【映画】「白鳥とコウモリ」感想・レビュー・解説
うーむ、これは面白くなかったなぁ。まあ正直、松村北斗じゃなかったら観なかったが、うーむ、観なくても良かったか。
まあこれはシンプルに、「原作が長い」って話で、映像にしなくても別に良かったって感じかなぁ。たぶん小説で読んだ方がもう少し面白かったんだろうなと思う。
東野圭吾らしく、謎の核心に迫っていくまでのプロセスが、上手いとは思うが、映像としてはステップが多くて、どうしてもそのステップをすべて描こうとすると、人間の感情を映し出す時間が少なくなる。たぶんこれが、本作が面白くなりにくい要因だと思う。緻密に作られているからこそ、プロセスの中にすっとばせるものがなく、だから全部盛り込むしかないのだが、そうすると「ストーリーのための描写」が増える。
本作の場合、どう考えても「真相が明らかになってからの葛藤」を描くべき物語だと思うのだが、映像にすると「真相が明らかになるまでの展開」にかなり時間を要するため、その葛藤が薄く感じられてしまう。本作は145分あるのだが、本作の本質は、映画版で言うと、ラスト15分ぐらいの部分にあるように思う。分かんないけど、連ドラとかの方が良かったんじゃないかなぁ、という気もする。
設定としては結構興味深いと思う。「加害者の息子」と「被害者の娘」が共同で事件の真相を暴こうとするのだ。しかも、犯人は既に逮捕され自供しているため、警察としては大っぴらに動けない。それ故に、警察ではなく、先の2人の主導による”捜査”が成立し得るというわけだ。こういう状況設定の上手さは、さすが東野圭吾といったところだろう。まあリアリティがあるかどうかは難しいところだが、被害者の娘(今田美桜)の性格の設定的に、「あってもいいんじゃないか」と思わせる範囲内かなと思う。
加害者の息子を演じた松村北斗は安定の良さだった。相変わらず、「普通には成立しなそうな役柄」を上手く存在させているなと思う。本作でも、「父の無実を信じつつ、被害者の娘と協力する」という、なかなかややこしい役柄を演じているのだが、「こういう感じなら成り立ちそう」と思わせる立ち居振る舞いで素晴らしかった。
しかしなぁ、ホント、どうにも心が動く瞬間がないというか、感動しないというか、観ていてワクワクしないというか、そういう映画だった。まあ松村北斗以外にはさほど期待していなかったのでいいのだが。
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