007/365 Joy Division - Love Will Tear Us Apart 解説と記憶
冷たく美しい閉塞と感情の断裂
Manchester - 1980
絶望的な歌詞の乖離は個人の内面と都市の現実が
乖離していく80年代初頭の空気感を映す|イアンカーティス 自身の結婚生活の破綻と病が背景にあり私的崩壊が普遍的言語へ昇華された稀有な例|彼の死直前に発表されたことで楽曲は予言のような重みを帯びポストパンク像を決定づけた
あの時あの場所で、確かにフロアには踊っている者がいたし、私もその中に紛れ込んで、身体を揺らしていたように思う。
だが、どこか場違いで居心地が悪かった記憶ある。当時は英詞を理解できていなかったにもかかわらず、胸の奥に突き刺さるような強烈な違和感だけは、はっきりと感じていた。
不思議なことに、私はその違和感を、拒まなかった。寧ろそれが心地よかったのではないか、と今になって思う。救われることを望んでいたのかもしれない。
And we're changing our ways
Taking different roads
生き方を変えたい。
これまでとは違う道を歩きたい。
その言葉は、希望というより、すでに限界に達した者の、静かな告白のように響いていたのだろうか。
階級社会の中で生きる葛藤が、どれほど深く人を追い詰めるものなのか。それを日本という島国に生きる私が、本当の意味で理解できるはずもない。
それでも、年月を重ね、喪失や後悔をいくつか抱えた今なら、少しだけその感情の輪郭に触れられる気もするが想像の範囲でしかない。
死を選んだ彼の地点には、私は到底たどり着けない。そこまでの絶望を、私は引き受けてはいない。
だからこそ、私は今日も、自分に言い聞かせる。半ば強引に、半ば臆病に。私の選択は、それではない。引き裂かれながらも、生きる方を選ぶのだと。
愛が人を救うとは限らない。むしろ、ときに人を静かに壊してしまう。それでも、音楽は鳴り続け、私たちは踊ってしまう。その矛盾ごと抱えたまま、生き延びるしかないのだと、この曲は、冷たい声で教えてくれる。
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