見出し画像

【第66話】「独房、そして空の下へ」

独房に来てから、おそらく5日目。

ここでは、一日が本当に長かった。やることがなさすぎて、暇に殺されそうになっていた。

それに――眠れない。
常に監視カメラが稼働していて、寝るときでさえ照明が消えることはなかった。

ゾナで風邪を引いてからピークは過ぎて、
「外の空気が吸いたい」
そう思うようになっていた。

私は、看守にお願いした。

「バトノ、トゥシェイズレバ、ツォタハニ、ワージショミンダ」(お願いです、良かったら少しだけ外で運動させてください)

すると、看守はこう言った。

「ワージショ、ギンダ―、モディ」(運動したいって? 来いよ)


彼に連れられて建物の外に出ると、そこは何重もの有刺鉄線の柵で囲まれていた。
その先には監視塔もある。
逃げたくても、生きて逃げられるような場所ではなかった。

でも――風が気持ちよかった。
天気が良く、空気が軽くて、すべてが美しく思えた。

グルダニ刑務所にいた9か月間、
“部屋の外に出る”ことすら許されなかったのだから。

だから私は、その一瞬を味わい尽くした。

ただ、日光を浴びて、深呼吸をする。
その呼吸は、もはや“快楽”と呼べるほど気持ち良かった。


1時間ほどたった頃、看守が「そろそろ戻ろう」と声をかけてきた。
その看守――名前はダト。

彼は明らかに他の看守とは違っていた。
言葉の端々から、品性がにじみ出ていた。


部屋に戻ると、昼食が運ばれてきた。もちろん、内容は変わらない。

ただ一つだけ違ったのは、
ゾナで余ったおこぼれが、すべて私のもとに届いたこと。

バケツにいっぱいの食料が、三つ。
「好きなだけ食え!」
と言わんばかりの勢いだった。

もちろん、そんなに食べられるはずもない。
体に必要な分だけ食べて、あとは「ごめんなさい」と手を合わせた。

それが、朝も昼も晩も続いた。


しばらくして、別の看守が私の名前を呼びに来た。

何かと思えば――
弁護士が面会に来てくれたという知らせだった。

私は、思わず胸をなでおろした。
「助かった……!」

今日は、嬉しいことが続く。
そう思いながら、私は弁護士のもとへと向かった。


独房から、弁護士と面会できる場所までは、歩いて約10分。

到着すると、全体がカビ臭い建物の中を案内され、
たくさんの受話器が並んでいる部屋に入れられた。

奥まで進むと、
私の弁護士(男性)と通訳(女性)の二人が待っていた。


続く


いいなと思ったら応援しよう!

Bonsai|ぼんさい あなたは本当に素晴らしい方です!!ありがとうございます。