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テランスという男について考える

※この記事はFINAL FANTASY ⅩⅥ 及び FINAL FANTASY ⅩⅥアルティマニアに関するネタバレを多大に含みます。ネタバレOK何でも読めるという方のみお進み下さい



 全身で悲しみを表現する姿

 私の中で、テランスという人はとても泣き虫な子供だったのではないか、というイメージがある。

 というのも、彼の出番の最後であり、最大の見せ場であるディオンとの別れ話の際、彼はまるで駄々をこねる子供や、いやいやとぐずる子供のように『聞きたくない』と言わんばかりに首を振り、鼻を啜り、瞳を潤ませながらディオンに「どうして」と疑問をぶつけるのだ。

 ディオンからの返事を聞いたテランスは、やはり自身の感情のままに動く事の出来ない、立場を弁えられる性格の男であり、だからこそ、恋人である以前に敬愛する主君、20年連れ添った幼馴染、友を超えた間柄──ディオンと唯一対等でいられる関係性ゆえに、ディオンの意思を尊重する為に、ぐっと自我を飲み込む仕草をして、自分の我儘=私事を抑え込み、ディオンを『赦す』言葉を絞り出したのだと思う。

 これは私の主観であるからして、他の方々から見たテランスは『そうではない』と思うだろうが、今回の話は私の目線から見たテランスだから、ということで許してほしい。

 二人の出会い

 テランスとディオンの出会いが何歳なのかは明記はないが、アルティマニア年表には『大陸暦857年、幼馴染のテランスとともに修道院附属学校に通い始める』との記載がある。
 857年の時点で二人は7歳。初対面と変わらぬ年に二人が学校に通うとして『テランスとともに』と書くだろうか?と思うところもあり、私の想定では7歳以前、長く見て3〜6歳の間に出会ったと予想している。
まぁ、ここは生まれたばかりの頃から傍にいても良いし、学校に通うにあたっての顔合わせが二人の初対面になったとしても良いと思う。公式での設定がわからない限りは、個々の自由な妄想を楽しむものだ。
 修道院附属学校という場所にも興味があるが、グエリゴール全教の苛烈さからしてザンブレクの騎士を目指す者は皆この学校に通い、修道士としての学びを受けるものなのだろうか?ノースリーチにあるザンブレク兵の訓練所にある進行表には『集合・点呼後、グエリゴール様への祈り』があるが、はてさて。

幼い頃から従者としてディオンに仕える。
 テランスが正式な従者となったのは大陸暦862年、12歳の頃だと記されている。
 冒頭の通り、私のテランスへのイメージは泣き虫だ。大人になるにつれ感情を抑える術は身につけていったが、幼い頃は感情表現が豊かで、ザンブレクの貴族にしては優しい心の持ち主に思えてならない。だからこそ、この世に生まれて一年足らずで過酷な環境に身を置かざるを得なかったディオンの心を開いたのではないか、と思っている。
 従者であり、幼馴染であり、後の最愛であるテランスの存在は、きっとディオンの人生におけるターニングポイントになったのだと思う。

12歳で正式な従者となる』ということは、従者見習いの時期もあっただろう。12歳より前、それこそ修道院附属学校に通い始めた7歳の頃のテランスは、ディオンの従者見習いだという風に呼ばれていたのだろうか。
7歳のディオンは文武両道の神童と称され、そんな彼に追いつこうとするテランスはまさしく真面目で一途な男で、ディオンともども質実剛健と呼ばれるような印象がある。ザンブレク皇国の──、ディオンは父シルヴェストルの為に、テランスはディオンの為に、二人肩を並べて切磋琢磨している姿が思い浮かべられる。

忠誠心の塊のような男だ

 戦場での姿

 テランスを優しい心の持ち主だと思ったのは、テランスの初登場時、彼はディオンに気遣うような眼差しを向けているように見えたからだ。その思いはこの次の、テランスの二度目の登場時のディオンに向ける慈愛に満ちた眼差しで更に深まるのだが、優しいだけではなく仕事に対しては真面目で厳しい様子も窺えるのが、この二度目の登場と、三度目の登場の際の、部下に対しての厳しく鋭い口調と声色だ。

初登場時、ベレヌス戦役での二人は、既に恋仲となって5年は経過している。

大陸暦873年、テランス、ディオン23歳。聖竜騎士団を率いてベレヌス戦役に従軍。ザンブレク皇国とウォールード王国との間で起きた国境紛争であるベレヌス戦役にて、ウォールード国王バルナバス・ザルムが顕現したオーディンと戦闘を繰り広げた。

 槍の受け渡しの際、ディオンがテランスから少し強引に奪った様にも見えるのは、バハムートへと顕現する事でディオンの心身共に負担がかかるのをテランスは知っていて、そしてテランスがディオンを心配する気持ちと、あまり無理をしてほしくない心境がディオンに見透かされていたからではないか、と私は考えている。

