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波の音【シロクマ文芸部】  思い出のマーニー

スタジオジブリ「思い出のマーニー」

波の音は、不思議だ。
何かを語りかけるでもなく、ただ寄せては返す、変わらないリズム。
かつて見たスタジオジブリのアニメション映画「思い出のマーニー」に思いを寄せてみた。

北海道の海辺の町に療養に訪れた少女杏奈。
親の愛を知らず、感情を表に出さないまま、育ての親をお金の為に
預かっていると思い込み
「おばさん」と呼ぶ。
そんな杏奈が、金髪の少女マーニーと出会って、秘密の友達となり体験するひと夏の不思議な物語。
一陣の風とさざ波がいつもふたりの足元に寄せていた。

「湿っち屋敷」と呼び人気のない別荘でのふたりの出合い。
「私は、わたしがきらい」という
杏奈の頑なな心を波は、あたかも血脈の流れのように杏奈とマーニーを結びつけた。

自己否定からの再生
自分と他人を隔てていた関が波で洗われるように解けてゆく。
夢と現実の中で少しづつ自分は愛されていたのだと気づく。

映画の最後に、根室の小さな駅に降り立った育ての親を初めて
「おかあさん」と呼んだ時は
すぅとあたたかいものが胸におりてきた。

少女から大人へ、その中で
「これは私たちの一生の秘密だからね」の言葉が物語る。

誰にも話さなくてもいい秘密が人を支えることもある。
それは、血のつながりを越えて受け取った人間愛なのかもしれない。
「あなたは、そのままでいい」と抱きしめてもらえたら、また歩み出せる勇気がわく。
それは寄せては返す波のように
いつも あたたかい。

終わり
波の音とボートをこぐ櫓のきしむ音が心地良い映画でした。
#シロクマ文芸部
#波の音
#思い出のマーニー


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