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クロード・モネの食卓を彩った季節のデザート「苺のムース」|レシピ

2026年はクロード・モネ没後100年。
2月からアーティゾン美術館で始まったモネ展「クロード・モネ 風景への問いかけ」が話題ですね。
現在我が子たちは1歳と4歳。小さい子供を育てていると美術館に足を向けるのがなかなか難しいのですが、終了してしまう5月までになんとか都合をつけて行けたら良いなと思っています。


クロード・モネの家に残されていた料理ノート

モネ展の話題に触れて、久しぶりにクロード・
モネの料理ノート "Les carnets de cuisine de Claude Monet à Giverny” を開いてみました。
2022年夏に、ジヴェルニーのモネの家を見学した時にお土産に買ったものです。

クロード・モネは美食家で、友人と食について語り合った書簡が多く残されているそうです。
モネの死から数十年後、モネの家族に受け継がれていた、"ジヴェルニーのモネ家で使われていた複数の料理ノート"が世に出ました。

この本は、それらのノートやメモを資料に、当時の食文化やモネの生活について解説したもので、モネ家の料理ノートに記載されていたレシピも多数紹介されています。序文はあのジョエル・ロブション氏。ロブション氏は、モネ家の料理ノートの中のレシピを、現代でも再現できるように"adapter=適応"したとのことです。

本の中には、ノートの実物の写真も載っています。

このモネ家の料理ノートは、複数の筆跡があるらしく、誰が書いたものなのかはっきりとは分かっていないそうです。モネの2番目の妻であるアリスと、その娘達に加え、ジヴェルニーの台所を長く支えた料理人マルグリットを中心的な存在として、モネ家の台所を支える女性達によって書き残されたものと考えるのが自然だと思います。

Mousse aux fraises 苺のムース

パラパラとページをめくっていると、ふと目についたレシピがありました。

Mousse aux fraises 
1 demi-livre de fraises
du sucre en poudre au goût
4 blancs d'œufs
苺のムース
半ポンドの苺
粉砂糖 味を見ながら
卵白4個分
(材料のみ抜粋)

Les carnets de cuisine de Claude Monet à Giverny, p174

材料は苺と砂糖と卵白だけというシンプルさ。
この材料でどんなムースができるのか、興味がそそられました。
ちょうど今、日本は苺の季節です。そして我が家の冷蔵庫には、子供たちのための苺が常備されています。これは作るしかないです…!
冷蔵庫に残っていた苺を使って、早速作ってみました。

実際に作ったものがこちら。
優しいピンク色の、もこもこの泡のようなムースができあがりました。

スプーンで掬うと、形は保っているものの、まさに雪や雲のよう。一口食べてみると、シュッと消えてしまうくらいの儚さで、苺の香りと甘酸っぱさがふんわり残ります。この食感と味なのに、温かいのも新鮮でした。
今まで食べたことがない味だけれど…とても美味しいです。

苺のムースと、ジヴェルニーでの暮らしの豊かさ

この儚い苺のムースを、デザートとして食べていたモネ。想像すると、当時のモネの暮らしの豊かさが見えるようです。
モネの料理ノートには、フォアグラやトリュフといった高級食材も出てきます。そこからも、モネが良い暮らしをしていたことは分かるのですが、私にはこの、"苺と卵白と砂糖だけのシンプルなムース"こそが、モネのジヴェルニーの暮らしを表しているのではないかと思えました。

カロリーも低く、腹持ちも良くない。つまり、労働の役にも立たない。
保存性もなく、できたらすぐに食べないといけない。
ただ、季節の苺の風味を、溶けるような食感で楽しむだけのデザート。

なんて贅沢なんでしょう。

フランスでの苺の旬は、日本と少しずれていて、5〜6月の初夏から夏です。
爽やかな初夏の日、ジヴェルニーのモネ家の食卓で、ランチの終わりにこの苺のムースがテーブルに乗る。一緒に食べていたのは、家族でしょうか。それとも、よくジヴェルニーの自宅に招待していた画家仲間のルノワールか、ピサロか、親友のクレマンソーか…
そんな光景を想像しながら食べる苺のムース。とても楽しい時間でした。

ジヴェルニーのモネの家の庭で昼寝する息子(当時1歳)

最後に今回実際に作ったレシピを紹介します。
砂糖は味を見て…とのことなので、グラニュー糖を大さじ1入れてみたところ、しっかり甘めのムースになりました。苺の風味を際立たせたい場合は、少し減らしてみるのがおすすめです。元レシピに忠実に、粉砂糖で慎重に好みの甘さに調整するのが1番かもしれません。

モネの苺のムースのレシピ

<材料(ココット2つ分)>
卵白     1個分(Lサイズ、実測37g)
苺      へた付きで70g
グラニュー糖 大さじ1(12g)
バター    適量(型に塗る用)

作り方

①苺をフォークで潰す。

②ザルを使って果汁を濾し、繊維とタネを取り除く。(約70gの苺から、43gの果汁がとれました。)果汁にグラニュー糖大さじ1加え混ぜる。

③卵白を角が立つまでしっかり泡立てる。

④砂糖を加えた苺果汁を泡立てた卵白に加え、ヘラで優しく混ぜ合わせる。泡を潰さないように。

⑤バターを塗った耐熱容器に入れ、140℃のオーブンで10分焼く。オーブンから出したらすぐにいただく。

焼く前
出来上がり。




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