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ハードボイルド書店員が「べらぼう」の第10話から学んだこと
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」を毎週見ています。
先日放送された第10話も素晴らしかった。特に小芝風花さんが演じる五代目瀬川は、もはやもうひとりの主人公。次回以降どうなるのでしょうか。
もうひとつ印象に残ったのは、蔦重や関係者たちが精魂を込め、一冊ずつ手作りで仕上げた本が江戸市中の本屋で取り扱い禁止になり、捨てられているシーンです。そうか、当時は返品するシステムじゃないんだなと。
返品は嫌な仕事です。肉体的にきついし、メンタルも削られる。
↓を思い出しました。
ミシマ社の創業者・三島邦弘さんの著書「パルプ・ノンフィクション」(河出書房新社)です。こんな記述がありました。
広島のある書店に行った際、仲の良い書店員さんが言った。
「同期が辞める日。本が大好きで大好きでしかたのない人だったんですが、日々、大量に送られてくる本を大量に返品する。その作業に耐えられなくなって。彼は、その日、返品しなければいけない大量の本たちを抱きかかえて、『返さない!』と叫んだんです」
なかなか売れない難解な名著や大作を置くことを考えたら、版元へ返せるからこそ本屋が成り立っている部分はたしかにある。とはいえ諸々の状況を見れば返品の量を抑え、書店側の利益率を上げる方へ舵を切るのは不可避と思えます。もちろん個々の出版社の売り上げ規模に配慮しつつ。
瀬川は子どもの頃に蔦重からもらった本を大事にし、何度も読み返しています。あの気持ちをもう一度と感じました。たくさん売ることが商売における正義であることは間違いありません。でもだからといって本を使い捨てみたいに扱ったり、返品できるからと雑に仕入れたりすることはしたくない。作った人や届けてくれた人の情念を背負っているのだから。
第11話も楽しみにしています。
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