056/365 New Order - Ceremony 解説と記憶

歩き続ける決意
Manchester 1981

喪失の直後にしか鳴らせない透明な衝動が美旋律として立ち上がった|前進と停滞が同時に存在するビートは過去を引きずりながら未来へ歩く感覚を描く|明るさは希望ではなく決意として配置され言葉は感情を説明せず変換する|終わりから始まるという矛盾を肯定し新秩序が静かに始動する


前回に続きJoy Division / New Order|だがこれは単なる改名ではない|断絶であり継承であり|そしてあまりにも残酷な現実の更新だ

イントロが鳴った数秒で突きつけられる|彼はもういないという事実|いや違う|彼がいたという記憶すら揺らぐ|まるで最初から存在しなかったかのように世界が平然と続いている残酷なまでにな更新

誰もが大切な人の死に直面したことがあるだろう|私は友人や父を失ったとき|涙より先に来たのは奇妙な浮遊感だった|これは夢ではないのか|彼の存在と彼と過ごした日々も含めて全部夢だったのではないかと

どうせ目が覚めたら現れて|何言ってんだお前と不思議ない表情で笑われるのではないか|そんな場面を本気で想像してしまう|不謹慎だと分かっている|だがそれが正直な感覚だ

Ceremonyを聴くとその感覚になる|声はもうIan Curtisのものではないが旋律には確実に彼の影がある|残された者たちが必死に前を向こうとする姿がある|それが痛いほど分かるからこそ辛い

もしかするとJoy Divisionなど最初から存在しなかったのではないか|最初からNew Orderだったのではないか|そう自分に言い聞かせなければこの曲を受け止めきれない瞬間がある

喪失とは空白ではないく上書き保存だ|世界は何事もなかったかのように続き|バンドも次へ進む|だが消去されたはずのデータはどこかに残っている|Ceremonyはその痕跡の音だ

ヘッドホンを手に取る前に一瞬躊躇する|正気を保てるかどうか分からない|それでも今夜も再生ボタンを押す

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