サーカ・ウェーヴス入門|最初の1枚と聴き方
いらっしゃいませ。chachamaru records です。
いま棚から抜いていただいたのは、**サーカ・ウェーヴス(Circa Waves)**の『Young Chasers』です。リヴァプールの4人組が2015年に出したデビュー・アルバムです。
このバンド、名前は見たことがあるけれど中身は知らない、という方が多いはずです。
11年で7枚を出しているのに、日本語の紹介記事はほとんどありません。
そこで、この記事で全部ご案内します。バンドがどう始まったか、この盤に何が入っているか、どこから聴けばいいか。
最後までお付き合いいただければ幸いです。

こんな方に届けたい

サーカ・ウェーヴスの名前だけ知っているが、聴いたことはない方
アークティック・モンキーズやザ・ストロークスが好きで、次に聴くバンドを探している方
ギターロックの気持ちよさを、難しい理屈抜きで浴びたい方
ひとつでも当てはまれば、この記事はお役に立ちます。
先に結論を書いておきます。
このバンドの入口は、この1枚目で間違いありません。
理由は3つです。
いちばん短い、いちばん分かりやすい、いちばん安く手に入る。
入門の条件が、きれいに揃っています。
音楽スタイル

音楽ジャンル:
インディー・ロック/オルタナティヴ・ロック/ポストパンク・リヴァイヴァル音楽的特徴:
歪みの浅い細かく刻むギターが2本、絡み合って進みます
曲が短いです。2分台の曲が3つあり、無駄がありません
サビは大声で歌える形に作られています。合唱前提の設計です
全曲をフロントマンひとりが書いており、メロディの質が揃っています
甘い旋律と、走るリズム。この2つが最後まで崩れません
類似アーティスト:
Arctic Monkeys(初期の、走るギターロック期)
The Strokes(音の質感と、乾いたギターの絡み方)
The Jam(ソウルを下敷きにしたポップの組み立て方)
おすすめポイント3選

1. 39分25秒。
入門用としては、ほぼ理想の長さ 13曲すべてが3分前後です。いちばん長い曲で3分41秒。
通勤の片道で1枚聴き終わります。
知らないバンドを試すのに、これ以上ない条件です。
2. 全英10位・BPIシルバー認定という結果
デビュー作でいきなり全英アルバムチャート10位。
イギリスの音楽産業協会(BPI)からシルバー認定も受けました。
評価と売上が一致した一枚です。
3. 「T-Shirt Weather」を持っている盤
バンド最大のヒット曲を収録しています。この曲だけでBPIシルバー認定を獲得しました。
日本のチャートにも顔を出した数少ないUKインディー曲のひとつです。
在庫確認
気になった方は、まずこちらで現在の価格と在庫をご確認ください。
👇**CD(輸入盤)**を見る| … 最も入手しやすい

👇**LP(アナログ盤)**を見る|Amazon … 2015年オリジナル・プレス

▼配信で聴く|Amazon Music … まず試すなら
※価格・在庫は2026年8月25日時点で店主が調査したものです。実際の価格は変動しますので、購入前に各リンク先でご確認ください。
最終更新:2026年8月25日
作品基本情報

作品名:Young Chasers
アーティスト名:Circa Waves(サーカ・ウェーヴス)
発売年:2015年(英国は3月30日/日本は3月31日〜4月1日/米国は9月18日)
レーベル:Virgin EMI Records(米国は Virgin/日本流通は Hostess)
品番:CDV 3135(CD・欧州)/V 3135(LP・英国)/HSU-10028(日本盤CD)
総再生時間:39分25秒
収録曲数:13曲
プロデュース・ミックス:Dan Grech-Marguerat
全英アルバムチャート:最高10位(スコットランド13位/全英ダウンロード8位)
認定:英国BPI シルバー
作品紹介

