【映画】「ナイトボーン ―夜哭―」感想・レビュー・解説

『ハッチング ―孵化―』の監督の最新作。またまたなかなか狂気的な世界観だった。うーんでも、今回はそこまで面白くはなかったかなぁ。

物語は、夫婦がフィンランドの森の奥にある家にやってくるところから始まる。どうやら、妻の祖母が住んでいた家のようだ。今では廃屋になっているが、2人は「自然の中で子育てがしたい」と、この建物を直して住もうと考えている。そしてその森の中で2人はSEXをし、後に子どもが生まれた。

生まれた子どもは毛むくじゃらで、さらに夜泣きがかなり酷かった。また、どうやら陽の光にも弱いようだ。しかし、2人は愛情を注ごうと努力する。のだが、妻のサーガはしばらくして気づく。「この子は何かがおかしい……」

というような話です。

冒頭からしばらくは、一体何を描こうとしているのかよく分からなかったが、物語が進むに連れ、少し分かってきた。

サーガと同じ視点で物事を観れる観客は、「息子クーラに何か問題がある」ということが理解できるだろう。しかし本作では、サーガ以外の人間がそのようには捉えない。つまり、「『息子に何か問題がある』と思っている母親の方に問題がある」と受け取り方をするのだ。

この事実がサーガをかなり苦しめることになる。

元々サーガは、子どもの頃からちょっと変わった子だったようだ。本作には、サーガの母や姉も出てくるのだが、彼女たちの話からもそれが伺える。そしてそういう先入観があったからだろう、「サーガがおかしいのだ」と思われてしまう。

ただ何よりも、夫のジョンにそう受け取られたのがきつかっただろうと思う。とはいえ、そうなるのも仕方ないっちゃ仕方ない。なにせ、サーガはなかなかムチャクチャなことをしているからだ。

のだが、観客の目線からすれば、サーガの行動は「クーラのことを第一に考えたもの」であることが理解できるだろう。この辺りがとても難しい。本質的には誰も悪くないというか、みんながみんな誰かのためを思って行動してるのに、全体としては上手くいかなくなっちゃう、みたいなのがなかなかしんどい感じだった。

で、それに加えて、物語のもう1つの主人公である「森」が何か関係してくるんだろうけど、その辺りはよく分からなかった。北欧神話とか絡んでくるのかなぁ。まあなんとなくふわっと分かりそうで分からないような雰囲気ではあるのだけど。

あと、同じ北欧だと思うんだけど、若干『ぼくのエリ』感があったかな。

というわけで、メチャクチャ良かったという感じにはならなかったかな。悪くはなかったけど。


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