「奇跡の推し活」制作日記 Day4|推しが、自分の名前を覚えていた
どうもサラリーマンAI絵本作家の本郷ジェイピーです。
今日は4ページ目。
まだ彼らが今ほど有名ではなかった頃。
じゅんやにとって、忘れられない出来事がありました。
■ まだ一万人にも届かなかった頃
彼らの登録者数が
まだ一万人にも届いていなかったころ。
小さな会場でイベントが開かれた。
参加者は百人ほど。
今では考えられないくらい
ステージと客席の距離も近かった。
そしてイベントが終わったあとには
メンバーと直接話せる時間まで用意されていた。
もちろん
じゅんやも参加していた。
■ じゅんやの順番

やがてじゅんやの順番がやってきた。
少し緊張しながらメンバーの前へ進む。
すると――
「あ、じゅんやさん!」
メンバーの一人が
当たり前のようにそう言った。
一瞬、じゅんやは何を言われたのか分からなかった。
「名前、覚えてるんですか?」
思わず聞き返した。
すると「もちろん。コメントもよくしてくれてるでしょ?」
笑顔でそう答えてくれた。
■ 「前のイベントにも来てくれましたよね」
さらに別のメンバーも笑いながら言った。
「前のイベントにも来てくれましたよね」
じゅんやの胸の奥が
急に熱くなった。
自分は彼らの動画を見ている何千人もの視聴者の一人。
ずっとそう思っていた。
でも違った。
彼らは
自分の存在を知っている。
コメントを読んでくれていた。
前のイベントに来たことも
覚えてくれていた。
■ ただの視聴者じゃない
それだけのことだった。
名前を覚えていてくれた。
たったそれだけ。
けれどじゅんやにとっては
とても大きな出来事だった。
自分はただ画面の向こうから見ているだけの存在ではない。
応援してきた時間はちゃんと彼らにも届いていた。
そう思えた。
■ 少し若く見えた自分
イベントが終わり
じゅんやは電車に乗った。
何度もさっきの会話を思い出した。
「あ、じゅんやさん!」
思い出すたびに自然と口元が緩んだ。
ふと電車の窓を見る。
暗い窓ガラスに
自分の顔が映っていた。
その顔が
いつもより少しだけ若く見えた。
4ページ目では、
「推しに自分の存在を知ってもらえる喜び」を描いています。
いつも画面の向こうにいる人が、
自分の名前を呼んでくれる。
コメントを読んでくれている。
以前会ったことまで覚えてくれている。
ファンにとっては、
忘れられない瞬間になるのではないでしょうか。
じゅんやが嬉しかったのは、
有名な人に名前を覚えてもらったからだけではありません。
これまで自分が送り続けてきた「応援」が、
ちゃんと相手に届いていた。
そのことが何より嬉しかったのだと思います。
誰かを応援することで
自分の心まで満たされていく。
電車の窓に映ったじゅんやが少し若く見えたのは、きっとその瞬間だけ仕事に疲れた44歳の会社員ではなく、純粋に「好き」という気持ちを楽しんでいるひとりの少年に戻っていたからなのかもしれません。
次回もどうぞお楽しみに。