すべては、SoundCloudに上げた1曲から始まりました
まず、このバンドの成り立ちの話をします。
リヴァプールに、キーラン・シュダル(Kieran Shudall)という青年がいました。目立たないバンドをいくつも渡り歩いた末、音楽に本腰を入れると決決意。
彼はある日、「Young Chasers」という曲のデモを書きました。そして同じ日のうちに録音し、SoundCloudにアップロードしました。
その投稿画面で、バンド名の入力を求められます。
**とっさに頭に浮かんだ言葉が「Circa Waves」**でした。
ギターのジョー・ファルコナー(Joe Falconer)は、後にこう証言しています。
「彼はアップロードしながら名前が必要になって、最初に浮かんだのがそれだったんだ」。
バンド名にも、アルバム名にも、深い意味はありません。
この身も蓋もなさが、この盤の空気をよく表しています。
録音は、ロンドンの名門スタジオで
アルバムの録音は2014年、ロンドンのRAK StudiosとThe Squareで行われました。
RAK Studiosは1976年開設の老舗です。数え切れないほどの英国ロックがここで生まれてきました。
プロデュースを手がけたのはDan Grech-Marguerat。ミックスとエンジニアも兼ねています。
マスタリングはGuy Davie(Electric Mastering)。ロンドンの著名なマスタリング技師です。
この布陣が、素人臭さを一掃しました。ライヴで鍛えた勢いを、聴きやすい音に整えたのがこの盤です。
初めてこのバンドを聴く方にとって、これは大きな意味を持ちます。音が荒くて聴き通せない、ということが起きません。
全13曲、作詞作曲はすべて1人で
作品の核心はここです。13曲すべてを Kieran Shudall が書いています。
共作者はいません。外部のソングライターも入っていません。
ひとりの人間の頭の中から出た13曲が並んでいます。
その結果、アルバムに強い統一感が生まれました。どこを切っても同じ手つきです。
演奏した4人はこの編成でした。
Kieran Shudall (Vo, Gt)
Joe Falconer (Gt, Key, Cho)
Sam Rourke (Ba, Key, Cho)
Sian Plummer (Dr)
ドラムのSian Plummerは、本作が唯一の参加アルバムです。
2015年に脱退し、Colin Jonesと交代しました。
この盤は、この4人でしか作れなかった一枚でもあります。

39分25秒という「設計」
ここからが、この盤を理解する鍵です。
39分25秒という長さは、偶然ではありません。
数字を見てください。1曲平均は3分3秒。最長が「So Long」の3分41秒。最短が「Young Chasers」の2分9秒です。
2分台の曲が3つあり、4分を超える曲は1曲もありません。
これは意図的な設計です。言いたいことを言い切ったら、すぐ終わる。その方針で13曲が並んでいます。
当時の評価は「おおむね好意的」でした
批評サイトMetacriticのスコアは、4媒体の平均で72点/100点でした。「おおむね好意的」の区分です。
内訳はこうです。AllMusicが80点、NMEが80点、The Guardianが60点、Q Magazineが60点。
AllMusicのMatt Collarは「陽気なほど猛烈で、若さにあふれた、耳に残るギター・インディーの集合体」と評しました。
NMEの評は短く、的確です。「なんと爽やかで、楽しく、自由に聴こえることか」。
日本でも紹介はされました。タワーレコードの音楽メディアMikikiで、山口智男氏がこう書いています。
「ギターロック・バンドというより、ポップソングを作る集団として記憶されるだろう」。
一方で、辛口の評もありました
正直に書きます。手放しの絶賛ではありませんでした。
The Guardianは60点をつけ、こう書いています。「40分間、まるでオルタナR&Bなど存在しなかったかのようだ」。
これは褒め言葉ではありません。2015年当時、音楽の最前線はR&Bやエレクトロニックに移っていました。そこへ2000年代のギターロックをそのまま持ってきた、という指摘です。
Q Magazineも同じ趣旨でした。「彼らを他と分ける何かは、まだ不明瞭だ」。ただし「先頭を保つには十分な出来」とも付け加えています。
つまり評価はこうまとまります。新しくはない。しかし、よく出来ている。
弱点は、隠さずお伝えします

