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「戻れなくなる前に。」第3章【戻る勇気】②

引き返すことは、敗北じゃない

「せっかくここまで来たのに」

「今さら戻れない。」

そう思ったことがあります。

ここまで頑張ってきたのだから。
たくさんの時間を使ってきたのだから。
周りにも話してしまったのだから。

ここで引き返したら、負けたことになる気がする。

そんな思いが頭をよぎることがあります。

だから私たちは、

本当は違和感を覚えていても、
本当は苦しくなっていても、

そのまま前に進もうとしてしまうのかもしれません。

前に進むことだけが正解ではない

子どもの頃から、

「前を向いて進もう。」

という言葉をたくさん聞いてきました。

諦めずに続けること。
最後までやり抜くこと。
困難を乗り越えること。

もちろん、それらは大切なことです。

でも。

もし道を間違えていたとしたら。
もし自分が壊れそうになっていたとしたら。
もし大切なものを失いそうになっていたとしたら。

立ち止まることも、引き返すことも、前に進むための選択になり得る。

そんな視点もあっていいのだと思います。

引き返したからこそ守れたもの

人生を振り返ると、

「あの時、引き返してよかった。」

と思えることがあります。

あの仕事を辞めたこと。
あの関係に距離を置いたこと。
無理を続けなかったこと。

その時は、

悔しさもあったかもしれません。
情けなさもあったかもしれません。

でも。

引き返したからこそ、失わずに済んだものもある。

健康。
時間。
人とのつながり。

そして、

これから先の自分自身。

失ったものばかりではなく、

守れたものにも目を向けていいのだと思います。

「戻る」は、選び直すこと

引き返すことは、

最初からやり直すことではありません。

何もなかったことにすることでもありません。

そこまで歩いてきた時間。
悩んできた経験。
積み重ねてきたもの。

それらを抱えたまま、

別の道を選び直すことです。

「戻る」とは、過去を否定することではなく、自分を更新することなのかもしれません。

遠回りに見えることもあるでしょう。

でも、

その遠回りがあったからこそ見える景色もあります。

どこへ向かいたかったのだろう

もし今、

「今さら引き返せない。」

と思っていることがあるなら。

少しだけ、

その言葉を疑ってみてください。

本当に戻れないのだろうか。
本当に、ここまで進むことだけが正解なのだろうか。
自分は、どこへ向かいたかったのだろうか。
何を守りたかったのだろうか。

その問いに向き合った先に、

「戻る」という選択肢が見えてくることもあるかもしれません。

引き返すことは、敗北じゃない。

それは、

これから先も自分らしく歩いていくための、

もう一つの勇気なのだと思います。

Y

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