 槍を差し出す、あの一瞬でテランスの心の迷いを読み、強がりとも意地とも取れるような息の吐き方をして、胸を張り、突き進むディオン。その背を見送るテランスの表情と、オーディンと一戦交えた後に自陣営に戻ったディオンの元へ駆けつけたテランスの表情が、心配の色から安堵の色に変わっていくように思えた。
 疲れを拭う為、喉を潤して息をつくディオンの心身に気を配りながらも、斥候からの報告を続けるテランス。
 それからもう一度、水を飲み干して出陣に行くディオンを送る際には、テランスの顔は引き締まり、ディオンを信じる心一色に染まっている。

 顕現したディオンが戻って来るまでは、気遣いと心配と。ディオンが野営地に戻って来てからは、安堵と信頼の気持ちが、テランスの表情の端々に表れているような気がする。
 なんせ彼は、片想い歴10年を越える男なのだから。

気高く美しい彼を慕っていた

 テランスといえばこの紹介文である。
長らく片思いの状態がつづき、結ばれるつもりはなかったが、想いを受け入れたディオンに押される形で恋仲に。
 大陸暦868年18歳、戦場にてディオンにかばわれ、彼が重症を負ったことで積年の想いを告白。恋仲となる。
恋心を隠し、ディオンを慕う一途な想いで支え続ける一生を、ディオンが受け止めただけではなくテランスの心を押して恋人の位置に引っ張っていったところがディオンの豪胆さを連想させる。

 重症を負わせた者は誰なのか

 ディオンがテランスを庇う状況とは、と考える。
テランスの想いの底には『家族に愛されていない彼を、自分が支えたいと願っている』があり、ディオンを支える夢の為にディオンの従者となり、竜騎士の叙任を受け、護衛となってディオンの傍に立ち続けていたのだ。
 そんなテランスが、護衛である筈のテランスがディオンに庇われる状況とは、つまりテランスが油断する他になく、庇ったディオンもバハムートには顕現していなかった、或いは半顕現状態だったのでは、と推察される。

 バハムートが重症になるとは考えにくい。もしもバハムートが重症を負うとすれば、召喚獣合戦の場が妥当だろう。だが、召喚獣同士の衝突に、テランスが生身で現れるか?現れたとて足手まといにしかならないと自覚しているだろうから、この案は無いと思う。
 バハムートでは無くディオンの姿で、咄嗟にテランスを庇い傷を負う。ディオンを護衛しなければならないのに、護衛対象のディオンが重症を負う。油断してしまった理由は何だったのか、いくつか上げてみた。

①味方が敵。ザンブレク兵の中にスパイ、内通者が紛れていた
②ディオンが心身共に参っている事への心配(※先に廃太子があった場合を想定)
③何年も長引く戦争への疲労

 まず、
 ①味方が敵の場合。
仲間だと思っていたのに裏切られたとしたら、突然味方に斬りかかられたら、テランスといえど油断するだろう。まだ18なら尚更。そしてテランスを庇ったディオンが倒れ、重症。
 次に、
 ディオンが心身共に参っている事への憂いが油断に繋がった②の場合。 
 18歳の年にあった出来事は、『戦功を称えられ聖竜騎士の称号を与えられる。引きかえに皇太子位から退くことを余儀なくされる
 これはアナベラの意思で、バハムートのドミナントで国民の信頼も厚い皇太子ディオンを、竜騎士の頂点たる聖竜騎士に祭り上げることを名目として廃太子。全てはオリヴィエを皇太子位に就ける為だ。この時のオリヴィエは1歳である。
 ③の場合は、二人がまだ若く、未熟だったからこそ起こった小さなミスが膨れ上がったパターン
この場合は②とは逆で、重症を負って動けないうちに命懸けでザンブレクを護った英雄への勲章と祭り上げて、眠っている間に廃太子となったのでは、と考えた。その荒むような状況で、負い目とディオンへの直向きな愛による献身的な支えで、より一層2人の距離が縮まることになったのは想像に難くない。

 私的には内通者が一番有効そうに思えるが、実際のところはどうなのかは色々なパターンが想像できるので興味が尽きない。どんな庇い方をしたのかは、答え合わせができるまでは自由に妄想したいところだ。他にも案が思いついた方がいたら是非聞いてみたい。

『戦で重症を負ったところを献身的に支えてくれたテランスと結ばれる』

 どちらにせよ、どんな流れでもここに辿り着くことを思えば「神よありがとう」と天を仰いでしまうのである。

可愛らしい顔をして、ガニ股気味なところが男らしい
逞しい脚力が連想させられる

 魔法を扱える“人間”についての考え方

 ザンブレクにおけるドミナントの立場の項目の話になるが、ドミナントは「国を守る為の重要な武器」としか見られず、ドミナント自体に政治における発言権はない。 ただしディオンは実質的な軍のトップに立ち、国民に英雄視されているうえ、表向きは実子であるから神皇に意見する事もある。