入門記事だからこそ、先に書いておきます。
曲の作りが似ています。
速いテンポ、刻むギター、大声のサビ。この型が13曲つづきます。1周目は爽快ですが、3周目には飽きが来るかもしれません。
ドラムについても「型どおり」という指摘があります。演奏の凄みで聴かせる盤ではありません。
そしてもうひとつ。新しさはありません。2006年のアークティック・モンキーズが持っていた衝撃は、ここにはありません。
この3点を許せるかどうかが、このバンドと付き合えるかの分かれ目です。
購入前に気になること、全部答えます

店主が実際に聞かれることを、そのまま並べました。
価格・在庫はいずれも2026年8月25日時点の調査結果です。
Q1. 結局、どの盤を買えばいいですか?
初めての方は、まず配信で全曲聴いてください。そのうえで買うなら、CDの輸入盤が最も現実的です。
理由ははっきりしています。アナログ盤は、国内の主要店舗でほぼ全滅しているからです。
👇**CD(輸入盤)**の在庫確認|Amazon

Q2. CDとLP、音は違いますか?
演奏そのものは同じです。収録内容も13曲で変わりません。
違うのは体験のほうです。LPは39分を2面に分けています。A面6曲、B面7曲という配分です。
1面あたり約20分。溝に余裕がある、音質面では有利な設計です。ただし途中で必ず盤をひっくり返します。
なお日本レコード協会によると、**2025年のアナログレコード生産は84万4,100枚(前年比107%)**でした。金額は1988年以来37年ぶりに80億円を超えています。5年連続のプラス成長です。
LPを選ぶ人は、年々確実に増えている。これは事実です。
Q3. 日本盤(帯・解説付き)はありますか?
あります。ただし、いま新品では買えません。
日本盤CDはHostess経由で流通していました。品番はHSU-10028です。
そして重要な点があります。日本盤には3曲のボーナストラックが付いていました。「Catch My Breath」「100 Strangers」「Shoot The Sky」の3曲です。
ただ、この3曲のために中古を高値で追う必要はありません。配信に『Young Chasers (Deluxe)』という全19曲・55分17秒のバージョンがあり、3曲ともそこに含まれているからです。
Q4. まず試聴してから決めたいのですが?
それが最善です。この盤はとくにそうです。
理由を書きます。この盤の当たり外れは、最初の3曲でほぼ決まります。「Get Away」「T-Shirt Weather」「Fossils」の8分22秒です。
ここで体が動くなら、残り31分も同じ調子で楽しめます。逆に動かないなら、13曲通しても評価は変わりません。
そういう性格の盤です。試聴の効率が、異常に良いとも言えます。
👇**LP(アナログ盤)**の在庫確認|Amazon

Q5. 同じバンドの他作品と、どちらを先に買うべきですか?
このデビュー作からで間違いありません。
理由は3つです。いちばん短い、いちばん分かりやすい、いちばん安く手に入る。入門としての条件が揃っています。
2作目以降は音が重くなり、5作目以降は電子音が増えます。バンドの変化を追うなら、起点はここです。
もし2025年の『Death & Love』から入った方なら、なおさらこの盤を聴く価値があります。同じ人が書いたとは思えないほど、軽いからです。
まとめ:迷ったらこの順番です
まず配信(デラックス版)で最初の3曲(8分22秒で相性が分かります)
良ければ13曲通しで1周(39分25秒)
手元に置きたくなったら CDの輸入盤(最も入手しやすい)
アナログを狙うなら 中古LP(40ドル前後が上限の目安)
おすすめトラック3選

