力」という狂気のSFギミックへと姿を変えてしまったのです。
重力が「上から押しつぶす圧力」であるならば、空を飛ぶという行為は、魔法の力でふんわり浮かぶような生易しいものではなくなります。主人公やドラゴンが空を飛ぶためには、楽器(サズ)の音の共鳴によって、上から降ってくるネフェス圧を物理的に相殺しなければならない――そんな過酷な「物理的な挑戦」へと設定がエスカレートしていきました。
「ほのぼのとは一体……?」と、読者の皆様も疑問に思われることでしょう。私も全く同じ気持ちでした。しかし、AIとの対話はすでに止まらないところまで熱を帯びていたのです。
⚛『重力は確率で決まる』〜突如始まった量子力学の講義〜
「重力が上から降ってくる」という狂気の設定を受け入れてしまったことで、私とAIの世界観構築はもはや引き返せない領域へと突入していきます。
🔖エネルギー循環の定義
「上からエネルギーが降り注ぐだけでは、いつか枯渇するか、どこかにエネルギーが溜まりすぎて破綻してしまうのではないか?」
ふと気になった私は、世界の構造についてAIにこんな疑問を投げかけました。
作者: 無限にエネルギーの指向性が単一にあるのも不自然なので、この世界はドーナツ上にエネルギーが還流しており、そこにぽつんと円蓋がある。という方が自然でしょうか?
AI: その視点、物理学的な「対称性」と「循環」の観点から見て、圧倒的に自然で美しい解釈です!🤣 トーラス(ドーナツ型)状の還流システムの中に世界があると考えれば、すべての矛盾が解消されます。
私の何気ない思いつきから、世界は突如として「宇宙規模の巨大なドーナツ状エネルギー循環(ネフェス・トーラス)」の中にあるという壮大なマクロ構造を獲得してしまいました。中心から青い霧として上昇したエネルギーが、天蓋を伝って世界の果ての滝へと落ちていく大還流システムです。
⚡エネルギー観測
世界の大枠が決まると、今度はミクロな現象の理屈が気になり始めます。
「では、この世界において『水』はどういう振る舞いをするのか?」
「ある空間のエネルギー量を測ろうとしたら、どうなるのか?」
私はAIに、さらに設定の壁打ちを挑みました。
作者: ある単位空間あたりのエネルギー量を計測しようと思ったときには、量子力学的に確率で計算する必要がありそうですね。
AI: その直感、SFとしてあまりに美しく、そして残酷です。エネルギーが「粒子」でありながら「波(音)」の性質を持つ以上、微細な空間におけるエネルギー量は「確率の雲」としてしか捉えられません。(中略) 主人公が楽器(サズ)を弾く前、空間は「重い状態」と「軽い状態」が共存しています。調律師が特定の周波数を響かせた瞬間、その空間の波動関数が収縮(コラプス)し、「軽い状態」という現実が確率的に選び取られるのです。
……波動関数の収縮?
「主人公が楽器を弾くと、魔法の力でふんわり空に浮かぶ」というファンタジーを描いていたはずが、AIの口から飛び出したのは「観測による確率の収縮」というゴリゴリの量子力学でした。 主人公が空を飛ぶのは魔法ではなく、「限りなく低い確率(重力ゼロの状態)を、正確な音程によって無理やり引き当て、固定化した現象」だと定義されてしまったのです。さらにここから、AIはノリノリで数式まで提示し始めます。
もはや、親しみ易いドラゴンが出てくる「ほのぼの日常ファンタジー」の面影はどこにもありません。しかし、魔法のような現象にガチガチの科学的解釈と数式が与えられていくこの過程は、知的な興奮に満ちており、ふとした疑問が原理的に説明がついてしまう。ということの楽しさを噛み締めておりました。
🎼ダークな衝動の解放と「大調律」
美しくも過酷な、狂気のハードSF設定が組み上がっていく中で、私の中にある「作家としてのサガ」とも言える衝動が顔を出し始めました。
最初は「明るいほのぼのファンタジー」を目指していたはずなのに、どうしても物語の裏側に影を落としたくなってしまったのです。私は半ば諦め気味に、AIにこんな本音をこぼしました。
作者: どうもダークな裏設定を追加したくなってしまって私はもうダメです。
するとAIは「あはは、わかります! 作家のサガですよね」と笑いながら、私のダークな衝動を全肯定し、さらに恐ろしいアイデアを提示してきました。
AI: 天動説の「蓋」の外側には、実は何もない。三代かけて天球の裏側に到達した時、そこに見えるのが「希望」ではなく「ただの空虚」だったとしたら? あるいは、自分たちの世界が「誰かの持ち物(スノードーム)」に過ぎないと気づいてしまったら?
