【映画】「ムカデ人間」感想・レビュー・解説
しかしまあホント、イカれ狂った映画だったなぁ。世の中にこんな映画を作ろうと思う人間がいるって事実が凄いわ。特段面白かったわけではないけど、ある意味で伝説的な作品だろうし、観れて良かったなとは思う。
あんまり面白くなかったのは、「ムカデのように人間を繋げる」って設定を聞いて漠然と想像できる物語の範囲を超えていなかったこと。特に、ムカデ人間になってからの展開は、気ぃ抜けたんかって思うようなものだった(まあ、ラストまたもうひと盛り上がりあるのだけど)。ビジュアル的な衝撃や異様さとかは他の追随を許さないだろうけど、物語の展開って意味ではちと微妙だったかな。
というわけでざっくり内容の紹介を。
ヨーロッパを旅行中の2人のアメリカ女性、リンジーとジェニーは、ドイツをレンタカーで回っている時に森で迷ってきまう。さらにタイヤがパンクしたため、近くに家がないか探すため車を降りて歩き回る。徒歩でも迷った挙句、やっと家の明かりを見つけた。雨が降り始めたこともあり、2人はちょっと異様な家主の家へと入っていく。
車の修理業者に電話してほしいと頼み、彼女たちはもらった水を飲む。すると睡魔に襲われ、目覚めるとベッドに拘束させられていたのだ。隣には、日本人のヤクザ(であることは彼女たちには分からなかっただろうが)が寝かされていた。
そして3人は、ヨーゼフ・ハイターと名乗る元外科医から、信じがたい「結合手術」の詳細を聞かされることになり……。
というような話です。
90分ぐらいの映画で、ざっくり、ムカデ人間になるまでが45分、ムカデ人間になるのに5分、ムカデ人間になってから40 分、ぐらいかなと思う。
で、展開のつまらなさについて書いたが、まず問題なのは「ムカデ人間になるまで45分もかかる」という点。本作の最初の公開時にどこまで情報が明かされていたかは不明だが、今回の4Kの上映では「結合される」ってことは予告の段階でも明らかだったから、だとすると、ムカデ人間になるまでがちょっと長いなと思う。「ハイターが何をしようとしてるか分からない」という状態で観るならそこまで冗長ではないだろうが、分かった上で観るとちょっと展開が遅いよなと思う。
でさらに、先述の通り、ムカデ人間になってからの展開があんまりって感じだったかな。もうちょい何かあっても良かった気がする。
ただ、狙ってのことだったかはよく分からないが、本作では「ムカデ人間になって以降、コミュニケーションがほぼ存在しない」という展開なのはなかなか斬新だったなと思う。
ムカデ人間の先頭になるのは日本人のヤクザで、で、ムカデ人間になって以降はこのヤクザしか喋れない(2人の女性は、口を前の人物の肛門に接続されているため)。ただ、このヤクザは英語が喋れないし聞き取れないと言う設定のようなので(しかしだとしたら何故、彼はドイツにいたのか?)、ハイターとはまったく会話が成立しない。まあ、それによって状況の異様さがより強調されている感じがあったので、これはなかなか面白い設定だったなと思う。
あと、物語の展開的に仕方ないのは分かるけど、「もしかしたら逃げれるかも」ってなった女性がしたある選択は、さすがに無理あるやろと思う。いや、分からんではないが、それが成功する可能性は0%やろ。ってところも気になったなぁ。
というわけで、色々気になるところはあったが、まあでも、イカれっぷりはやはり凄まじいし、とりあえず観ておいて良かったかなという感じ。オススメはしないけど。
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