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【映画感想】「最強のふたり」| 障がい者との向き合い方

実話をもとにしたハートフル・コメディ。
首から下が麻痺した大富豪と、スラム出身の青年という対照的な二人の友情を描いた作品です。

主演はフランソワ・クリュゼと、オマール・シー。
特にオマール・シーは本作でセザール賞主演男優賞を受賞し、一躍世界的に知られる存在となりました。

フランス国内のみならず、日本でも大ヒットを記録した人気作です。


あらすじ

事故で全身麻痺となった富豪フィリップは、介助人の面接を行っていた。
候補者たちは皆、同情や気遣いを前面に出すが、彼の心には響かない。

そこに現れたのが、スラム出身のドリス。
就職する気もなく、失業手当のためのサインだけをもらいに来た彼は、フィリップに対しても遠慮がない。

その態度を気に入ったフィリップは、彼を試しに雇うことにする。
正反対の二人は衝突しながらも、次第に特別な関係を築いていく――。


感想

この映画の魅力は、とにかくドリスの距離感にあります。

面接に来た他の候補者たちは、いわゆる“正しい対応”をしているんですよね。
丁寧で、優しくて、気遣いもある。

でもフィリップにとってそれは、どこか居心地が悪い。

なぜなら――
同情は、ときに“見下し”と紙一重だから。


一方でドリスは、遠慮ゼロ。

ズバズバ言うし、皮肉も言う。
普通なら失礼に見える態度なのに、不思議と嫌味がない。

それは彼が、フィリップを“障がい者”としてではなく、
一人の人間として対等に扱っているからなんですよね。

この違いがすごく大きい。


最初は周囲から「無神経」と思われていたドリスも、
次第にみんなの中心的な存在になっていきます。

人との距離って、丁寧すぎても離れるし、雑すぎても壊れる。
でもドリスは、その絶妙なラインを軽々と越えてくる。

根っこにある優しさと明るさがあるからこそ成立する関係性です。


そしてこの作品が教えてくれるのは、

「特別扱いしないことの大切さ」

もちろん、できないことを支える必要はある。
でもそれ以上に大事なのは、対等でいること。

ドリスはフィリップに対して、

・冗談を言う
・イジワルもする
・普通に笑う
・恋愛も応援する

全部“友達として”やっているんですよね。

この自然さが、とても心地いい。


印象的なのが、ドライブのシーン。

車いす用の車ではなく、高級車の助手席に乗せて走り出すあの瞬間。
「あんたは特別じゃない」というメッセージが、言葉以上に伝わってきます。


ストーリーの完成度はもちろん、俳優二人の演技も抜群。
笑いと温かさのバランスがとてもよく、最後まで気持ちよく観られます。


ちなみに原題は「Intouchables(触れられない人々)」。

それを「最強のふたり」と訳した邦題センスも秀逸です。

“弱さ”ではなく“強さ”にフォーカスしたこのタイトル、
作品の本質をしっかり捉えていて、個人的にはかなり好きです。


笑えて、じんわり沁みて、考えさせられる。
多くの人に愛される理由が素直に伝わってくる、素敵な一本でした。

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