1. "Get Away"(3:22)
すべての始まりの曲です。2013年12月2日、「Good For Me」との両A面でデビュー・シングルになりました。
アルバムでも1曲目に置かれています。バンドが世に出したいちばん最初の音が、そのまま入口になっているわけです。
出だしのギターが、いきなり走り出します。前置きも、雰囲気作りもありません。3秒で本編が始まる曲です。
入門の1曲目として、これ以上ふさわしい曲はありません。
2. "T-Shirt Weather"(3:12)
この盤の代表曲です。2015年4月6日にシングルとして発表され、BPIシルバー認定を受けました。バンド最大のヒット曲です。
曲名は「Tシャツで過ごせる陽気」という意味です。歌の中身も、その言葉どおりのものです。
冒頭のギターが鳴った瞬間に、季節が変わります。3分12秒のあいだ、天気が良くなる。そういう曲です。
日本のチャートにも顔を出しました。UKインディーの曲としては、かなり珍しいことです。
3. "Fossils"(2:47)
2分47秒。この盤でいちばん切れ味の鋭い曲です。2015年1月19日、アルバムに先駆けてシングルになりました。
タイトルは「化石」。若さと、過ぎ去るものを重ねた歌です。
ギターが2本、別々の動きで絡み続けます。片方が刻み、片方が旋律をなぞる。この対比が最後まで緩みません。
そして2分47秒であっさり終わります。もう一度聴きたくさせる終わり方として、これ以上のものはありません。
全収録曲リスト
Get Away – 3:22
T-Shirt Weather – 3:12
Fossils – 2:47
Lost It – 3:08
My Love – 3:19
Deserve This – 3:14
Young Chasers – 2:09
Good For Me – 2:31
Stuck In My Teeth – 3:06
Best Years – 2:52
The Luck Has Gone – 2:44
So Long – 3:41
Talking Out Loud – 3:20
合計:39分25秒
※全13曲の作詞作曲は Kieran Shudall です。
※アナログ盤はA面が1〜6曲目、B面が7〜13曲目です。
※日本盤CDには「Catch My Breath」「100 Strangers」「Shoot The Sky」の3曲が追加されていました。
※配信のデラックス版は上記に6曲を加えた全19曲・55分17秒です。
アーティスト概要

1. 成り立ち|リヴァプールの、遅れてきた4人
サーカ・ウェーヴスは、2013年にイングランドのリヴァプールで結成されました。
中心にいるのはKieran Shudall(キーラン・シュダル)です。ヴォーカルとギターを担当し、全曲を書く人でもあります。
彼の経歴は、華やかとは言えません。ぱっとしないガレージ・バンドを何年も渡り歩いた末に、音楽へ本気で取り組むと決めた人です。
つまり彼は「若くして見出された天才」ではありません。何度も失敗したうえで、もう一度やり直した人です。
この経歴は、作品の性格に直結しています。この盤には、背伸びも、こけおどしもありません。やりたいことだけが、まっすぐ並んでいます。
バンド名の由来は、すでに書いたとおりです。SoundCloudのアップロード画面で、とっさに浮かんだ言葉でした。
英語の "circa" は「およそ、〜頃」を意味するラテン語由来の言葉です。"waves" は波。合わせても、とくに意味は成しません。
名前に意味を持たせないという選択。ここにもこのバンドの姿勢が出ています。
メンバーが揃ったのは、2013年のリヴァプール・サウンド・シティという音楽祭です。
シュダルはこの場で、ベースのSam Rourke、ドラムのSian Plummerと出会います。
そしてギターのJoe Falconer。彼はこの音楽祭でステージ・マネージャーとして働いていました。つまり裏方から表方へ移った人です。
4人とも、現場で音楽に触れていた人間でした。この共通点は、演奏の手触りに表れています。
2. 1年半での急上昇
デビューは2013年12月2日です。「Get Away / Good For Me」を両A面シングルとして発表しました。
レーベルはTransgressive Recordsの傘下、Jen Longが主宰するKissibilityでした。小さなインディー・レーベルです。
転機は2014年2月に訪れます。ラジオDJのZane Loweが、2枚目のシングル「Stuck In My Teeth」を**「世界でいちばん熱い1曲(Hottest Record in the World)」**に選んだのです。
BBC Radio 1のこの枠は、当時の英国で最も影響力のある紹介枠でした。ここに載れば、翌日から世界が変わります。
2014年3月、NMEアワード・ツアーの出演者に選ばれます。共演はTemples、Interpol、Royal Bloodでした。
そのまま夏はフェス漬けになります。グラストンベリー、レディング&リーズ、T・イン・ザ・パーク、ラティチュード。
海外にも出ました。オーストラリアのスプレンダー・イン・ザ・グラス、ドイツのハリケーン/サウスサイド、そして日本のサマーソニックです。
デビュー・アルバムを出す前に、すでに日本で演奏していたわけです。
2014年には大物のサポートも務めました。ザ・1975の英国公演、そして9月にはザ・リバティーンズです。
こうして地力をつけた状態で、2015年3月30日に『Young Chasers』が出ます。全英10位という結果は、この1年半の積み重ねの帰結でした。
同じ年の10月には、ロンドンのブリクストン・アカデミーをソールドアウトさせています。収容約5,000人の会場です。
3. 変化を止めないバンド

