「生きていかなきゃいけない」

 昔、27歳くらいのときに親に言った言葉。
あと何十年も生きるのが辛くて辛くて。そしたら「生きてるじゃん」と答えられて、ああ、この人には通じないわと悟った。 
 世の中には生きていることがありがたいと思える人と思えない人がいて、前者は
「命を取られるわけじゃないんだから」
「子どもを残しては死ねない」
「親がまだ生きてるのに、先に逝くわけにはいかない」
「生きているだけでいい」
と考えられる。
 でも、私は後者。
 大学のときも、友だちに「一度も死にたいと思ったことない」と言われて衝撃を受けた。この子には絶対敵わない、と思った。
 生きていること自体が苦。
 子どものころからそれが当たり前だと思ってたのに、そうじゃなく生きられる人がいるなんて。これから社会に出て、そんな強い人たちと一緒に働いていくのかと思ったら恐怖だった。
 結局、結婚して子どもを産んでも根本は変わらず。もはや45歳にもなり、大きな不幸は無く、むしろ周りには恵まれてる方なのに、自分自身が周りの人のことを大切に思えない。いや、心底大切に思ってるし感謝もしてるんだけど、心の底から踏みとどまる理由にならない。なんだろう、私は人として何か欠けてるのかな。いつも良い面に気づかないで悪い面ばかり見てしまう。そして、だいぶ時間が経つとああ、あのときは幸せだったんだ、と感じて苦しくなる。そのときだって、同じくらい何かに悩んでたはずなのにね。
 我ながら、もったいない生き方だ。
 子どもたちが不登校になって一緒にいる時間が増えて、とくに長男には私の悪影響が出ている気がする。
 いっそのことフルタイムで働いて一緒の時間を減らそうか?でもそしたら妹のほうは寂しくて余計荒れるかもしれないし‥
 なんか前向きな考えが出てこない。結局、数年経てば今のことも「あの頃はマシだったった」と思い出すんだろうに。
 どんな苦しい状況でも前を向けるタイプの人間になりたかった。自分だったら、苦しい状況から逃げようとしてしまうだろう。
 でもきっと、この広い世の中には私と同じように悩んでる人もいるはず。私ひとりじゃない、と思って寿命まではがんばろう。

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