 ディオンが「国民に英雄視されるようになった」のは大陸暦865年15歳の頃。
 各々の年表を照らし合わせたこの年は、
ディオンとテランスが、竜騎士の叙任を受け、ザンブレク皇国の騎士団に入団。大陸戦争に参加、戦功を立て、国中の名声を集める
 その背景で、
ディオンをうしろ盾にし、ザンブレク皇国の新神皇として即位、アナベラとシルヴェストルの再婚』がある。 官僚からすれば『ドミナント(バハムート)は戦争の兵器』だが、
国民からすれば『バハムート(ドミナント)は聖獣の頂点』の認識で、語り継がれたグエリゴールの伝説に出てくるドラゴンとバハムートを重ね合わせることができたのは、シルヴェストルにとって都合が良かったのではないかと思っている。もしもディオンがドミナントでなければ駒としても使えず、存在が不都合であるから殺されていただろうし、ドミナントであっても、皇国のドミナントがバハムートで無ければ『聖竜』と持ち上げる使い方ができずに、ただの兵器止まりであった可能性もなきにしもあらず。

 話が逸れてしまうので、テランスへ視点を戻そう。
テランスは中流貴族の出身である。貴族と聞いて真っ先に頭に浮かぶのは、ザンブレク皇国のベアラーに対する扱い、思想、ベアラーへの接し方だ。ノースリーチにいた貴族と思われる格好の男はベアラーを買いに来ていたし、玩具として遊ぶ子供がいて、小汚いベアラーがと蔑む台詞も聞ける。
一般人のベアラーへの考え方は、マーサの宿で見かけた親子の「処理してもらった」会話や、ノースリーチでの皇都の役人マチューとの話と、『少女が失くしたもの』での話で詳しく知ることができる。

 ベアラーは道具で、ペットで、化け物である。
ベアラーと同じく魔法を使うドミナントは戦争の道具であって、それを踏まえて、テランスがベアラーをどう思っているのかは気になるところがある。
テランスは正しくザンブレク皇国の人間ではあるが、それ程に残酷なイメージを持つことはできない。
ディオンへの思慕を悩み過ごした人生を想像してみれば、テランスは役人マチューのような思考をしてそうではあると私は思う。ベアラーも同じ人間であると話したシドのように。

 テランスの性と名、そして身長

 テランスについて気になっていることと言えば、その性も知りたいことの一つだ。
 以前X内で私が取り留めもなくつらつらと呟いていた名前についてのメモをここに綴っておきたいと思う。今後発売予定のロゴス本に載っていたら嬉しいのにな、と期待を込めて。

 テレンス(Terence,Terrence)
 ラテン語の「洗練された、完璧な」
 ルサージュ(Lesage)
sage「 賢明な,思慮深い、博識な」
Leは定冠詞
 ディオン(Dion)
“喜びを与える神”として登場する「ディオニソス」に由来。
この意味と、私が思うテランスのイメージを重ね合わせて、テランスの性の予想は、

 ①Hubert
(ヒューバートorユベール)
「心・精神」と「輝く」の複合語。
ゲルマン起源の名前で、「精神」を意味する「hug」と、「明るい」を意味する「beraht」からなる。
 ②Clement
 (クレメントorクレマン)
ラテン語「温和、穏やか、優しい」
温厚な・柔和な・慈悲深い

 ではないか、と推測してみたりしている。
 ついでに身長と家族構成もロゴス本に載ってたら良いなあ、と望んでいるのは、全FF16民の願いだと私は勝手に思っていたりする。
 私の予想はテランスが183〜188cm、ディオンが177か178cm。
 ディオンと並んだシーンでテランスが膝を曲げているのは皆が注目しているところで、ではディオンの身長は、とクライヴ・ロズフィールドを何とか無理やり隣に並べて見ればクライヴの方が高いように感じられた。

 鉄拳8にて表示されたクライヴの身長は183cm。テランスも同じか、それより高いとみて188cmかな、と。
 余談だが188cmはサイファー・アルマシー、177cmはスコール・レオンハートと同身長である。私の昔の推しだ。

ハッキリとした身長差で私が嬉しい
内緒話をしているようにも見える
同じ様な身長差か?
ディオンの方が小さいようだ

 テランスとディオン、互いへの想い


 何よりも、20年を超える月日を共に過ごし、真っ直ぐな想いをディオンに寄せ、ディオンを支えようと隣に並ぶ努力を続けたテランスは、確実に真面目で実直な男で、愛の為に生き、ディオンの人生の支柱となった男には間違いないだろう。
 テランスもディオンも、泥臭く、強く逞しく生きる人間なのだと私は思う。
 ディオンは生きている。テランスはディオンを信じ、必ず帰って来ると待ち続けていることだろう、ずっと。


 そしてまだ触れていない内容の一つが、20歳になった二人が新たな騎士団を設立した時の話だ。

『870年20歳、ディオンが聖竜騎士団を設立して団長になったのにあわせて、親衛兵長に任命される。』

 
この時のテランスの心境も知りたい。恋人という関係性になって二年、色々な事に慣れ始めた頃で、下世話な話だがディオンとのあれそれも経験した辺りだろう。とても気になる。
 少し考えてみたいのだが、ここから更にくどく長くなりそうなので、それはまた次の機会に。


 
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