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「よくぞ」vs「己の考えばかり!」

見応えのある回でした。

10月12日に放送された、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第39回「白河の清きに住みかね身上半減」のことです。カリスマ経営者と彼を支える人たちの倫理観、価値観のギャップみたいなものを感じました。

山東京伝「仕懸文庫」などの洒落本を、あたかも教訓本であるかのような態で出し、老中・松平定信の逆鱗に触れた蔦屋重三郎。捕えられて折檻されようが、牢屋敷へ数日間拘束されようが、出版に込めた意志は曲げない。身上半減(ざっくり言うと財産を半分没収)の憂き目に遭ってなお、お上を挑発するスタンスを崩しませんでした。

実際の蔦重がどうだったかはわかりません。ただ作中の彼に関しては「よくぞ」と思いました。時の権力者に抗い、怖くなかったはずはないので。定信へ伝えたメッセージにも共感を覚えました。

しかし彼を救うために尽力し、物心両面において少なからず迷惑を被った人たちからしたら「己の考えばかり!」「ほんとそういうところですよ」となります。

興味深いことに、私の見る限りではネット上の声は蔦重に猛省を促すものが大半でした。もし可能であれば、経営者の方がどう思ったのかを訊いてみたい。それも蔦屋耕書堂みたいな、決して大きくないベンチャー企業や個人商店の。

おていさんや鶴屋さんが怒るのは尤もです。私も同じ立場だったら「従業員や周りの人のことも少しは考えてください」となります。一方で、ああいうリーダーじゃなければ世を統べる容易に変えられぬ何かを変え、時代の閉塞性を打ち破るのは難しい。

とはいえ、勇気と無謀は紙一重。ギリギリの線を慎重に見極める必要があるわけで、今回はそこが甘かったかもしれません。春町さんの件で感情に流されたのでしょうか。

「べらぼう」も残り9回かな? 最後まで追いかけます。

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