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【旅行】スーパー温泉に泊まるのに、翌日は別料金?――それなら、ここに泊まる意味がない

温泉施設に泊まるのに、翌日は別料金?――それなら、ここに泊まる意味がない

富士宮にある「時之栖 富嶽温泉 ホテル花の湯」を予約した。


温浴施設に併設されたホテルである。

普通のホテルではなく、わざわざ温浴施設の中にあるホテルを選ぶのだから、最大の目的は当然、温泉をゆっくり楽しむことだ。

ところが今回は、事情があってチェックインが午後9時頃になる。

到着した日は、温泉を十分に楽しむ時間がない。

そこで施設に電話して、翌日のチェックアウト後に日帰り温泉を利用できないか聞いてみた。

返ってきた答えは、こうだった。

チェックアウト後はいったん退館して、日帰り客として入り直してください。料金も別に必要です。

思わず、こう感じた。

それなら、ここに泊まる意味がない。

温泉を楽しむために泊まるのではないのか

今回のチェックイン予定は午後9時、チェックアウトは翌朝10時である。

夜遅く到着して、翌朝には退館する。

もちろん、朝風呂に入ることはできるだろう。

しかし、チェックアウト後にもう一度ゆっくり温泉を楽しもうとすれば、宿泊者であっても日帰り客として入り直し、別料金を支払わなければならない。

これでは、温浴施設に泊まるというより、温浴施設の一角にある部屋で寝て、朝食を食べて帰るだけになってしまう。

寝ることが目的なら、近隣の普通のホテルでもよい。

翌日に改めて日帰り料金を払うのであれば、最初から別のホテルに泊まり、好きな温浴施設へ日帰りで行った方が合理的である。

温泉を楽しむために温泉施設へ泊まるのに、翌日の温泉は宿泊とは無関係な別サービス。

どうにも納得できない。

私が大好きな二つの宿では、翌日も楽しめた

私がこれまで宿泊した温浴施設の中で、特に大好きなのが、水戸の「SPA&ごはん ゆるうむ」と、滋賀県・雄琴温泉の「天然源泉の宿 ことゆう」である。

どちらも、単に風呂やサウナが充実しているから好きになったのではない。

宿泊者が温浴施設を存分に楽しめるように考えられており、「ここに泊まってよかった」と思える宿だった。

「ゆるうむ」では、宿泊者として本館の温浴施設を追加料金なしで利用できた。

そして「ことゆう」では、隣接する「スパリゾート雄琴 あがりゃんせ」を、宿泊当日だけでなくチェックアウト後も無料で利用できる。

「ことゆう」の公式サイトにも、

宿泊するとチェックイン・アウトの両日無料でご入館いただけます。

とはっきり書かれている。

チェックアウトしたからといって、慌ただしく帰る必要はない。

翌日も温泉に入り、食事をして、休憩してから帰ることができる。

宿泊者にとっては、到着日と出発日の2日間を使って、温浴施設全体を楽しめるのである。

この二つの宿は、宿泊者が何を求めているのかをよく分かっている。

だから私は、「ゆるうむ」と「ことゆう」が大好きなのだ。

「翌日も利用できる」は、おまけではない

温浴施設側から見れば、チェックアウト後の入浴を無料にすることは、追加サービスなのかもしれない。

しかし、宿泊者の側から見ると、これは単なるおまけではない。

温浴施設に泊まる目的そのものに関わるサービスである。

一般のホテルなら、チェックアウトでサービスが終了しても違和感はない。

しかし、温浴施設併設ホテルの商品は、客室と朝食だけではない。

温泉、サウナ、休憩スペース、食事、そして館内でゆっくり過ごす時間までを含めた「滞在体験」が商品である。

特に遠方から来る客や、到着が遅くなる客にとって、翌日の利用可否は宿選びを左右する大きな条件になる。

「ゆるうむ」や「ことゆう」が魅力的なのは、設備が充実しているからだけではない。

客が温浴施設でどのように過ごしたいのか、そして翌日をどのように楽しみたいのかまで考えて、宿泊サービスが設計されているからだ。

ルしく感じるのは、別料金だからだけではない

施設側にも事情はあるだろう。

日帰り客との区別、館内の入退場管理、タオルや館内着の扱い、清掃や混雑への対応など、運営上の理由はいくつも考えられる。

ルならば、方法はいくらでもあるはずだ。

* チェックアウト後も当日限り再入館できるようにする
* 宿泊者に翌日入浴券を渡す
* 宿泊者向けの割引料金を設ける
* 夜遅く到着する宿泊者には翌日利用を認める
* 翌日の入浴を含む宿泊プランを用意する

こうした選択肢のどれかがあれば、受け止め方は大きく変わる。

今回残念だったのは、追加料金が必要だったことだけではない。

「夜遅く到着するので、翌日に温泉を楽しみたい」という事情を伝えても、代わりの提案がなく、ただ「いったん出て、別料金で入り直してください」と言われたことだ。

施設の規則としては正しいのかもしれない。

しかし、宿泊者の気持ちに寄り添った対応とは感じられなかった。

ルールを守るだけでは、宿泊価値は生まれない

宿泊施設が提供しているのは、部屋やベッドだけではない。

客がそこでどのような時間を過ごし、どのような気持ちで帰るかまで含めた体験である。

温浴施設併設ホテルなら、なおさらだ。

宿泊客は、温泉を楽しむためにその宿を選んでいる。

その期待に応えることが、普通のホテルにはない宿泊価値になる。

「ことゆう」が当日と翌日の両方を無料にしているのは、単なるサービス精神ではない。

宿泊者に温浴施設を十分楽しんでもらい、満足して帰ってもらうという、極めて合理的な商品設計である。

満足した客は、また泊まりたいと思う。

人にも勧めたくなる。

私が「ゆるうむ」と「ことゆう」を大好きになったのも、まさにそのためだ。

一方で、チェックアウトした瞬間に宿泊者としての扱いを終え、もう一度入りたければ一般の日帰り客として料金を払ってください、という仕組みでは、再び泊まりたいという気持ちは生まれにくい。

目の前の入浴料金は取れても、宿泊客の再訪を失う可能性がある。

これは料金の問題というより、宿泊価値の設計の問題なのである。

やはり、ここに泊まる意味が見つからない

温泉を楽しむために、温浴施設に泊まる。

しかし、夜遅く到着すれば当日はほとんど楽しめず、翌日に利用しようとすれば別料金になる。

それなら、ここに泊まる意味は何だろう。

私はこれまで、「ゆるうむ」や「ことゆう」で、温浴施設に泊まる楽しさを知ってきた。

翌日も時間を気にせず、温泉に入り、食事をし、ゆっくりしてから帰る。

そこまで含めて、温浴施設に泊まる価値だと思っている。

だからこそ、今回の対応には違和感が残った。

規則だから仕方がないと言われれば、それまでである。

だが、客の側にも宿を選ぶ自由がある。

温浴施設に泊まる最大の目的である温泉を十分に楽しめないのなら、私は別の宿を選ぶ。

少なくとも、夜に到着して寝るだけになり、翌日の温泉にはもう一度料金を払わなければならない宿に、わざわざ泊まる理由は見つからない。



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