181/365 The Kinks - Sunny Afternoon 解説と記憶
木漏れ日にもある物語
London - 1966
木漏れ日の下で何もしない午後ほど豊かな時間は案外少ない|穏やかな旋律の奥へ階級社会や経済への皮肉を忍ばせる感覚は英国ポップらしい知性とユーモアを感じさせる|肩肘張らない語り口だからこそ時代を越えて愛され続けるのだろう|公園のベンチには今日もゆっくり季節が流れている
大失敗である|本当なら2日前のThe Beatles「Taxman」から|税金つながりで華麗に曲繋げる予定だった|ところが私はJailbirdやBye Bye Badmanを挟み込んでいる|どうやら選曲表を眺めていた当時の私は|税金より先に酒に徴収されていたらしい・笑
陽射しは穏やかで|庭には夏がある|それなのに歌っている男の懐事情だけは見事なくらい曇っている|Sunny Afternoonは|美しい午後の景色と税金への恨み言を同じテーブルへ並べてしまう|いかにもレイディビスらしい英国的な皮肉の名曲だ
1966年|高い税率への不満を背景にしながら|単なる政治批判にはせず|金を失い|恋人にも去られ|それでも日向で怠けていたい男の姿へ落とし込んでいる|悲惨なはずなのにどこか優雅で|自嘲すらティーカップの横へ置いてしまうような可笑しさがある
ゆったり揺れるベース|気だるいヴォーカル|古い英国のミュージックホールを思わせる旋律|派手な音は何ひとつないのに|階級|金|退屈|見栄といった英国社会の匂いが濃く漂う|レイディビスは大事件よりも|庭先や居間や財布の中に英国を見つける人だった
その観察眼は後のThe JamやBlur|そしてBritpopへ静かに受け継がれていく|夏の午後は美しい|紅茶も悪くない|あとは税務署から手紙さえ届かなければ完璧だ|そんな但し書きまで含めて|やっぱり英国なのだと思う
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