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【旅で出会ったお菓子】クリスマスのイギリスで「ミンスパイ」|レシピ

「旅で出会ったお菓子とレシピ」

ベルギーに住んでいた5年間、ヨーロッパのさまざまな国を旅しました。初めは夫と気ままな2人旅。週末に弾丸で出かけることもありました。
息子が生まれてからは、生後5ヶ月で初めてパリへ。2歳3ヶ月で帰国するまでに、訪れた国は8カ国になりました。

旅の楽しみは色々ありますが、私にとっての1番は現地の美味しいものとの出会いです。
オランダのシナモンが効いたアップルパイ、ドイツのいくらコーヒーがあっても足りないどっしりしたケーキ、ブルターニュの塩バターを使ったお菓子、マヨルカ島の焼き立てのエンサイマダ、アイスランドの海岸で食べたルバーブのケーキ、ポルトガルで食べ比べたパステル・デ・ナタ…
旅の思い出にはいつも美味しいお菓子の記憶がついてきます。

そんな旅先で出会ったお菓子と、日本の我が家のキッチンで作る私なりのレシピを、連載の形で記録していこうと思います。

第1回の今回は、クリスマスシーズンのロンドンで出会った「ミンスパイ」。旅の思い出と、我が家で作っている「砂糖を使わないミンスミートとミンスパイのレシピ」を合わせてご紹介します。


第1回 クリスマスのイギリスで「ミンスパイ」

ロンドンでミンスパイと出会う

2022年12月。ブリュッセル南駅からユーロスターに乗り、ロンドンのセント=パンクラス駅へ向かいました。今回の旅は2泊3日。乗り物好きな息子のためにユーロスターに乗るのが1番の目的で、ロンドンでは特に予定を決めず街歩きメインののんびり旅行です。

ロンドン行きのユーロスターが到着。赤ちゃん連れのため、車での旅行が多い我が家。1歳半の息子は初めての列車旅行です。
あっという間にロンドンに到着。寒いです。このベビーカーに装着する寝袋みたいなやつは冬のヨーロッパ必需品でした。
ぶらぶらと歩いてマーケットへ。人気のバラマーケットもクリスマスの装い。美味しそうなものがずらりと並んでいて、歩くだけでワクワクします。

12月のロンドンでパン屋さんやカフェに入ると、"mince pie(ミンスパイ)"の文字が目に入ってきます。
ミンスパイ… 小説の中で出てきたり、名前を耳にしたことはあるけれど、どんなものか詳しく知りませんでした。「甘そうだけど、mince(ミンチ)ということは、まさかお肉が入っているのかな?」なんて思いながら、あまりにもどこでもミンスパイ推しなので試しに買ってみることにしました。

美味しすぎたGAIL'sのミンスパイ。

一口食べて、その美味しさにびっくり。サクサクのショートブレッド生地の中に、ぎっしりと詰まったドライフルーツのフィリング。レーズンメインのフィリングはスパイスと柑橘の香りが絶妙で、一瞬でミンスパイの虜になってしまいました。翌日も同じお店に行き、お土産用にも買ってしまいました。

翌朝ベーカリーに駆け込み、その場で食べる用とお土産用をゲット。

日本でミンスパイを探してみる

日本に帰国後、日本でもミンスパイが食べられないか探しました。
イギリス風ベーカリー専門店のミンスパイや、ショートブレッドで有名なWalker'sのミンスパイなど、いくつか食べてみました。美味しいのですが、どれも少し甘すぎるような…。 折角なら自分好みの味のミンスパイが食べたい!と、作ってみることにしました。

ミンスパイとは?

サクサクのショートブレッド生地にミンスミートと呼ばれるドライフルーツのフィリングを詰めたイギリスの伝統的なお菓子で、クリスマスの時期に食べられます。
ミンスミートはその名の通り、かつてはお肉が入っていたそうですが、今ではお肉が入っているものは珍しいそう。
ミンスミートの主な材料は、干しぶどうやオレンジピール、りんご、スエット(牛や羊の脂)、香辛料、そしてマスコバドシュガーと呼ばれる黒糖です。現代的なレシピでは、スエットをバターに置き換えているものも多いようです。

我が家のミンスミート

日本で買ってみたミンスパイが甘すぎたのは、マスコバドシュガーの量が原因と思われます。もともと甘さの強いドライフルーツを、さらに砂糖で煮たら甘いのは当然。かつては保存性を高めるために、砂糖を沢山加える必要があったのでしょう。また、マスコバドシュガーは特有の香りとコクのあるお砂糖で、ミンスミートの美味しさの一因とも考えられます。