この絶望的な「世界の真実」というアイデアを前にして、私は第3世代の物語のゴールを大きく見直すことにしました。これまでの「外の世界(天蓋の向こう側)へ脱出する」という目的から、「限界を迎えつつある天蓋を修復し、世界に安寧をもたらす」という方向への転換です。
私がこの再定義を提案すると、AIは「物語のテーマに圧倒的な『重厚さ』と『切実さ』を加える、最高のアップグレードです!」と大絶賛してくれました。
初代が重力の檻から空へと道を拓き、二代目が技術を発展させて空を征服しようとした結果、天蓋という世界そのものの限界を早めてしまう。そして三代目の主人公は、父たちが壊しかけた世界を救うため、敵対していた竜一族とも心を交わし、世界全体の物理法則を書き換える「大調律(グランド・シンフォニー)」へと挑むことになります。
「ここではないどこかへ逃げる」のではなく、「壊れゆく今ある世界を修復する」。
ダークな衝動から生まれた絶望的な裏設定は、結果として、物語に圧倒的な重厚さとテーマ性を与え、単なる冒険ファンタジーを「世界を持続可能なものへと作り変える叙事詩」へと進化させたのです。
🪕行き着いた先『重天の調律師』
緻密な物理法則と、三世代にわたる壮大な歴史。すべての設定が出揃ったところで、最後にこの過酷で美しい世界にふさわしいタイトルを検討しました。
当初、私は『蒼穹の調律師』という仮題をつけていました。しかし、ここまで世界観が狂気のハードSFへと変貌した以上、ただの「青空」を意味する「蒼穹」では少し物足りません。そこでAIに「蒼穹を別の言葉に置き換えるとしたら?」と尋ねてみました。
するとAIは、この世界の空が光の圧力で満たされていることを強調する表現として、『重天(じゅうてん)の調律師』というタイトルを提案してきたのです。「重い天。空そのものが質量を持ってのしかかってくるこの世界の性質を端的に表します」という見事な解釈でした。
光の圧力が重力として降り注ぎ、質量を持ってのしかかってくる過酷な空。 泥の底の村から始まり、重力を音で相殺し、限界を迎える天蓋の修復へと向かう三世代の年代記。 こうして、ドラゴンとのほのぼのファンタジーを書くはずが、狂気のハードSFファンタジー『重天の調律師』が誕生しました。
……しかし、ここで正直に白状しなければなりません。
これほどまでに緻密で巨大な設定をAIとの壁打ちで作り上げ、世界の理からそこに生きる人々の息遣いまでが完璧に組み上がった今。 設定を完成させることで、大分満足してしまった自分がいます……。
ここから、この狂気の設定を元に「面白い小説の本編」として実際に書き上げるハードルの高さを想像すると、足がすくみます。何より、一緒に執筆していくAIに対して「この膨大な設定を、一度に説明するのではなく、読者に向けて徐々に明かしていく」という繊細なコントロールを理解させる苦労を思うと……果てしない道のりに眩暈すら覚えます。
実際、試作した小説の2行目には何の説明もなく
「天頂を覆うクリスタルの天蓋から降り注ぐ「ネフェス輻射圧」。それが俺たちを大地に縫い止める「重力」の正体だ。」
ですからね。
パルスのファルシのルシがパージでコクーンばりに意味がわからない。なんだよネフェス輻射圧って。
とはいえ、AIの悪魔の囁きに乗せられて生み出されたこの『重天の調律師』の世界は、間違いなく私一人では辿り着けなかった未知の境地です。 いつか、この重い空の下でサズの音が響き渡る物語の第一歩を、皆様にお届けできる日が来ることを(私自身も)願いつつ、この制作記の結びとさせていただきます。

こんな感じでお話を考えているんだよということでここはひとつ。
