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エッセイ:実は、今までのアドラー心理学の記事、全部“仮想”でした。

実は、今まで書いてきたアドラー心理学の記事は「真実」ではなかった

アナタは、今までのボクの記事を読んで、

「アドラー心理学って、人間の本質を説明しているんだ」

と思っていたかもしれない。

劣等感。
目的論。
ライフスタイル。
共同体感覚。

どれも「人間の真実」を語っているように見える。

……でも。

実は、ここに、アドラー心理学最大級の“どんでん返し”がある。

それは、

アドラー心理学は、「真実」を語ろうとしているわけではない

ということである。


「え? 今までの話は嘘だったの?」

アナタは混乱するかもしれない。

「いやいや、今まで散々、“人は目的で動く”とか、“性格はライフスタイルだ”とか書いてきたじゃないか」と。

その通りである。

しかしアドラー心理学には、「仮想論」(Fictionalism)という考え方がある。

仮想論とは、

“人は、自分が信じた物語に従って生きる”

という考え方である。

つまり。

「それが客観的真実かどうか」

よりも、

“その人が、どう意味づけているか”

のほうが重要なのである。


アドラーは「真理」を疑っていた

ここが初学者にはかなり衝撃的なところである。

普通、心理学というと、

「人間の本当の姿を解明する学問」

だと思うだろう。

しかしアドラーは、かなり違う。

彼は、

「人間は、解釈によって生きている」

と考えた。

たとえば、同じ失敗でも、

「自分には価値がない」

と思う人もいれば、

「成長の途中だ」

と思う人もいる。

現実は同じである。

だが、“意味”が違う。

すると、人生そのものが変わってしまう。

つまり人間は、

現実そのものではなく、“現実の解釈”の中で生きているのである。


今までの記事も「仮想」だった

ここで、さらに大きなどんでん返しを言う。

今までボクが書いてきた、

「共同体感覚が大事」
「課題を分離しよう」
「劣等感は悪ではない」

という記事。

あれも実は、

“役に立つ仮説”として書いていたのである。

アドラー心理学は、

「絶対真理だから信じろ」

という思想ではない。

むしろ逆だ。

“その考え方は、アナタを前に進ませるか?”

を重視する。

つまり、

「正しいかどうか」

より、

“人生にとって建設的かどうか”

なのである。


人間は「物語」で生きている

アナタにもあるはずだ。

「自分は嫌われる人間だ」
「自分は愛されない」
「どうせ失敗する」

そんな“物語”が。

しかし、それは本当に真実なのだろうか。

あるいは、

幼少期の経験。
傷ついた記憶。
比較。
劣等感。

そうしたものから作られた、“人生解釈”なのかもしれない。

アドラー心理学は、そこを問う。

そして、

「その物語、持ち続ける必要ありますか?」

と聞いてくるのである。


仮想論は「現実逃避」ではない

ここで誤解してはいけない。

仮想論は、

「好きなように妄想して生きろ」

という話ではない。

そうではなく、

“人間は、そもそも解釈を通してしか世界を見ていない”

という話である。

だからこそ、

「どんな解釈を選ぶか」

には責任が生まれる。

被害者として生き続けるのか。
挑戦者として生きるのか。
孤立するのか。
共同体へ向かうのか。

アドラー心理学は、

“人生の意味を選ぶ主体はアナタだ”

と言っているのである。


だから人生は変えられる

もし人間が、「客観的現実」だけで決まる存在なら、人は変われない。

過去で決まる。
環境で決まる。
才能で決まる。

だがアドラーは違った。

彼は、

“人は意味づけを変えることで、生き方を変えられる”

と考えた。

だから仮想論は、単なる理論ではない。

希望の理論なのである。

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  • 著者の小泉健一は、アドラー心理学を“知識”ではなく“実生活で使える技術”として発信する人気著者・ライフコーチ。早稲田大学卒業後、10年以上にわたり一般企業で営業職を経験し、現場感覚に裏打ちされた実践的な語りで支持を集める。Kindle版『アドラー心理学を実生活に取り入れてみた』はベストセラー総合ランキング1位を獲得し、現在は執筆・講演・コーチングを通じて幅広く活動している。

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