ここからのサーカ・ウェーヴスは、同じ場所に留まりませんでした。
2作目『Different Creatures』(2017)は、明らかに音が重くなりました。全英11位。デビュー作の明るさを、意図的に捨てた作品です。
3作目『What's It Like Over There?』(2019)は逆に開けました。ピアノやストリングスが入り、ポップに寄ります。全英10位でした。
4作目『Sad Happy』(2020)では、アルバムを2部に分けて時期をずらして出すという手法を取りました。「Happy」を先に、「Sad」を後に配信する構成です。
5作目『Never Going Under』(2023)は、電子音とダンス的なビートを本格的に導入しました。全英インディペンデント・アルバム・チャートで1位を獲得しています。
そして2025年、彼らは4作目の手法をさらに推し進めます。『Death & Love, Pt. 1』を1月31日、『Death & Love, Pt. 2』を10月24日に発表しました。
1枚のアルバムを、1年かけて2回に分けて出す。配信時代の作品のあり方を、真正面から試した企画です。
4. 音楽シーンへの位置づけ
彼らが登場した2013〜2015年は、ギターロックにとって厳しい時期でした。
チャートの中心はエレクトロニックとR&Bに移っていました。
「ギター・バンドは終わった」という言葉が、毎年のように繰り返されていた頃です。
そこへサーカ・ウェーヴスが出てきます。
新しいことは何もしていません。
2000年代のギターロックを、そのまま2015年に持ち込みました。
The Guardianの「まるでオルタナR&Bなど存在しなかったかのようだ」という評は、まさにその点を指しています。
しかし結果として、このバンドは生き延びました。
同時期のギター・バンドの多くが消えた中で、11年間アルバムを出し続けています。
流行を追わなかったことが、逆に持続力になった。これがこのバンドの、いちばん興味深い点です。
彼らはBlossoms、Sundara Karma、The Amazonsといった、同世代の英国ギター・バンドの一群の中にいます。
その中で頭ひとつ抜けたのは、革新性ではありません。
曲の良さと、変化を恐れない姿勢によるものでした。
続けることそのものが、評価の対象になる。そういうバンドです。
5. 主要バンドメンバー

『Young Chasers』録音時(2013–2015)
Kieran Shudall (Vo, Gt)
Joe Falconer (Gt, Key, Cho)
Sam Rourke (Ba, Key, Cho)
Sian Plummer (Dr)
現在の編成(2015–現在)
Kieran Shudall (Vo, Gt)
Joe Falconer (Gt, Pf, Cho)
Sam Rourke (Ba, Key, Cho)
Colin Jones (Dr)
※Sian Plummerは2015年に脱退しました。本作が唯一の参加スタジオ・アルバムです。
6. スタジオ・アルバム一覧
Young Chasers (2015)|全英10位
Different Creatures (2017)|全英11位
What's It Like Over There? (2019)|全英10位
Sad Happy (2020)
Never Going Under (2023)|全英インディペンデント・アルバム・チャート1位
Death & Love, Pt. 1 (2025)
Death & Love, Pt. 2 (2025)
他にも届けたい3枚

