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〈窓の外、6時間目の授業が長い〉



6時間目の授業のように
1日の終わりを、教室の片隅の机の上で
シャープペンシルをくるくると廻しながら
今日一日あった出来事を思い出す。

まるで、一日の総括がぎゅっとその1時間に
詰め込まれたかのように
6時間目の授業の濃密度はとても濃い。


時間の流れは
1時間目のスタートダッシュよりも、
倍ほど長く感じてしまうのはきっと一日の楽しかった想い出や悔しさも哀しさも忘れてしまう
雲の流れのようだからだろう。


先生の目は、いつもより少しだけ疲れているように見えた。
チョークで汚れた指先も、今日の授業の難しさを物語っている。私は、そんな先生の視線を、まるで罪悪感から逃れるように、強く強く、窓の外に惹かれていった。
この窓の外の川と山を見つめているときだった。私はふと視界に入った、疲れてもするどく光る先生の視線の先ですら、
なにかで遮ってしまうように強く強く、窓の外に惹かれている。


早く部活に行きたい人、もしくは猛練習が嫌で部活に行くのをうんざりしている人、が沢山いる。
はたまた早く帰ってやりたい事を考えながら授業に集中出来ずにいる人、バイトが待っている子だって。

6時間目の授業には、
そんな雑念のような雲の塊が、教室の上をモクモクと広がっていくようで、
私はふと手元で廻しながら、板書していたシャープペンシルを止めた。耳から、ひと足早く授業を終えたひと学年下の後輩の、部活動に励む声が、こだまするように耳奥に響いた。

これは皆の気持ちなのかもしれないと。
夕焼けの匂いが、微かに鼻をくすぐる。


耳を澄ませれば、
この季節もこの教室も永遠ではないことを悟り、寂しがり屋の気持ちが爆発しそうになる。
この季節、この過ごした青のカケラのような春の温かさは皆の胸に永遠と刻まれることはあるのだろうかと。


そして、
この瞬間がもう来ないことを想ったとき私の頬にそっと一粒の涙が流れた。
昼休みに交わした友達との会話、テストの結果、一点足りずに悔し涙を流したこと。体育でヘマをしたこと、

一日の出来事が走馬灯のように頭を駆け巡るときもシャープペンシルをぐるぐると廻しながら
窓の外を眺めているときも
永遠なのだと。



気付いたときにはこころの中はそっと窓の外の雲のようにゆっくりと空に沿うよう流れはじめていた。

'嗚呼もうすぐ、自由の時間がはじまっていく'
'キーンコーンカーンコーン'


「永遠ではない。だからこそ、今この瞬間を大切にしたい。」
そして、また窓の外を眺めている。





おわり.


夕暮れの教室、涙がこぼれた理由とは?青春の1ページを覗いてみませんか。#note


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