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奥井先生の英文読解で味わう19世紀イギリス児童文学の魅力

以前から、奥井潔先生の本が素晴らしいということを耳にしていて、今回、気になって手に取ったのが『奥井の英文読解 3つの物語』です。実際、その中の一つの物語を読んで深く感動したので、みなさんにその内容について共有したいです。

奥井潔先生について

奥井潔(1924-2000)は、東京大学文学部英文科卒の英文学者です。駿台予備学校で約半世紀にわたり教壇に立ち、大学でも教鞭を執られました。その講義は単なる受験テクニックにとどまらず、「英文の面白さを味わう」ことを何よりも大切にされていました。受験生たちに英語そのものの魅力を伝え続けた、伝説的な英語教師として知られています。

『レスター先生の学校』と「おとうさまの結婚」

本書で取り上げられている作品のひとつが、メアリー・ラム(1764-1847)の『Mrs. Leicester's School(レスター先生の学校)』です。彼女は兄チャールズ・ラムと共に『シェイクスピア物語』を書いたことでも知られる、イギリスを代表する作家です。 この作品は、寄宿学校に集まった少女たちが自身の身の上を語る構成で、19世紀初頭のイギリス児童文学の傑作とされています。その中の一編「The Father's Wedding Day(おとうさまの結婚)」は、幼い少女エリナーが語り手となる物語です。

心を動かされた場面

幼くして母を亡くしたエリナーは、父の再婚相手をなかなか受け入れられずにいました。しかしある日、二人きりになった際、義理の母が彼女に優しく語りかけます。エリナーが、なぜ部屋の鍵穴を覗いていたのかと問われ、「だって、ママがあの部屋にいたから」と答えると、義理の母は思わず涙をこぼします。その姿を見た瞬間、エリナーの心に変化が訪れます。

she fell a-crying very sadly indeed; and I was so very sorry to hear her cry so, that I forgot I did not love her, and I went up to her and said, "Don't cry, I won't be naughty any more, I won't peep through the door any more."

The Father's Wedding Dayの原文

「あまりにも悲しそうに泣くので、自分がこの人を好きではないことを忘れてしまった」——この一文には、子どもならではの素直さと、19世紀の格調高い英文が持つ繊細な美しさ、そして当時の人々が重んじた価値観が凝縮されています。

おわりに

この作品を通じて、奥井先生が伝えたかった「英文の面白さを味わう」という経験を、私自身も体感することができました。原文が持つ響きや温かさは、和訳だけでは決して味わいきれないものがあります。ご興味のある方は、ぜひこの本を手に取ってみてください。

また、この感動を形にするべく、早速「WPM英語速読トレ v1.3」にて、本書には収録されていない『レスター先生の学校』の別エピソードを題材として追加する開発を行いました。近日中にリリース予定ですので、ぜひ楽しみにしていてください。

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