『Young Chasers』が気に入った方に、店主から次の3枚をご案内します。
1. Circa Waves『Different Creatures』(2017年/Virgin EMI)
「次の1枚」を選ぶなら、これです。
同じバンドの2作目です。全英11位。デビュー作から2年で発表されました。
音が明確に重くなっています。ギターの歪みが深くなり、テンポも落ちました。デビュー作の陽気さを、意識的に捨てた作品です。
「同じバンドが、次に何をしたか」を知るのに最適な1枚です。明るさの次に来たものを、確かめてみてください。
2. Arctic Monkeys『Whatever People Say I Am, That's What I'm Not』(2006年/Domino)
源流をたどるなら、この1枚です。
『Young Chasers』のレビューで、最も多く名前が出たのがこのアルバムでした。比較対象として繰り返し引き合いに出された盤です。
速いテンポ、刻むギター、若さそのものの歌詞。サーカ・ウェーヴスがやったことの原型が、9年前にここにあります。
聴き比べると、両者の違いもよく見えます。アークティック・モンキーズには毒があり、サーカ・ウェーヴスにはそれがありません。この差は好みの問題です。
3. Circa Waves『Death & Love, Pt. 2』(2025年/PIAS)
現在の彼らを知る1枚です。
2025年10月24日発表の最新作です。同年1月の『Pt. 1』と対になる、2部構成の後半にあたります。
デビュー作とは別のバンドに聴こえます。電子音が入り、主題は生と死へ移りました。39分を走り抜けた青年は、もういません。
だからこそ聴く価値があります。11年で人はここまで変わる。その記録として、このアルバムは効きます。
レコード店長の個人的な感想

正直に書きます。店主は最初、この盤を軽く見ていました。
2015年のUKギターロック。しかもデビュー作。「よくある一枚」だろうと思っていました。
実際、聴いてみて驚くようなことは何も起きませんでした。新しい音は、ひとつもありません。
それでも、この盤は棚に置き続けています。
理由は単純です。
何度もかけてしまうからです。
39分25秒という長さが効いています。「もう一枚かけようか」と迷う時間を、この盤は作りません。かけて、終わって、また針を落とす。
それだけです。
とくに晴れた日の午前中。開店前の掃除をしながらかけると、その日の店の空気が決まります。
弱点も、もう一度書いておきます。曲は似ています。深く聴き込むタイプの盤ではありません。
批評家の点数が72点で止まったのも、正しい評価だと思います。傑作ではなく、良作です。
ただ、店主は最近こう考えるようになりました。傑作より、良作のほうが長く聴けるのではないか、と。
もうひとつ書いておきたいことがあります。この盤のドラムは、Sian Plummerが叩いた唯一のアルバムです。
彼は2015年にバンドを離れました。以後の6枚には参加していません。
この39分だけが、彼の記録です。そう思って聴くと、走り続けるドラムの意味が少し変わってきます。
最後に、入門としての結論を書きます。
このバンドに興味を持ったなら、迷わずこの1枚から始めてください。7枚のうち、いちばん短く、いちばん分かりやすく、いちばん手に入りやすい盤です。
聴き方も簡単です。まず最初の3曲、8分22秒。体が動いたら、そのまま最後まで進んでください。
そこから先は、7枚が待っています。2作目で暗くなり、3作目で開け、5作目で電子化し、7作目で生と死を歌う。長い旅になります。
その入口が、この39分です。いい買い物になりますように。またのお越しをお待ちしております。
在庫確認

👇**CD(輸入盤)**を見る| … 最も入手しやすい

👇**LP(アナログ盤)**を見る|Amazon … 2015年オリジナル・プレス

▼配信で聴く|Amazon Music … まず試すなら
※価格・在庫は2026年8月25日時点で店主が調査したものです。実際の価格は変動しますので、購入前に各リンク先でご確認ください。
最終更新:2026年8月25日
※当記事にはアフィリエイトリンクを含みます。Amazonのアソシエイトとして、chachamaru records は適格販売により収入を得ています。
