彼女の名 | 彼女とわたし 01
彼女とは月に何度か顔を合わせる。
半ば、あちらの希望で。
半ば、こちらの依頼で。
顔を合わせる、その度に わたしは
うんざりし
イライラし
げんなりする。
……………
ここ何年かは
いっそ いなかったら楽なのに
なんて
恐ろしい考えが
時折、頭の中に浮かんでは消えていく。
あまりに自然に浮かんでくるものだから
その思考の恐ろしさに気づくのに
少し時間がかかる。
頭の方は凪いだまま
心臓の方が気がついてあわてて脈打つ。
苦い罪悪感が口の中に広がって
わたしは また、げんなりする。
……………
それでも わたしは彼女と会う。
月に何度も。
彼女の名前は
「ハハ」
わたしの母親だ。
次の話 →
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