運が悪いだけ? なんでアイツばっかり得するのか 脳科学が教えるパレート分布の真実 人生が豊かになる151の考え方を科学者に学ぶ『天才科学者はこう考える』- いんすぴ!ゼミで学ぶ科学者の思考法
似ているものを集めてカテゴリー化するっていうのが脳の学習ルールなんですね。何が似てるかっていうのを似ているところをだんだん集めてくるとそれは平均になるよね。結局そういう学習ルールを採用してるから、っていうことになるんでしょうかね。

この記事のポイント
トップ20%が全体の8割を占める。人口1%が富の35%を握る。Twitter上位2%が全ツイートの60%を書く。極端な偏りは異常ではなく自然の摂理。
平均値と中央値が一致すると思いがち。会社の平均年収600万でも実際は200万が大半で役員が3000万のケースも。90%が自分は平均以上と思う認知バイアス。
脳の学習ルールは似たものを集めてカテゴリー化。似ているところを集めると平均になる。パレート分布を受け入れると心穏やかに生きられる。100年経っても馴染めない人類。
パレート分布は80対20のルール
この章ではパレート分布というものに焦点を当てておりますが、これは別の言い方があって80対20のルール、ジップの法則、ベキ分布、勝者一人勝ちの法則などです。よく書かれるのはピラミッド組織の内トップ20%が全体の8割ぐらいを占めているという、富を独占しているとかです。面白いのがここを取り出してみてもこの20%の中でさらにこの2対8が成り立つよということです。20というのはすごくまだいい方で、人口のわずか1%がすべての富の35%を握っているとか、Twitterではトップ2%のユーザーが全ツイートの60%を書いてるとか、そういう極端な偏りがあるということです。これがこんなの不公平だ、あいつは運がいいなみたいな、あいつらなんで富を独り占めしてるんだみたいな、私に本の執筆依頼が殺到していてなぜ私には来ないんだ?あいつは運がいいだけだと思うかもしれないんだけど、実際そうなのかもしれないけど、とにかくこういう何かに集中するということは別に異常なことではないよねということです。
世の中は正規分布だと思い込んでいる
なんでこれが異常だとか不公平だって私たち思うかというと、世の中の分布はこの正規分布になるはずだと思ってるからです。これがベルシェイプですね、ガウス分布とも言います。要は平均値と中央値が一致するのがガウス分布です。平均値と中央値というのはすごく大事な考え方で、例えばこの会社の平均年収は600万ですとかというとえって言うんだけど、実は蓋を開けてみたらほとんどの人が200万で一部の役員が3000万みたいな、ならせば600万になります。そういうことはよくある。でそういうときはだからちゃんと中央値を見たほうがよくて、中央値にすると300万400万ぐらいですとなると納得、自分はだいたいどれぐらいのランクにいるのかわかる。だけどガウス分布は平均値と中央値がぴったり一致してるので、平均を見れば集団の中央値がどこかというのもわかるということです。だいたい例えば自然に分布するものはだいたいこの正規分布になってくるというのが中心極限定理の威力でした。
パレート分布が世の中の真実
ほとんどの人は自分が平均以上だと思っている。なぜかね、90%のドライバーは自分は平均以上だと思ってて人より運転技術が優れていると思うというこれもヘンテコな認知バイアスです。あるいはほとんどの人は平均値というのは自分がそこに入るべき値あるいはそれ以上になるべき値とみんな思っちゃってる。平均寿命、例えば日本の男性の平均寿命80歳ですというと自分もだいたい80まで生きるだろうなって思うというのはこれを信じてるからです、ガウス分布。で実際はこっちだって言うんです、パレート分布ということですよ。これでは平均値と中央値は必ずしも一致しないという分布です。世の中の真実はこっちなんだということで、これを早く受け入れないといつまで経っても不平等だとかこんなはずじゃないとか運がいいとか悪いとかそういう話になってくる。たとえば英語では最も使用頻度が高い単語はTheだが使用頻度は第2位ofの2倍になってる。株式市場では最も値動きが大きい日の変動幅が2番目に値動きの大きい幅の2倍、そして10番目に値動きの大きい日の10倍になっている。そういうふうにとんでもないとんでもないくらい差がつくということです。
自然の摂理として受け入れる
自然科学はみんなこれになってるって思いがちだけど、地震とかではこのパレート分布になっていることがある。だから次に来る地震が実は今までの最大値よりも2倍になることもよくあるんだということです。まさに昨今の株式の値動きって見てるとそういう感じがする。だから今まで経験したことのないようなことが本当に起き得るんだ、それは別に異常だとかそういうことではなくてそれは自然の摂理としてあり得るんだということです。このパレート分布が提唱されたのがもう100年前だって言うんです。100年経ってもまだ人類がその考え方に馴染めない、不思議です。家計所得の平均値を示されるとそれが中央値に近いと思ってしまう人が多い。固定観念は捨てるべき。パレートはこれを予測可能な不均衡って呼んだということです。これが自然がはじき出した平等の描像ということになりますけど、これをちゃんと知ってておくと心穏やかにいられます。いつものあれねみたいな、どうせパレート分布でしょう、そういう風に理解できるといいよねということです。
脳は平均値を欲しがっている
パレート分布の存在に即座に気づけるようになって、すべてガウス分布で平均値と中央値が一致するはずだという固定観念を捨てようということです。そうすると少し心穏やかに生きられるんじゃないかという提案です。パレート分布を受け入れたくない何かの感情があるのか、そうかもしれません。これは深いです。自分は平均以上だと思ってしまうとかていうパレート分布を受け入れがたい感情なのかな。脳の理屈に合ってないんですかね。それこそ脳が世界をどう理解しているかということに直結してくると思いますけど、たぶん脳が世界を理解する理屈とパレート分布が直感に反するから受け入れがたいんだとは思うんです。感情的なところではなくてもっともっと基本的なところで多分合ってない感じがするんだと思います。脳が平均値を欲しがっているところがある。そうです、脳の学習理論はほとんどの場合はヘッブの法則というので説明されますけど、これは結局突き詰めると似たものを集めるという性質なんです。似ているものを集めてカテゴリー化するというのがヘブの学習、脳の学習ルールです。何が似てるかというのを似ているところをだんだん集めてくるとそれは平均になるよ、結局そういう学習ルールを採用してるからということになるんでしょうかね、脳の本質なのかもしれません。
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