実際の町工場では、こんなふうに仕事が行き来している。
町工場で仕事をしていると、
「この仕事は、どこにお願いするか」
を考える場面があります。
自社で加工できるものなら、自社でやる。
できない加工なら、できる会社を探す。
いつもお願いしている会社があれば、そこへ相談する。
場合によっては、取引先同士をつなぐこともあります。
外から見ると、
「この会社が発注して、あの会社が加工する」
という単純な関係に見えるかもしれません。
でも、実際には、もう少し複雑です。
仕事を受けて、そのまま外へ流すこともある
例えば、自社に仕事の依頼が来たとします。
その仕事の中に、自社ではできない加工が含まれている。
そんなときは、自社で受けた仕事を協力会社へお願いすることがあります。
自分たちが加工するわけではありません。
それでも、その仕事を成立させるためには必要な役割です。
逆に、
「その加工なら、うちを通さずに直接お願いしたほうがいいのでは」
という場合もあります。
そんなときには、お客さん同士を直接つなぐこともある。
自社を通したほうがいい場合もあれば、直接やってもらったほうがいい場合もある。
その判断は、仕事によって変わります。
ここだけ見ても、
「協力会社=自社の仕事をやってくれる会社」
だけでは、少し説明しにくい気がします。
仕事をお願いするだけではない
さらに面白いのは、その関係が一方向ではないことです。
こちらから仕事をお願いすることもあれば、
逆に、
「こういう仕事、できますか?」
と相談されることもあります。
こちらが仕事を流す側になることもあれば、仕事を受ける側になることもある。
同じ会社同士でも、仕事が変われば立場が変わる。
昨日までお願いしていた会社から、今日は仕事をお願いされる。
そんなこともあります。
町工場の仕事は、こうしていくつもの会社を行ったり来たりしながら成り立っているのだと思います。
問題が起きたときも、一律ではない
もちろん、いつも順調とは限りません。
加工ミスが起きることもあります。
そのときの対応も、毎回同じとは限りません。
加工した部分だけの代金を負担してもらう場合もあれば、品物そのものを弁償してもらう場合もある。
会社同士で話し合って、対応を決めることもあるでしょう。
どれが正解なのか。
私は、そこまで簡単には言えないと思っています。
その仕事の内容も違えば、損害の大きさも違う。
それまでの取引の積み重ねもあります。
お互いの会社の考え方もあります。
だからこそ、単純に
「ミスをしたら、こうする」
と決められるものではないのかもしれません。
大事なのは、問題が起きたときに、その会社同士でどう話し合うのか。
そして、その後も関係が続いていくのか。
そこにも、会社同士の関係が表れるように思います。
一度の仕事で関係が終わるわけではない
一つの仕事が終わったからといって、そこで関係が終わるわけでもありません。
その後、別の仕事をお願いすることもあります。
逆に、こちらへ仕事を流してもらうこともあります。
以前は仕事をお願いしていた会社から、今度は別の仕事を紹介してもらう。
そんなこともある。
そう考えると、協力会社との関係は、
「この仕事をお願いします」
という一回限りの取引だけではありません。
その時々の仕事を通して、少しずつ関係が変わっていくものなのかもしれません。
町工場の仕事は、意外と人から人へつながっている
町工場は、大企業のようにすべてを自社だけで完結できるわけではありません。
材料を買う。
加工する。
熱処理をする。
表面処理をする。
組み立てる。
検査する。
その途中には、いろいろな会社が関わります。
だからこそ、
「この会社にお願いする」
だけではなく、
「この仕事なら、あの会社ができる」
「この会社と、この会社をつないだらいい」
という、人と会社のつながりが仕事を動かしている部分があります。
そして、そのつながり方も一つではありません。
仕事をお願いする。
仕事を受ける。
仕事をつなぐ。
直接つないでもらう。
問題が起きたら話し合う。
そして、また別の仕事でつながる。
こうして見てみると、
「協力会社」という言葉の中には、思っていたより多くの関係が入っているのかもしれません。
協力会社とは、
単に「仕事をやってくれる会社」ではない。
では、どんな関係なら、
「協力している」
と言えるのでしょうか。
そこは、もう少し考えてみたいところです。
