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321話 ケムルの再興 The Restoration of Kemul【エジプト編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~



その後、ルガル領はネブセド国に併合された。


ネブセド国のルガル総督に任命されたのは、
あの宰相 ナムルだった。

最後の一人としてラガシュカイネルに付き従った
若い名ばかりの宰相は、
ついに一国の総督にまでなったのである。





どうやら、この根回しはイセトがしたらしい。




結局、ラガシュカイネルとナムルの世話を、一番やいていたのはイセトだったあたりに人生の面白さはある。




そのイセトもなくなった。



今のケムル王国は、若き王サリム・ハルドの新しい、

しかも冷静な統治により軍事国家から経済国家へと見事に変貌していた。



アメンラー王国だけではなく、ティルサ王国とも交易を増やし、

鉄製品を大量に輸出したケムル王国は、豊かな国になっていた。



ケムル王国は、アメンラー王国に従う国としてともに発展する国として、

敵対することはなく、アメンラー王国として最大版図を実現した。


ラガシュカイネルが、苦労して伝えた鉄技術のおかげで、経済、農業の

発展は加速し、鉄戦車を国境に配したこともあって、

わざわざ攻め込んでくる国もなくなっている。



その間に、ファラオ トトメスは、若くして亡くなり

トトメスの第二夫人の王子、ウセルカエンが幼いファラオに

なってはいるものの、ネフェルイウリアが摂政として統治し、

この時点でも事実上のファラオとなっている。





歴史上を考慮するならば、こののちウセルカエンとの共同統治、

その後、ネフェルイウリアは単独でファラオを宣言する。



女王であるにもかかわらず、ひげをつけていたという話は、

このころのことになる。





夕暮れ。




ラガシュカイネルは、夕日に染まる空を見上げた。







「父上・・・」







風が、あごのひげを揺らす。




「父上とは違うやり方で、ケムル王国を発展させましたぞ」






「これならば・・父上もお叱りにはなりますまい・・・」










すっかり白くなったひげをなでるラガシュカイネルの目に、














涙が光っていた。













前の話



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