定規とメトロノームを持って
「「あの……」」
「あ……ど、どうぞ」
「あいえ……そちらから……」
こんなシーン、よく見るじゃないですか。
リアルで経験ありますか?
お話の中で見ていると、初々しくて可愛いですよね。
この出来事って、「会話譲る派」がお互い揃ったことで起きてると思うんです。
たまに、そのまま突っ切るタイプもいます。
突っ切る同士で平行に二人しゃべってる様子も、たまにですが見ます。
あれ、見てて(おおぅ……)って何とも言えない気持ちになってて。
いや、責めるとか蔑むとか、そんな強い感情は全くないんですけど。
(あぁ、気をつけようかな)ってあるとき思って。
で、しばらくは「譲る」を徹底してました。若い頃。
でもね、またあるときふと思って。
これって、ホントの気遣いかな?って。
お互い引いて、一瞬「シン」とすることもある。
それで、「ふふ」と笑い合える空気が生まれたら、それもいいんでしょうけど。
会話のリズムとしては、そこにブレーキがかかってしまっているわけで。
それを、「私はちゃんと引いた」って勝手に自分だけで満足してる。
そんな気がしてきて。
「私、ブレーキかける派です」
「譲る気遣いする性格です」
そんな自己満足が無かったかな、って。
それ以来、今度は見ることにしました。
「聴く」ことにしました、かも。
0コンマ数秒で、相手がブレーキを踏もうとしてるのかを。
踏もうとしてたら、あえて直進することに変えました。
私にとっては少し勇気がいります。でもほんの少しです。
直進しきると、一瞬、これも少しだけですが大人に近づけた気がします。
そのまま会話が上手くするすると交差していくと、成功したような気がしてホッとします。
なーんて、これも自己満足かもしれませんけどね。
人知れず物事が上手くいくための黒子として働けたら。
そのことに、誰にも気づかれないまま終われたら。
すごく素敵だなと思います。
定規とメトロノームを持って、今日もひとり修行中です。
