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【情報まとめ】井上拓真 公開練習の様子•評価

"井上尚弥の弟"ではなく、"王者"として…

WBC世界バンタム級王者・井上拓真(大橋)が9月15日、横浜市内の所属ジムで練習を公開した。27日にTOYOTA ARENA TOKYOで開催される「Prime Video Boxing 16」で、同級1位・那須川天心(帝拳)と約10カ月ぶりに再び拳を交える。拓真にとっては2度目の防衛戦となる。披露したのはシャドーボクシングとミット打ちを1ラウンドずつ。鈴木康弘トレーナーが構えるミットに打ち込んだのはジャブとワンツーがほとんどで、那須川の公開練習同様、手の内はほぼ見せなかった。視察には帝拳プロモーションの浜田剛史代表、那須川を指導する葛西裕一トレーナーらが足を運んでいる。わずか2ラウンド。それでも、口から出る言葉に迷いは感じられなかった。

【選手データ】
◎井上拓真(大橋)
・出身地:神奈川県座間市
・身長:164cm
・リーチ:163cm
・利き腕:オーソドックス
・プロ戦績:24戦22勝(5KO)2敗
・現WBC世界バンタム級王者

初戦は2025年11月24日、同じTOYOTA ARENA TOKYOでのWBC王座決定戦だった。ボクシング転向後7戦全勝で勢いのあった那須川に対し、1年1カ月ぶりの再起戦に背水の陣で臨んだ拓真が116-112、116-112、117-111の3-0判定で勝利。王座返り咲きを果たし、那須川にはプロ初黒星がついた。その後、拓真は今年5月2日の東京ドームで元世界4階級制覇王者・井岡一翔(志成)を迎え撃ち、2回と3回にダウンを奪い初防衛に成功した。那須川も4月11日のWBC挑戦者決定戦で元PFPランカーのエストラーダ(メキシコ)を9回終了TKOで下し、圧倒的成長を見せつけた上で再挑戦の切符を手にしている。7月23日の試合発表会見では、那須川は「負けて預けたものはかなりデカい」と語った。この言葉について問われた拓真の答えは、「別に預かっているものはない」であった。突き放したというより、自分にとってはあくまで防衛戦だという線引きに近い。

井上は8月の北海道合宿からスパーリングも順調に消化し、コンディションは「すごく良い」と言っている。エストラーダ戦から那須川のファイトスタイルが攻撃的になったことは認めたうえで、「たとえ距離を取っても出てきても、自分の方が引き出しは多い」と言い切った。弱点を狙い撃つより、試合の中で瞬時に判断して対応する。拓真らしい答えだった。

2024年10月に堤聖也(角海老宝石)に敗れた一戦にも触れ、「全部思い知っている」と口にした。自信過剰でつまずいている暇はない。そう語る声には、一度ベルトを失った男の覚悟がにじんでいた。再々戦の可能性を問われると「これで最後」と一言で返した。視察した葛西トレーナーは「テンポもいいし、チャンピオンのボクシング」と敬意を示しつつ、井岡からダウンを奪ったパンチ力を警戒する。前日14日の那須川の公開練習では、大橋ジムの北野良トレーナーが「重心を下げていて打ち合いの想定なのかな」と分析していた。探り合いは、もう始まっている。

試合展開の焦点で言えば、前に出てきた時の那須川を拓真がどう迎えるかだ。井岡戦で見せた右のクロスとアッパーは、攻めてくる相手にこそ真価を発揮する武器であり、噛み合えばKO決着もあり得る。拓真自身は「流れではKOも狙いたいが、まずは完封で。何もさせないで勝ちます」と話す。対する葛西トレーナーは「こっちのペースになったら逃がさない」。那須川が序盤から圧力をかけ続けられるかどうかで、再戦の景色は大きく変わりそうだ。

那須川との初戦発表時にメディアが表現した「井上尚弥の弟」という肩書きは、もう拓真の説明には足りない。那須川、井岡とビッグネームを圧倒し、今は自分の名前で世界の真ん中に立っている。利子をつけて取り返しにくる"神童"を前に、王者は壁の高さを改めて示せるのか。王者・井上拓真としてのリマッチがはじまる。

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