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2024年下半期のアルバム6選 -ジャンルの横断-

 今年は意識的にコンサートにも足を運ぶように心がけたが、音楽の生演奏というのはCD音源で聴くよりも遥かに贅沢で至高な経験だ。今回は、2024年下半期に聴いてきたアルバムの中で、特に良かったと思う作品を6つ紹介したい。



Linkin Park / FROM ZERO

 旧ボーカルのチェスター・ベニントンの死後、7年の時を経てようやく再始動が決まったリンキン・パーク。重厚なサウンドはそのままに、新ボーカルのエミリー・アームストロングのシャウトが心地よく乗ってくる。特に『The Emptiness Machine』『Cut the Bridge』『Heavy is the Crown』という序盤3曲で一気に引き込まれる。アルバムを一通り聴き通す中で、不思議とチェスターのことを全く考えなかったのは、リンキン・パークが確かな決意を持って再始動したことの証左かもしれない。来日公演も予定されており、今から待ち遠しい。


長谷川白紙 / 魔法学校

 2019年に発売されたアルバム『エアにに』で衝撃を受けた記憶が今でも蘇ってくる。当時は現代アートを音楽として聴いているような感覚だったが、5年の時を経て、日常の一部にまで溶け込んでしまったのが驚きだ。リズムが変則的なマス・ロックに分類されるような気もするが、ロックよりはポップであり、どのジャンルにも属さない独自の世界を持っている。THE FIRST TAKE でも演奏した『外』は、「内」を体現するように見える長谷川白紙が、力強さを持って外へ踏み出そうとする意志を感じさせ、何回も繰り返して聴いたものだ。


Sabrina Carpenter / Short'n Sweet

 恋人に自分のことを考えさせて寝させない、そんな私はエスプレッソ。『Espresso』の大ヒットにより今年一の脚光を浴びたサブリナ・カーペンターのアルバムは、辛口コメントで知られる Pitchfork でさえ高評価を付けるほどの大人気を博した。今や街中でもよく掛かっている。洋楽におけるディーバの楽曲をこれだけ真面目に聴いたのが実は初めてだったりする。邦楽をしっかり聴き始めてしばらくしてから、浜崎あゆみや中島美嘉の楽曲の奥行きに気づけたように、洋楽でもようやくレディー・ガガやサブリナ・カーペンターの魅力がだんだんと分かりつつある。


a子 / GENE

 SUMMER SONIC 2024 でも公演を鑑賞したが、デビュー間もないとは思えない完成度の高さに舌を巻いた。掠れそうなほどか細い声で不安を感じさせながら、不思議と力強さを自然に感じさせる歌いぶりは唯一無二だ。特に『惑星』が好きで、新婚旅行で訪れた種子島のレンタカーで繰り返し掛けていた。アルバム後半の『miss u』は、サマソニで初めてしっかり聴いたが、思わず縦ノリしたくなる楽曲だ。


Perfume / ネビュラロマンス前篇

 2022年に発売した『PLASMA』以来のアルバムとなる。デビュー以来コンスタントにアルバムを出してきたが、改めてキャリアを通して聴いてみると、機械的なメロディの割合は少なくなり、歌声にも円熟味が出てきたように思う。作中の『Cosmic Treat』のMVは、約20年前の『シークレットシークレット』を思い出させる演出があり、古参のファンには嬉しい。


PAS TASTA / GRAND POP

 直近の J-POP の風景を一枚のアルバムにぎゅっと凝縮したような作品。ピノキオピーやキタニタツヤのようなVOCALOID出身のミュージシャンだけでなく、柴田聡子やchelmicoのようなインディーシーンのミュージシャンともコラボしながら、トラックメイクをベースに仕上げている。アルバム全体としての統一感よりも、キュレーションアルバムとしての側面が強く、聴き通した後に名状しがたい感覚が残った。


終わりに

 今年の下半期は豊作で、6枚を厳選するのが正直難しかった。『LOST CORNER』(米津玄師)はもちろん文句なしの内容であったし、『TRANSFORM』(DECO*27)、『映画、陽だまり、卒業式』(いよわ)、『会話記録』(r-906)は、VOCALOIDのアルバムとして燦然とした輝きを放っている。 
 個人的には、今年の前半はシティ・ポップへの目覚めを実感したが、後半はむしろ EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)に傾倒した時期があった。アヴィーチーやチェーンスモーカーズを好んで聴いており、徐々に自分が心地よいと思える音楽の幅が広がりつつある。2025年もいろんな音楽を聴いて、心への豊かさを満たしていきたい。

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