UTMB ワールドシリーズを走ってきた
自宅から2時間半で行けるケベック州のMont Tremblant でUTMBのワールドシリーズが開催されました。
UTMBといえば、トレラン界における世界の檜舞台、エリートランナーだけが走ることを許されるイベントというイメージです。エントリー抽選に申し込むには、対象レースを走ってRunning Stoneを獲得し、必要なUTMB Indexも満たさねばならない。Stoneをたくさん持っているほど抽選では有利になるという、つまりは修行を積んだ者ほどシャモニーの本戦に近づく仕組みです。
数年前に、長年の友人がヨーロッパまで Running Stone を取るために遠征し、たった一個のStone でUTMB OCCの抽選に当選したというビックリな出来事がありました。友人一同で The One Stone Wonder という応援グループを結成しシャモニーまで行って、楽しかったなあ。
そのUTMBワールドシリーズが地元近くで開催されることになり、トレランといえば5kmのファンランしかやったことのないおばさんにも、頑張ればいけそうなイベントがあると唆されたのが昨年の9月。
20Kのイベントが2つあり、長いほうが27kmで累積標高1645m、短いほうが14.5kmで累積標高896m、Running Stone が一個もらえるとのこと。ちなみに、UTMBの20Kとは、ロードと違って実測距離ではなく、距離と標高に基づく「カテゴリー」のことです。
14kmで20Kを走ったことにしてもらえて、石が一個もらえるって、それはズルじゃねえか?という感じではあります。しかし、これぞアイアンマン資本のマーケティングの極意。
高級ブランドが出してるミニサイズ香水とかキーホルダーみたいに「あなたにも買える商品」をぶら下げるわけだ。そして「あなたもUTMBストーン保持者!!」と気分よくさせて、ワールドシリーズのイベントに沼らせ、何度も走らせ、課金地獄に陥れる(←言い過ぎ)。
「14kmだけど20K」って、四捨五入ですらないこじつけがいっそ清々しい。そこはちゃんと標高900近くありますからいいんですよ?って感じなのかね。距離といい標高といい、おばさんの「頑張れば手が届く」のツボすぎて、ポチってしまいましたとも。
この歳で、練習して何かを達成する体験ってあまりないですし、「UTMBを目指すトレイルランナーごっこ」にはコスプレ的な楽しさもあるしねえ…
おばさんは割と真面目にトレーニングに励み、励みすぎて本番2ヶ月半前にギックリ腰になり、1ヶ月のダウンタイムが発生しました。
腰が治ってからは「これはもう石をゲットしようとか欲張らず、全歩きで怪我せず楽しんでくるのがミッション」と目標を下方修正。
現地でテクニカルな部分の下見を土砂降りの日にやって、10kmで3時間かかりました。14kmの制限時間は3時間15分。下りが怖すぎて泣きました。ああ、やっぱり自分の能力以上のイベントであったのだ…
と思っていたら、本番直前になって制限時間が3時間35分に修正されている!!これは「運営が考えていたより難しいコースだから、安全を期して」なのか?それとも、エントリーレベル客に確実に Running Stone をお持ち帰りいただくための忖度なのか?
レース前の数週間は、腰に抱えた爆弾が爆発しないように、過剰に走り込まないようにしてました。ランナーなのにそれでいいのか?という感じではありましたが。
レース直前、VO2 Max が過去最高の44まで上がりました(Garmin の言うことですから数値的にはあまり当てになりませんが。)休みすぎじゃないか?っていうくらい休んでいたのにどういうことでしょう。頑張りすぎなかったのが実は最適解だったのでしょうか。
そして迎えたレース当日、お天気は薄曇りの16度と絶好のコンディションで、雨の日に怖くて泣いた下りは濡れていないというだけで走りやすく、気持ちよく駆け降りることができました。
タイムは2時間38分。
蓋を開けてみたら、制限時間内で余裕だったという事実に、これまた色々と考えてしまいます。
土砂降りとか酷暑とか、条件が悪かったら、3時間15分はギリギリだったかも。
お天気に関わらず、最大多数に石を持ち帰らせるカットオフタイム、しかも下駄を履かせた感が微妙にバレにくいラインが3時間35分だったのではないか?
深読みしすぎだ、おばさん!という声が聞こえてきそうです。
次回:14kmでストーンゲットしたおばさんの、嬉しいような嬉しくないような心理を深堀り🤣
