体と歩く|「大丈夫?」と聞かれて、あなたは何と答えますか
体と歩く。
体は、いつも私たちより少し早く、今の自分を知っています。
このシリーズでは、そんな体の声に耳を澄ませながら、自分らしい歩幅を見つける時間を綴っています。
「大丈夫?」
私は、友人や職場の同僚に、そんなふうに声をかけることがあります。
いつもより少し元気がなさそうに見えたとき。
何となく表情が曇って見えたとき。
「無理をしていないかな。」
そんな気持ちから、自然と出てくる言葉です。
返ってくる答えは、人それぞれです。
「ありがとう、大丈夫。」
「ちょっと疲れてるかな。」
「実はね……。」
そう話してくれる人もいます。
でも、不思議なことに、私が少し心配になる返事があります。
それは、
「うん、大丈夫。」
と、少し間を置いて返ってくるときです。
もちろん、その言葉どおり、本当に大丈夫なこともあります。
けれど、その「間」に、言葉にはならない何かを感じることがあります。
自分自身にも「大丈夫」と言い聞かせているような。
相手を心配させまいとしているような。
そんな優しさや頑張りが、その一瞬ににじむことがあるのです。
一方で、私の経験では、本当に大丈夫な人ほど、「大丈夫?」と聞くと、「え?何が?」と笑って返してくれることが多いのです。
心配される理由が思い当たらないからでしょう。
だからこそ、「うん、大丈夫。」という返事を聞くと、私はその言葉だけではなく、その奥にある気持ちにも耳を澄ませたくなるのです。
私は、自分自身にも、何度「大丈夫」と言い聞かせてきたでしょう。
少し疲れていても。
悲しいことがあっても。
眠れない夜が続いても。
「大丈夫。」
そう口にすると、不思議と心が落ち着くことがありました。
今思えば、あの頃の私は、誰かに伝えていたというより、自分自身を励ましていたのかもしれません。
人は、ときどき言葉で自分を守ります。
「まだ頑張れる。」
「平気だから。」
「心配しないで。」
その言葉があるからこそ、一歩前へ進める日もあります。
だから、「大丈夫」と言うことは、決して弱さではありません。
それは、その時の自分を支えるために選んだ、大切な言葉なのだと思います。
ただ、体は少し違います。
言葉では「大丈夫」と言っていても、
肩に力が入っていたり、
呼吸が浅くなっていたり、
ため息が増えていたり。
体は、言葉よりも正直です。
取り繕うことも、無理に笑うこともありません。
だから私は、「大丈夫」という言葉を聞くと、その人の表情や声の調子、姿勢や呼吸にも、自然と目が向くようになりました。
そして、自分自身にも、そっと問いかけるようになったのです。
「その『大丈夫』、体もそう思ってる?」
ある朝、鏡の前で「今日も大丈夫」とつぶやいたことがありました。
その瞬間、肩に力が入っていることに気づきました。
深呼吸をすると、思っていたより呼吸が浅かったのです。
「本当は少し疲れていたんだな。」
そう認めた瞬間、不思議と心が軽くなりました。
無理に元気になろうとしなくてもいい。
今日は、今日の自分のままで歩けばいい。
そう思えたのです。
私たちは、誰かを気づかうことは得意です。
「無理しないでね。」
「疲れてない?」
そんな言葉を自然にかけることができます。
でも、自分自身にはどうでしょう。
自分の体が送っている小さなサインに気づかないまま、「大丈夫」と言い続けてしまうことはないでしょうか。
もし今日、誰かに「大丈夫?」と聞かれたなら。
あるいは、自分で「大丈夫」と口にしたなら。
ほんの少しだけ、その言葉の向こう側に耳を澄ませてみてください。
心は、何と言っていますか。
そして、体は、何と言っていますか。
その答えを急いで探さなくても大丈夫です。
ただ、自分の心と体に問いかける時間を持つだけで、自分との距離は少しずつ近づいていきます。
体は、言葉にならない気持ちを、今日も静かに教えてくれていました。
だから私は、これからも体の声を置いていかず、自分自身と一緒に歩いていきたいと思います。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また「体と歩く」の時間に、お会いできたら嬉しいです。
Yufu
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