🐾ナツメ、性別の謎事件簿。──田んぼから来た小さな奇跡
ウッドデッキの上、猫用爪研ぎ段ボールで日向ぼっこをするナツメ。
柔らかな光の中で、毛並みを舐めながらまどろむ姿を見ていると、つい十年前のことが思い出されます。
あの頃、ナツメは田んぼに捨てられていました。
全身が疥癬症で、毛も肌もボロボロ。
手のひらに乗るほど小さな体で、まるで命の灯が消えかけているようでした。
投薬と塗り薬、根気のいる看病。
少しずつ毛が生えそろい、食欲も戻ってきたころ、ようやく「生きる力」が戻ったのを感じました。
けれど、事件はそのとき、すでに起きていたのです。
「先生、ナツメに……キャン玉が!」
獣医師はカルテに「性別:メス」と記入。
「女の子ですね」と断言され、私もすっかり信じ切っていました。
(猫の性別って、幼いうちは本当に分かりにくいんですよね)
だからこそ、あの瞬間は衝撃でした。
成長するにつれて、股間に……立派なタマタマが出現。
「えっ、なにこれ……?」
「まさか……雌猫にもあるの?」と、混乱の極み。
いよいよ避妊手術の時期も近づいた頃、再び動物病院へ。
診察台にナツメを乗せながら、私は勇気を出して聞きました。
「先生、ナツメにキャン玉が!」
「えっ? 女の子じゃなかったっけ?」
(いや、先生、あなたが……!)
そう、ナツメは立派な男の子だったのです(笑)
今では、森の猫紳士。
去勢手術も無事に終わり、あれから十年。
ナツメは今、森の中の家で、仲間たちと穏やかに暮らしています。
冬は薪ストーブの前でまるくなり、
昼はお気に入りのダンボールの上で、日差しを浴びてうとうと。
好きな食べ物は、もちろん「ちゅ〜る」。
その瞬間だけは、どんな紳士も子猫に戻ります。
我が家の保護猫には、ちょっとしたミステリーと笑い、
そして確かな幸せの物語があります。
──ナツメ、今日も良い日向ぼっこを。
#保護猫 #猫のいる暮らし #猫あるある #うちの子がいちばん
