ビジュよし、音よし。Innuos試聴会
関西初・Innuosお披露目試聴会へ
シマムセンで開催された Innuos の試聴会に参加してきました。
関西で初お披露目の試聴会で、
NAZARÉ と Zenith Next-Genを中心に聴くことができました。

試聴を通して印象に残ったのは、音そのものだけでなく、
Innuos がネットワークオーディオをどのように考えているのか、
という点でした。
「音楽のための情報機器」という発想
Innuos は、ポルトガル発のネットワークオーディオブランドです。
当日の試聴会でのタイムロード社の方による説明や、パンフレット、
公式ウェブサイトを通して印象に残ったのは、
Innuos が「コンピュータの延長として音楽再生機器をつくる」のではなく、「音楽を聴くための情報機器をつくる」という発想から出発しているように見えたことでした。
PCや汎用的な情報機器としてすでに存在しているものを、
音楽再生用に活用するのではなく、
最初から音楽のための専用機をつくろうとすること。
しかも、そのためにハードウェアやOS、
操作環境まで自社で設計していくこと。
その姿勢に、私は大きな発想の転換と、
非常にチャレンジングなものづくりの姿勢を感じました。
デジタル再生やネットワークオーディオは、
どうしてもPCや情報処理の延長として捉えられがちです。
しかし Innuos の創業の物語には、
音楽を聴く体験の側から、
情報機器そのものをつくり直そうとする視点があります。
単にデータを扱うための機器ではなく、
音楽に自然に入り込める専用機をつくる。
その出発点に、
今回の試聴で感じた自然さの理由が少し見えたように思いました。
Innuos の公式サイトでも、創業の出発点として、
デジタル音源をより便利に扱いたい一方で、
単なるコンピュータやストリーミングアプリでは満足できなかったこと、
そして音楽にすぐ入り込める専用機をつくろうとしたことが
紹介されています。
日本代理店であるタイムロードの紹介でも、
Innuos は「コンピュータからではなく、音楽から始まったブランド」と
説明されています。
Zenith Next-GenとPHOENIX USBで感じた変化

試聴では、Zenith Next-Gen に
PHOENIX USB を接続したときの変化が印象に残りました。
Innuos の公式サイトでは、
PHOENIX USB はUSB信号を再生成し、
DACに送る前の信号の質を整えるための
USBリクロッカーとして説明されています。
今回の試聴でも、接続後は音の見通しがよくなり、
細部がより整理されて聴こえるように感じました。
音の解像度が一段上がったような印象があり、
DACに送信する前の情報の調整が音楽再生に与える影響について、
改めて考えさせられました。
NAZARÉの自然さと、ポテンシャルの高さ
一方、NAZARÉ については、
デジタル再生で時に感じる聴き疲れの少なさがとても印象的でした。
Innuous社のウェブサイトによると、
NAZARÉは新しいフラッグシップの
ミュージックストリーマー/サーバーで、
ライブ演奏の感覚をリビングにもたらすことを目指す製品として
説明されています。
もちろん、試聴会という限られた環境で聴いた印象ではありますが、
NAZARÉ の音には、強い押し出しや鋭さではなく、
自然に音楽を聴き続けられるような感覚がありました。
ネットワークオーディオやCD音源などのデジタル再生は、
アナログ再生よりも情報量が多く鋭い印象があります。
細部までよく見える音は魅力的ですが、
長く聴いていると少し疲れてしまうことが個人的にはあります。
NAZARÉ では、こうしたデジタル再生に見られる特徴が中和されて、
アナログ再生を聴いているかのような優しさを感じました。
NAZARÉ は、
DAC やアンプ、スピーカー、ルーターなどの組み合わせによって、
さらに表情を変えていく機器なのではないかとも感じました。
今回の試聴では、自然さや聴き疲れの少なさを感じることができましたが、
異なる構成のシステムの中で聴いたとき、
どのような空間表現や再現性を見せるのかにも興味が湧きました。
たとえば、韓国の cotton_audio 様が
紹介されていたようなシステムの中で聴いたとき、
どのような音が目の前に広がるのか。
ポテンシャルの高さへの想像は膨らみました。
ロゴを主張しない、筐体の美しさ

また、音だけでなく、筐体のデザインもとても印象に残りました。
特にNAZARÉは、正面から見たときの静かな佇まいが美しく、
ロゴやブランド名を強く前面に出すのではなく、
筐体そのものの造形や質感で存在感を示しているように見えました。
青い光の入り方も控えめで、機器としての主張はありながらも、
空間の中で過度に目立ちすぎないところに魅力を感じました。

さらに印象的だったのは、上から見たときの面の構成です。
幾何学的なラインが交差し、
中央の三角形の部分がゴールドで強調されるデザインになっていて、
単なる四角い箱ではなく、
ひとつの造形物として魅せる意識が感じられました。
また、Innuos の機器は、シリーズとしての統一感を持ちながらも、
機種ごとに筐体の表情が少しずつ違っているように見えました。
大きく主張する違いではなく、
面の取り方やラインの入り方、光の見え方が微妙に異なる。
そのわずかな差異が、製品ごとの個性になっているところに
美しさを感じました。
オーディオ機器は、正面から眺めるだけでなく、
ラックに置かれ、生活空間の中でさまざまな角度から目に入るものです。
その意味で、上から見たときにも美しいということは、
所有する楽しさだけでなく、
インテリアとしての空間の中での存在感にも
つながっているように思います。
おわりに:音質・デザイン・空間との関係を深める
日本に初上陸したばかりの
ハイエンド・ネットワークオーディオブランド、Innuos。
その関西で初めて本格的に試聴できる場に立ち会えたことは、
私にとって大変貴重な機会となりました。
今回の試聴会は、
ネットワークオーディオを単なるデジタル機器としてではなく、
音楽を再現するための専用機器として捉えること、
そして音楽をどのように心地よく聴くのかという視点から、
オーディオについて考えるよい機会になりました。
音質だけでなく、設計思想やデザイン、
生活空間との関係まで含めて、
オーディオの面白さを改めて感じる時間でした。
特に、シリーズとしてのデザインの統一感がありながら、
機種ごとにわずかな差異を持ち、
その違いが見た目の美しさや個性として立ち上がってくる機器とは
どのようなものなのか、という点にも強く惹かれました。
ネットワークオーディオをはじめ、オーディオの奥深さを、
これからももっと探究していきたいと思います。
参考ウェブサイト
・Innuos 公式サイト
https://innuos.com/
・Innuos 公式サイト「Nazaré」
https://innuos.com/nazare/
・Innuos 公式サイト「PhoenixUSB」
https://innuos.com/phoenix-usb/
・タイムロード社 Innuos ブランド紹介
https://www.timelord.co.jp/innuos/
