是枝裕和『ルックバック』良くも悪くも是枝映画
「チェンソーマン」の藤本タツキが2021年に発表し物議を醸した「ルックバック」。劇場アニメ化もされた本作は『万引き家族』の是枝裕和監督の手によって実写化された。
アニメ映画を観た時、実写だったら誰が描けるのかをずっと考えていた。恐らく是枝裕和だろう。翳りの魅せ方を考えたら三宅唱ではない気がする。空気感で言ったら奥山大史もありだろう。そして、実写化したらカンヌのコンペになりそうだ。漫画的コマ割りをどう描くかが肝だろう。
アニメ版公開当時、ブログにて実写化するなら誰が相応しいかと考えていたのだが、ドンピシャで当たったので驚いた。実際に観ると、大筋は原作準拠でありながらも良くも悪くも是枝裕和監督のアレンジが施されていた。
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↑アニメ版の批評
役者の扱いはお見事

是枝裕和監督といえば毎回、役者から良い演技を引き出すことで知られている。今回の実写化では、原作からそのまま飛び出してきたような藤野/京本の姿に驚かされる。まず、子ども時代の藤野を演じた七瀬ふうりだが、イキった小学生特有の嫌味っぽさを好演している。そして京本役の岡田六花は引き篭もりが故に身体の動かし方をわかっていないようなギコちない運動を提示する。よく見つけて来たなと感動する。そして、この二人がそのまま大きくなったかのように、シームレスに出口夏希と蒔田彩珠が引き継ぐ。
また、学校の先生役を宮藤官九郎が演じているのだが、『時には懺悔を』と同様に自然体な学校の先生を演じている。宮藤官九郎としてのオーラはなく、どこか哀愁がありダラダラと人生を歩んでいるような先生を好演している。
是枝裕和のキャスティング冴え渡る映画であることは明白であろう。
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