「練習校」を受けなかった理由
「練習校」という言葉に、わが家は乗れなかった
小学校受験では、11月の東京の試験を前に、埼玉や神奈川の学校を受験するご家庭も多いと思います。
本番の雰囲気に慣れるため。 一つ合格をいただき、自信を持って第一志望に向かうため。
いわゆる「練習校」として受験するという考え方です。
わが家も塾から、埼玉・神奈川の学校を受験することを勧められました。
けれど、わが家は受験しませんでした。
結果として息子が受けたのは東京の5校だけ。そのうち緊張していたのは、最初の1校だけでした。
「練習校」という考え方への違和感
受験しなかった理由の一つは、「練習校」という呼び方そのものへの違和感でした。
仮に合格をいただいても、進学する意思のない学校を、本番のための練習として受ける。そのことが、わが家の教育方針とは少し違うと感じました。
もちろん、事前に本番の雰囲気を経験することで、安心して第一志望に臨める子もいると思います。練習校を受けること自体を否定するつもりはありません。
ただ、受験は子どもの体力も精神力も使います。
息子の場合は、受験によって得られる経験よりも、疲れや精神的な消耗のほうが大きくなるのではないかと考えました。
息子には、これ以上の「場慣れ」は必要ないと思った
もう一つの理由は、模試を重ねてきた息子の様子を見て、これ以上の場慣れは必要ないと感じていたからです。
むしろ息子の場合、事前に何校も受験することで、本番への緊張感が薄れ、集中力が落ちてしまう可能性があると思いました。
場数を踏むことで安心できる子もいれば、最初の一回にしっかり力を集中させたほうがよい子もいます。
息子は、後者だと判断しました。
塾には、
「わが家の教育方針とは異なるため、埼玉・神奈川の学校は受験しません。その分、残された時間で息子の苦手な部分を強化したいです」
と伝えました。
家庭学習で一つずつ苦手を埋め、できる限り万全に近い状態で東京の本番を迎えたい。そう説明すると、先生も納得してくださいました。
周りが受けていると、やはり不安にはなった
そう決めたものの、迷いや不安がまったくなかったわけではありません。
周囲のご家庭が埼玉や神奈川の学校を受験していると聞けば、
「本当にわが家は受けなくて大丈夫なのだろうか」
と不安になりました。
子ども同士で「受かった」という話をしているのを耳にしたときも、心は揺れました。
それでも、合格しても進学しない学校なら、その合格を「お守り」として持っておく必要はないと考えました。
むしろ、一つ合格をいただくことで、親にも子にも「もう大丈夫」という安心感が生まれてしまうかもしれない。それによって、東京の本番に向けた緊張感が途切れることも心配でした。
不安を消すために学校を受験するのではなく、その時間を息子の苦手な部分と向き合うために使う。
それが、わが家の選んだ直前期の過ごし方でした。
東京で受けた最初の一校
息子が最初に受験したのは、東京の学校でした。
その学校は、単なる練習として選んだ学校ではありません。わが家が考えていた主要な受験校の一つであり、特に中学・高校へ進学したあとの環境に魅力を感じていました。
ただ、受験が近づいて学校ごとの特徴が具体的に見えてくると、小学校受験の段階では、息子との相性が少し違うかもしれないと感じるようになりました。
ペーパーの難易度が高いうえに、息子が勉強してきた内容とは出題傾向が異なっていました。
さらに、洋服をきれいにたたむといった生活習慣も細かく見られる学校でした。どちらかといえば、生活習慣や巧緻性まで丁寧に仕上げてきた、女子校受験に近い対策が必要な学校だと感じていました。
わが家は、その学校に合わせた特別な対策をしていませんでした。
そのため受験前から、
「この学校では、息子が本来の力を十分に発揮するのは難しいかもしれない」
と思っていました。
それでも受験したのは、中学・高校まで含めた学校の教育に魅力を感じていたからです。
合格しても進学するつもりのない学校を、経験のためだけに受けたのとは違いました。
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