国産AIの甘い自己採点にClaudeが突っ込みを入れる夜。そして僕らは「触れない神モデル」の軍拡補助金を払い続ける
国産AI「PLaMo 3.0 Prime」に、ウチのマスタープロンプトを呑ませてみた
まあ、2026年6月22日に正式リリースされたフルスクラッチの国産AI「PLaMo 3.0 Prime」
「日本語ファーストで構築されたAIは、英語ベースのAIと何が違うのか?」
道具としてのフィーリングを確かめるため、ウチの環境でさっそく初回検証してみたんだ 。
お題に選んだのは、ウチのベンチマークでもある「小説家AI v3.1」の複雑なマスタープロンプトだ 。
結果から言うと、日本語の指示追従やMarkdown的位置づけは驚くほど素直だった 。
英語ベースのモデルにありがちな、翻訳レイヤーを挟むがゆえの「フォーマットの破綻」が起きない 。
ここまでは、まあ 予想通りというか、国産の面目躍如といったところ。
面白いのはここからだ。
俺はこのPLaMoが自身で書き出したマスタープロンプトの設計図を、「自分自身でさらに精査し、構造的な評価を行ってみろ」と、そのまま本人に投げ返してみたんだよw 。
いわゆる、AIの自己評価ループの実験だな 。
批評の甘さと、優等生な「ふんわり構造理解」
Plamoが自身を精査して吐き出した回答を見て、俺の隣にいるClaude Sonnetが即座に、実に冷徹なツッコミを入れ始めたんだ 。
「Plamoの自己評価は、自分が書いたものに対して『優しすぎ』ます。冒頭から肯定的な言葉ばかりが並び、構造的な矛盾を全く刺しに行けていません」
まったくもってその通りでさ・・・爆。
ウチの小説家AIプロンプトは、「800字という厳しい文字数制限」の中に「高負荷なパラメータの連立方程式」を詰め込む設計になっている 。
そのため、まともに実行すれば確実に構造的な衝突(トレードオフ)が起きるはずなんだよ 。
Claudeやo3系なら一発でそこを「実行不可能だ」と刺してくるのに、PLaMoは「品質チェックに有用です」とか「チェックリストがあると親切です」といった、教科書的な表面のレビューでふんわりと流してしまった 。
要するに、
「言われた通りにそれっぽい日本語を作る(生成)のは得意だが、その裏の論理の歪みを見抜く(評価・批評)の能力が圧倒的に甘い」
という非対称性が、このワンターンで見事に露呈したわけだ 。
昔、DOS/V機にWindows95を載せてPhotoshopの実際の作業で速度を競っていた人間だから、俺はスペックシートのベンチマーク数値なんかこれっぽっちも興味がない 。(これは今の3D系のとかAI系のベンチマークも一緒で・・・)
「MMLUが何点」だの「国産最高」だの言われたところで、俺たちの実務の壁打ちにおいて「思考の解像度を上げてくれる伴走者」になってくれなきゃ、道具として何の意味もないんだからさ
深夜に突如現れた「GPT-5.6 Sol」と、デイブの悲劇

2026年現在の最上位AIモデルを巡る国際構造はどうなっているのか?
米政府の輸出管理指令や本人確認(KYC)制度の厳格化により、最上位モデルは日本人が触れない「ご禁制の品」として階層化されている。
PLaMoの「生成は素直、評価は甘い、レスポンスは遅い」という実態を噛み締めながら、深夜に夜更かしをしていたら、画面にOpenAIからの緊急告知が飛び込んできた 。
最新鋭モデル、「GPT-5.6 Sol」の限定プレビュー開始のニュースだ 。
コイツのリリースノートを相棒に読ませた瞬間、俺たちは揃って溜息を吐いたね 。
Introducing a limited preview of GPT-5.6 Sol, our next generation frontier model, as well as GPT-5.6 Terra, a balanced model for efficient, everyday work, and GPT-5.6 Luna, a fast and affordable model for high-volume work.https://t.co/OoM83SyISN
— OpenAI (@OpenAI) June 26, 2026
https://openai.com/index/previewing-gpt-5-6-sol/
「信頼できるパートナー向けの限定公開であり、参加者リストはすでに政府に共有済み」 。
こないだ地政学的な一言で俺たちの前から一瞬で引き剥がされた「Claude Fable 5」と、全く同じ構造がそこにあったんだよ 。
サイバーセキュリティや生物学の超高度なドメイン(=ご禁制の知識)が実装されている最上位モデルは、最初から「米国政府の承認を受けた、身元確認(KYC)済みの組織しか触らせない」という鉄格子の向こう側に閉じ込められている 。
これ、海外のX(旧Twitter)で流れてきた「デイブの小話」の皮肉が、完璧にこの残酷な現実を撃ち抜いていて最高なんだよな 。
“So electronics are getting more expensive because AI companies are hoovering up all the RAM?”
— Breakwell ™ (@TBreakwell) June 26, 2026
“Yes, Dave.”
“So laptops, phones, consoles and PCs all cost more because OpenAI and friends need to feed the machine?”
“That’s right.”
“And the upside is we all get access to the… pic.twitter.com/d3CweXP6K2
「ラップトップやゲーム機が高くなっているのは、AI企業がRAMを吸い上げているせい?」
「その通り、デイブ」
「じゃあ、その補助金を払った見返りに、僕らは彼らが作るすごい新モデルにアクセスできるの?」
「いいえ、デイブ。アメリカ政府が展開をコントロールしているから」
「で、これが進歩なの?」
「いいえ、デイブ。これは未来が、僕らがアクセスできないサブスクリプションサービスとして届くってことよ」
コタツ記事で踊る人、触れる道具で戦う人
明日になったら、ネットの海は「GPT-5.6 Solついに降臨! 性能がヤバすぎる!」なんていうコタツ記事で溢れかえるんだろう。
だけど、ちょっと一歩引いて考えてみてほしい。
「それ、俺たち日本人は、ほぼ だれも触ることすら許されないモデルなんだぜ?」
触れもしない海外のプレスリリースを右から左へ翻訳して、「ヤバい」だの「進歩だ」だのとはしゃいでいるコタツ記事量産勢を見るのは、本当に滑稽だし退屈だ 。
評価者の評価基準が違えば、触れない神モデルのベンチマーク数値なんて、文字通りクソの役にも立たない情報でしかないんだからさ 。
だから俺は、触れない幻のSolを追うのはそういうのが好きな人らに任せておけばいい、と思っている 。
俺たちが今やるべきなのは、手元で動くPLaMoの限界を冷徹に見極めたり、Sakana AIのFuguが単なる「自動化のオモチャ(エージェントシステム)」に過ぎないことを見切ったりしながら 、今ある環境の中で「自分の思考の伴走者」を泥臭く再設計することだけだ 。
未来はご禁制の品として届かないかもしれないけれど、俺たちの手元にある道具のフィーリングを研ぎ澄ますことだけは、誰にも止められないんだからさ。
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