そこで、マスコバドシュガーの代わりにデーツを使うことで、自然な甘さとコクを出せないかな?と考えました。
試しに作ってみたところ、大正解!ミンスミートらしさは残しつつ、程良い甘さに仕上げることができました。
どうせなら砂糖を全く使わないミンスミートにしようと思い、砂糖漬けのオレンジピールとレモンピールは使わないことに。何度か改良を重ね、納得の美味しさのミンスミートができました。
砂糖を使っていない爽やかな甘さなので、小さい子供と一緒に食べらるのも嬉しいところ。我が家の4歳と1歳にも大好評でした。

そんな我が家で作る、砂糖を使わないミンスミートと、それを使ったミンスパイのレシピです。

砂糖を使わないミンスミートで作る、我が家のミンスパイのレシピ

【材料】
<ミンスミート(作りやすい量、余ります)>
デーツ 100g
水   100ml
レーズン 200g (ミックスレーズンがおすすめ)
りんご 100g
みかん 50g
レモンの皮 1個分 
レモン汁 1個分
ブランデー 50ml
無塩バター 35g
シナモン、ナツメグ、カルダモン等 好みのスパイス 小さじ1〜

<生地(直径7cmのマフィン型8〜10個分)>
薄力粉  200g
無塩バター 100g
砂糖 大さじ1〜
卵黄 1個分
水 大さじ1〜
塩 ひとつまみ

①ミンスミートを作る。デーツを細かく刻み、鍋に入れ水100mlを加える。蓋をして5分ほど弱火で加熱する。焦げやすいので注意。火を止め、蓋をしたまま5分ほど放置し蒸らす。

②柔らかくなったデーツをスプーンやフォークで潰してペーストにする。うまくできていれば簡単に潰れる。まだ固い場合は、水を足して再度加熱→蒸らすと良い。

よく水分と馴染んだデーツは簡単にペースト状になります。

③りんごとみかんの皮を剥いて5mm角に切る。レモンの皮は削るか、包丁で剥き(白い部分が入らないように薄く)、細かく刻む。デーツペーストが入っている小鍋に全ての材料を入れる。軽くかき混ぜてから弱火にかける。焦げやすいので、絶えずかき混ぜること。みかんが砕け、りんごが柔らかくなるまで、15〜30分程度加熱する。

フレッシュフルーツをたっぷり入れることで、爽やかな甘さに。
材料すべてを入れて火にかけます。焦がさないように慎重に。

④火からおろし、冷ましておく。

💡我が家のミンスミートは砂糖を使っていないので、保存性があまり良く無いです。必ず冷蔵庫で保存し、数日中に使い切ってください。使いきれない場合は冷凍保存を。手作りパンやケーキに入れたり、トーストやパンケーキに乗せて食べるのもおすすめ!

⑤生地を作る。ボウルに薄力粉、塩、砂糖を入れ、軽く混ぜる。角切りにした冷たいバターを加え、カードで切りながら混ぜるか、指先で潰しながら粉とすり混ぜる。バターが溶けないように、冷たい手で行うのがおすすめ。バターの塊がなくなり、しっとりとした砂のようになるまで。

この生地の砂糖は少なめで、生地だけではほとんど甘さが無いです。ミンスミートと合わさると丁度良い甘さになりますが、好みで生地の砂糖を増やしてもOK。

⑥卵黄を加え、カードで切り混ぜる。水大さじ1弱をふりかけ、生地をまとめていく。まとまらない場合は、少しずつ水を増やす。水は慎重に、増やしすぎないように注意。ひとまとめにしたら、ラップをして冷蔵庫で30分休ませる。

⑦打ち粉をした台の上に生地を取り出し、3mm〜5mm程度の厚さに伸ばす。8cmのセルクルと星型で抜く。

厚みはお好みで。この時は5mmで結構厚め、食べ応えあるミンスパイになりました。

⑧マフィン型に刷毛でサラダ油を塗る。型抜きした生地を型に入れ、優しく手で押しながらマフィン型にはめる。底の部分、エッジができるように丁寧に行う。底にフォークで穴を開ける。

⑨完全に冷めたミンスミートを生地に詰め、星型の生地をのせる。焼き色を良くするため、表面に卵または牛乳を刷毛で塗る。

⑩180℃に予熱したオーブンで20〜25分焼く。焼き時間はオーブンと生地の厚みによって異なるので、必ず焼き色を確認し調節する。オーブンから出し、型に入れたまま冷ます。温かいうちに型から外そうとすると、崩れる可能性があるので注意!!

できあがり

食べる前に粉糖を振りかけると、一気にクリスマス感が高まります。

温かいミルクティーを淹れて。
ミンスパイを食べながら、家族で旅の思い出話も弾みます。
ロンドンの、寒いけれどキラキラしていた冬の街並みを思い出しながら。
クリスマスの美味しいおやつです。

12月のロンドンの街で、ひと際かがやくHARRODS。

次回はどこの国のお菓子にしようか、旅の写真を見返しながら検討中です。


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