119 「何処で寝る?それだけを考えてた夜」10
く『こんばんわぁーヒロさん、お、銀狐もいるじゃん♪よっ!』
「こんばんわっす!くみちゃん」
ヒ『よう、まいどー!お?今日は彼氏も居るのかぁー?』
く『そうそう、あ。銀狐、紹介するわ。この人がタケちゃん』
タ『君が銀狐君なんだね、初めまして』
「初めまして、銀狐と言います。」
お互いに軽く挨拶が終わったところで少し席で談笑していた
…
タ『ちょっとクミから聞いてたんだけど、ある意味凄いよなぁっ!
俺だったら絶対出来ないよっ』
「まぁ、なんというか…全部たまたまっすよー。
そして今こんな感じになってるわけで、へへ…」
タ『じゃあ今日は
俺休みだから3人でちょっと飲みに行こうよ!』
く『良いねぇー。
いこいこ』
最早、大学生の飲みのテンションである。
まぁ、そりゃそうだ。
歳もそれくらいなわけだし
「いいんですか?俺なんかお邪魔しても…」
タ『良いって良いって!
俺も会いたかったんだ!だから行こうよ』
とっさにヒロさんの顔を見る
そしてジェスチャーで行ってこいと振ってくれる
「じゃあ行きましょう!」
と、また前と同じ白木屋で飲むこととなった
…そして色々話をしながら
飲むこと2時間くらい
タケちゃんはくみちゃんにべた惚れだった…。
そして心の中で思った
良かったぁ…変なことしなくて。
そして彼は物凄く良い人である。
あの日のくみちゃんは、少しだけ
少しだけ小悪魔な事をしただけだ
と。胸に秘めることにしておいた
…
タ『この後どうするの?銀狐は?』
「そうっすね、まだ遊びたいですけどまた明日も仕事があるんで辞めとこうかなと」
く『そうなのぉーもう帰っちゃうのぉー』
と。なかなかの酔い具合である。
白木屋は何杯か飲み出すと、アルコール度数を上げてくる場合があった。(と思う。)
そして、俺もくみちゃんもお互い特に遠慮してるつもりもないし
距離感は変わらないと思ってる
ただ、仕事やり始めたばかりだから
迷惑を掛けてはいけないなと思ったのが本音である
タ『ちょっとトイレ行ってくるわ!戻ったら会計済ませて行こうか』
タケちゃんがトイレに行くのを見て
くみちゃんが体を前に出してくる
く『銀狐、こないだ…ありがと。
ちょっと悪ふざけしすぎたかな…』
「そんな事ないっすよ。俺もドキッとしましたし。結構ヤバかったです…」
く『またさ…
そんな時があったら良いね…』
と、酔ってましたってのを隠して見せたその笑顔がたまらなかった
…なんちゅう人だ!
当時の俺は自慢じゃないが、人は一途であるべきだ!
と考えてた人間だから
こんな風に揺らされるのに戸惑いを隠せなかった…
そうして、その場で解散となり、まだやってるであろうヒロさんの屋台に行かず寮に戻ることにした
…
室内は静かである
そして、ユミさんは寝てるのか起きてるのか…
全然音が聞こえない。
だけど、迷惑は掛けないように
静かに布団を敷いて寝る準備をした
…
ユ『銀狐君、ちょっといい?』
ドアを1枚隔ててユミさんが訪ねてきた
「あ、はい。」
ユ『ちょっとさ、気になったんだけど…銀狐君はいつまでここに居るの?』
「そうっすね…早い目に出るようには考えてるんですけど…今はまだ何もわかんなくて…」
ユ『あ…そう。ちょっと気になったからっていうのもあるんだけど…1つ忠告しとかなきゃなと思ってさ』
カチャカチャと鍵の開く音がする
ユ『ちょっとそっち行くね…』
「あ、はい」
布団を横にずらして
ユミさんが座った
…忠告ってなんだろう…
そして、静かにユミさんが話し出した
ユ『あまり私は人の事で干渉することはないんだけど、アンタの場合はさ。ちょっと違うじゃない…』
「そうっすね…え?何がですか?」
ユ『まだ染まったりしてはいけないタイプだと思う。こんな世界に…ね。』
「あ、はい…。」
…返事はしているけど、この時は自分が何者で。そして、何をしたいかなどビジョンなんか一切無い持っていない
ただ、その日をどう過ごせれば良いかだけを考えてた自分は
ユミさんの言葉が刺さって無かった…
ユ『だから…』
