『人手不足ばかり見ている施設と『10年後も選ばれ続ける施設』の違い
訪問看護・介護施設が知っておきたい『ビジョナリー経営』
最近、訪問看護ステーションや介護施設の経営者、管理者の方と話していると必ずと言っていいほど出てくる言葉があります。
「人が来ないんです」
「応募がないんです」
「採用しても辞めてしまうんです」
「紹介会社ばかりにお金がかかるんです」
もちろん事実です。
実際、介護業界も訪問看護業界も人材不足は深刻です。
ですが、少し厳しい言い方をすると人手不足は自社だけではありません。
全国どこを見ても同じです。
だからこそ、「人手不足だから仕方ない」だけでは経営は前に進みません。 ここで必要になるのが、『ビジョナリー経営』という考え方です。
『今月どうする?』だけでは苦しくなる
多くの施設は毎日忙しいです。
✔ シフト調整
✔ 急な欠勤対応
✔ 利用者対応
✔ 家族対応
✔ 行政対応
✔ 採用活動
✔ 売上管理
気づけば一日が終わる。
そして月末になると、「来月の売上どうしよう」 「求人出さないと」 「誰か紹介してもらえないかな」となる。
もちろん悪いことではありません、 経営ですから。
ただ、目の前の問題だけを追いかけ続ける経営には、一つの欠点があります。
『いつまで経っても追いかける側になってしまうこと』
モグラ叩き経営になっていませんか?
次から次へと問題が出てくる。
【スタッフが辞める】 ➤ 【求人を出す】 ➤ 【応募が来ない】 ➤ 【広告を出す】 ➤ 【採用できる】 ➤ 【今度は教育が大変】 ➤ 【教育したら退職する】 ➤ 【また募集する】
まるでゲームセンターのモグラ叩きです。
出てきた問題を叩く、また出てくる、また叩く、終わらない…(-_-;)
実は多くの施設が無意識のうちにこの状態になっています。
経営者も管理者も真面目だからこそ、毎日必死に対応する。
でも気付くと未来を考える時間がなくなっているんです。
ビジョナリー経営とは『未来から逆算する経営』
ではビジョナリー経営とは何でしょうか?
難しい言葉に聞こえますが、実はとてもシンプルです。
ビジョナリー経営とは、
「今を見る経営」ではなく「未来から逆算する経営」です。
例えば、5年後、10年後、あなたの施設はどうなっていたいでしょうか?
〇 地域で最も信頼される施設
〇 スタッフが友人を紹介したくなる職場
〇 看取りに強い訪問看護
〇 離職率が低い施設
〇 子育て世代が働き続けられる職場
〇 利用者から感謝され続ける会社
これらを先に決める。
そして、そこへ向かうために今日何をするかを考える。
これがビジョナリー経営です。
船長が『目的地』を言えない船に人は集まらない
少し想像してください。
あなたが船に乗るとします。
船長が言いました。
「とりあえず出航します!」
どうでしょう。
正直怖いですよね。
どこへ行くの?
何日かかるの?
何が目的なの?
全然わからないですよね????
一方で、船長がこう言ったらどうでしょう。
「この船は、地域で最も信頼される在宅医療チームになるために出航します」 「住み慣れた家で最期まで暮らしたい人を支えるために進みます」
なんとなく安心しませんか?
実は求職者も同じです。
スタッフも同じです。
利用者も同じです。
人は、『何をやっている会社か』よりも『どこへ向かっている会社か』に惹かれる生き物なんです。
求職者は給料だけを見ていない
採用現場でよく聞く言葉があります。
「結局、お金ですよね」
確かに給料は大切です。
ですが、それだけなら大手企業が圧倒的に有利です。
それでも、小さな訪問看護ステーションに応募が集まることがあります。
小さな介護施設が選ばれることがあります。
なぜでしょうか。
それは、働く意味が見えるからです。
例えば、面接でこんな話を聞いたらどうでしょう。
「私たちは看護を提供している会社ではありません。」
「住み慣れた家で、その人らしく生きる時間を支える会社です。」
ただの仕事内容ではありません。
使命です。 物語です。 想いです。
人は数字だけでは動きません。
心が動いたときに行動します。
SNSもホームページもバラバラでは伝わらない
最近、SNSを頑張る施設も増えてきました。
ホームページもあります。
動画もあります。
ブログもあります。
でも、こんな状態になっていないでしょうか。
今日は求人募集、 明日は福利厚生、 次の日はスタッフランチ、 その次は社長の趣味、、、悪くはありません。
でも、見ている側はこう思います。
「結局どんな会社なの?」
ビジョンがない発信は散らかります。
ビジョンがある発信は繋がります。
例えば、「地域で最も安心できる看取り支援を行う」というビジョンがあれば、スタッフ紹介も利用者エピソードも研修風景も家族との関わりも全部が一つのストーリーになります。
AI時代だからこそビジョンが必要になる
最近はAIで求人も作れます。
SNS投稿も作れます。
ブログも作れます。
動画の台本も作れます。
便利です。
私も活用しています。
でも、AIには作れないものがあります。
それが、現場の物語です。
✅利用者との関わり
✅家族とのエピソード
✅スタッフの葛藤
✅管理者の想い
✅創業した理由
これらはAIが勝手に作れるものではありません。
だからこれからの時代は情報発信の量よりも「何のために存在している会社なのか」がますます重要になります。
良い施設ほど埋もれている
私は介護施設や訪問看護ステーションの現場を見ていて、いつも感じることがあります。
本当に良い施設ほど発信が苦手、悲しいが事実。。。
利用者のために頑張る、スタッフのために頑張る、地域のために頑張る、でも、その頑張りを伝える時間がない、伝え方が分からない。
結果、求職者に見つからない、地域に知られない、応募が来ない。
これ、本当にもったいないんですよね。
ケア魂デザインが目指していること
ケア魂デザインは、
ホームページ制作会社ではありません。
動画制作会社でもありません。
SNS運用会社でもありません。
もちろんそれらは作ります。
ですが本当の目的は別です。
『頑張っている現場に光を当てること、当て続けること』
その結果、求職者が「ここなら働いてみたい」と思う。
利用者や家族が「ここなら安心して任せられる」と思う。
そして、施設が選ばれ続ける。
採用サイトも写真も動画もSNSも全部そのための手段です。
人手不足はこれからも続きます。
AIもさらに進化します。
採用競争も激しくなります。
そんな時代だからこそ必要なのは小手先のテクニックではありません。
「どんな未来をつくりたいのか」
「何のためにこの仕事をしているのか」
「地域でどんな存在になりたいのか」
そこが明確な施設は強い。
発信にも軸が生まれる。
採用にも軸が生まれる。
組織にも軸が生まれる。
ビジョナリー経営とは売上を追いかける経営ではありません。
未来に引っ張られる経営です。
そして介護や訪問看護で言うなら、「人が足りないから採用する」のではなく、「地域で必要とされ続ける未来をつくるために仲間を集める」
その発想の転換こそが10年後も選ばれ続ける施設への第一歩なのかもしれませんね。
