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なんぢゃい?――日本語は、土地が変われば意味も変わる


群馬県富岡市に「南蛇井(なんじゃい)」という地名がある。

南蛇井。

漢字だけ見れば、なんとも由緒ありそうな地名である。

ところが、声に出してみる。

「なんじゃい」

関西人なら、もう駄目である。

「なんじゃい!」

と啖呵を切っているようにしか聞こえない。(笑)

ところが日本語というものは、さらに恐ろしい。

土地が変われば、同じような音の言葉が、とんでもない意味を持つことがある。

鹿児島では「おはこ」という言葉が、我々の知る「十八番」とは別の意味で使われるという。

昔、こんな笑い話があった。

新任の警察署長が赴任した。

歓迎会を婦人会が取り持ち、宴もたけなわとなった。

署長が上機嫌になって言った。

「では、この辺で皆様のおはこを見せて頂きましょう!」

ところが、居並ぶ婦人会の役員たちは、一斉に俯いてしまった。

署長は不思議に思う。

「どうしたのだ?」

しかし婦人会の皆様にしてみれば、

新任警察署長自らの「おはこ」検査

なのである。

そりゃあ俯きますわな。(爆)

淡路島では、これに似た話がある。

「おちゃこ」という言葉。

大阪から来た吉本の芸人が、淡路島でどさ回りをしていた。

楽屋の世話をしてくれていた女の子は、いつか大阪へ出たいと思っていた。

そこで芸人さんに相談した。

芸人さんは気軽に答えた。

「そんなん簡単やで。

おちゃこしたらエエねん、おちゃこ!」

ところが、その女の子。

顔を真っ赤にして、そのまま逃げ去った。

芸人さんは、

「何でや?」

と首を傾げる。

これもまた、土地が変われば言葉の意味が変わるという悲喜劇である。

こういう話が面白いのは、決して下品だからだけではない。

むしろ逆である。

昔の日本では、特に女性に関する身体の名称などは、土地土地で呼び方が異なり、しかも公の場では口にしない。

いわば「皆が知っているのに、誰も言わない」。

そのため、地方へ行けば同じ音が全く違う意味になってしまう。

ところが男性側の名称になると、幼児語などを含めて、比較的おおっぴらに使われることもある。

この文化的な非対称性も、考えてみれば実に不思議なものである。

そして最後に、私は一つの歌を思い出す。

NHKの『みんなのうた』である。

そこに登場する歌が、

「Oh! チンチン」

である。

しかも歌ったのは、ボニージャックス。

歌詞もまた、実に大らかである。

子供の頃の思い出として、

「チンチンつまんで、おしっこで、雪に名前を書いたっけ。」

そして、

「おーチンチン、おーチンチン……」

と続き、最後には――

「あのチンポコよ、どこ行った?」

となる。

……。

南蛇井。

なんじゃい。

亀嵩。

かめだけ。

馬路。

まじ。

地名とは不思議なものである。

読めば笑える。調べれば歴史がある。

そして、その土地の人にとっては、笑い話でも何でもない。

何百年、何千年と受け継がれてきた、土地の名前なのである。

そう考えると、松本清張が地名に惹かれた理由も分かるような気がする。

地名は、土地に埋め込まれた暗号なのかもしれない。

……などと、少々文学的に締めようとしたところで、

「なんじゃい!」

である。

日本語は、奥深い。

いや、奥ゆかしい。

……どちらでも、よろしい。

ただし、放送局の編成部には、いろいろ御事情がおありでしょうな。(爆)

日本語とは、実に奥深い。


いや――


奥深すぎる、いや、奥ゆかしい。(爆)


そして私は思う。


「なんじゃい」という地名から始まって、最後に「Oh! チンチン」。


これを一本の記事にしようと思った自分自身が、


いちばん「なんじゃい」なのである。

ところで、時代劇の台詞で「お目こぼし下さい。」って危なくない??!!

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