「戻れなくなる前に。」第4章【それでも前に進む】③(シリーズ最終回)
戻れなくなる前に。
本当に限界だったのは、いつだったのだろう
あとから振り返ると、
「あの時、もう少し早く気づいていれば。」
と思うことがあります。
もっと早く休んでいれば。
もっと早く相談していれば。
もっと早く立ち止まっていれば。
もっと早く離れていれば。
そんなふうに思うことがあります。
でも、その時の自分には、
その時なりの事情がありました。
頑張りたかった。
期待に応えたかった。
諦めたくなかった。
ここまで続けてきたものを大切にしたかった。
だからこそ、
気づくことが難しかったのかもしれません。
人は、自分の限界に気づきにくい
限界は、突然やってくるように見えます。
違和感は、小さな声でやってきます。
「もう少しだけ。」
そんな言葉を繰り返しながら、
私たちは前に進もうとします。
だから、
本当に苦しくなるまで、
自分の状態を後回しにしてしまうことがあります。
それは弱さではありません。
むしろ、
真面目に生きてきた人ほど。
責任感のある人ほど。
大切なものを守ろうとしてきた人ほど。
そうなりやすいのかもしれません。
それでも、選び直すことはできる
このシリーズでは、
たくさんの「戻る」を見つめてきました。
やめること。
離れること。
引き返すこと。
修正すること。
一度決めたことを変えること。
以前の私は、
そうした選択を「負け」だと思っていました。
でも今は、
少し違う見方をしています。
選び直すことは、諦めではない。
これから先も歩いていくための調整なのかもしれない。
そんなふうに思うようになりました。
守りたいものを見失わないために
頑張ることは大切です。
最後までやり抜くことも、
簡単に諦めないことも、
きっと人生には必要な場面があります。
でも。
その頑張りによって、
本当に守りたかったものを失ってしまったとしたら。
その時は、
少し立ち止まってみてもいいのかもしれません。
健康。
家族との時間。
安心して眠れる毎日。
自分らしさ。
人によって、
守りたいものは違います。
そして、
その答えは、人生の途中で変わっていくこともあります。
だからこそ、時々問い直してみる。
今の自分は、何を守りたいのだろう。
その問いは、
迷った時に戻ってこられる場所になるのだと思います。
まだ、選べる
もし今、
「このままでいいのだろうか。」
と思っていることがあるなら。
「少し無理をしているかもしれない。」
と感じていることがあるなら。
どうか、その小さな声を無視しないでください。
すぐに何かを変えなくてもいい。
大きな決断をしなくてもいい。
ただ、
立ち止まってみる。
誰かに話してみる。
少し休んでみる。
やり方を見直してみる。
そんな小さな選択からでも構いません。
戻れなくなる前なら、まだ選べることがあります。
そして。
選べるということは、これから先を変えていけるということでもあります。
人生は、
思い通りにならないこともあります。
遠回りをすることもあります。
立ち止まることもあります。
それでも。
その時々の自分なりに考え、
迷い、
選び直しながら、
ここまで歩いてきた。
そして、これからも歩いていく。
完璧じゃなくてもいい。
迷いながらでもいい。
大切なものを見失わないように。
自分の小さな声に耳を傾けながら。
まだ選べるうちに。
まだ戻れるうちに。
自分の人生を、自分の手に取り戻していけますように。
Y
