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家庭の数だけ“フツー”がある「おでん」

「フツー」と言ってしまう、おでん

「あなたの家はどんなおでんですか?」
と質問した時、
「ウチのおでんはいたってフツーですよ」
と答える人が多い。

「おでん学!」の発売記念トークイベントで、そんな話が出ました。
確かに私も「フツーですよ。はんぺんとちくわぶが好きです。」とか答えるかなぁ。

でも、この"ウチのフツー"は、"みんなのフツー"ではないかもしれません。

おでんは“混ざらない”料理?

この本の著者である、紀文食品おでん研究班・萩原ゆみさんは、フィールドワークとして30年にわたり日本全国のおでんを食べ歩いています。

トークイベントでは、おでんの歴史をはじめ、NHKの朝ドラで描かれた"おでんを囲むシーン"や小説の中でのおでんの描写など、何気なくスルーしてしまいがちなエピソードも紹介されました。

その中で印象に残ったのは、司馬遼太郎さんの「アメリカ素描」(1989年出版)という作品の中で、アメリカを"おでんのような国"と評していること。
いろいろな人種が集まりながら、一つの国として成り立っているアメリカを、具材ごとに食感が違うおでんに重ねた表現です。

大根、たまご、こんにゃく、さつま揚げ、ちくわ、はんぺん、ちくわぶ・・・
確かに、どれも異なる食感を持つ食材です。
煮込んで、馴染んで、一体化するのが美味しい、他の鍋料理とは少し違う立ち位置ですね。

フツーの顔して、すごいやつ

そして、具材も味も地域によって全く違います。
静岡おでん(黒はんぺん)金沢おでん(カニ面)などが有名でしょうか。
私が好きなはんぺんやちくわぶは関東の具材ですし、沖縄では豚足が入っていたりします。
知らないと驚きますが、その土地の人にとってはどれも「ウチのはフツー」なのです。

そして、お店で食べるおでんは、また少し違う"ごちそう感"が出ます。

イベントの中でも紹介されましたが、以前、大阪・梅田の「赤白 ホワイティ」というお店に行ったことがあります。
ここは"フレンチおでん"のお店。
(最初、「なんだソレ!?」と思いました)
定番のおでんの具材にソースをかけて提供されるのが特長で、大根にポルチーニクリーム、こんにゃくに肉味噌ボロネーゼ、などなど・・・
ワインと合わせて楽しめるラインナップが人気のお店です。

こういったニューウェーブから、ずっと変わらずその土地のおでんを提供するお店まで、全国にはたくさんのおでん屋さんがあります。
旅先でおでん屋さんに行ってみると、驚きと発見があるかもしれません。

地域によっていろいろな顔を持ち、"日常の食事"にも、"ハレの食事"にもなれる。
おでんってなんでもない顔をしてるケド、実はかなりスゴい料理なのかも・・・

と、イベントを振り返りながら、お土産のおでんを美味しくいただきました。
・・・あれ?
これが今年、初おでんかも?


「おでん学!」気になった方はこちら

朝日新聞の「著者に会いたい」でも紹介されました

おでんについて知りたくなった方はこちら


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