盛者必衰(じょうしゃひっすい)
【意味】
①今は勢い盛んな者も、いつか必ず衰えるということ。
②栄華や権勢が永遠には続かないという無常の理を表す。
【用例】
①盛者必衰は世の習いというが、あの大企業もついに経営破綻した。
②どれほど栄えた王朝にも終わりがあるという盛者必衰の歴史である。
【故事来歴】
[出典]仏教経典『仁王経』下巻に「盛者必衰、実者必虚(盛んなる者は必ず衰え、満ちたる者は必ず空し)」とあるとされる。栄えているものも、充実しているものも、やがて衰え、失われるという無常観を示す句である。
日本では『平家物語』冒頭の「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」によって特に有名になった。平清盛と平家一門の栄華と滅亡を語る物語全体の主題を、仏教の無常観によって提示している。
【類義語】
栄枯盛衰、諸行無常
【対義語】
万古不易、永久不変
【補足】
「盛者必衰」と「生者必滅」は、どちらも、この世のものは永遠には続かないという仏教的な無常観を表すが、対象と意味の焦点が異なる。
「盛者必衰」は、現在栄えている者や勢力も、いつかはその繁栄や勢いを失い、衰えることをいう。「盛者」は、権力者・王朝・国家・企業など、勢いの盛んなものを指し、「衰」は栄華や勢力が弱まることである。したがって、必ずしもその者が死滅するところまでを意味せず、没落・衰退・権勢の喪失に重点がある。
これに対して「生者必滅」は、生を受けた者は誰であっても、いつか必ず死を迎えるという生命そのものの無常をいう。「生者」は、栄えているか否かを問わず、生きているすべてのものを指し、「滅」は命が尽きることを表す。「会者定離」と組み合わせて、「生者必滅、会者定離」と用いられることが多い。
