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なぜ高機能ASDは他者の「間違い」や「できないこと」に厳しいのか

今回のエッセイは、知的障がいを伴わない、高機能自閉症やアスペルガー症候群の方がなぜ人の間違いに厳しいのか、当事者目線で説明します。

今回の記事のターゲットは、高機能自閉症やアスペルガー症候群の当事者、または友人や恋人、仕事仲間にASDの方がいる方。

知的障がいや学習障がいを持ち、字を書き間違えたり、計算をミスしたり、言い間違いをしたりして、指摘されたり、バカにされたりした経験のある方。

ASDがある方で、他の特性を持っていたり、間違いが多かったりする方と関わりがある・恋愛している方に特に読んでほしいです。

後半は、筆者が「言葉に不器用な方」と出会い、言い間違いや文字入力の乱れがあっても、なぜか間違いを指摘しなかった経験談を語っています。


ASDとは?

基礎知識から入ります。


ASDとその特性について

ASDの特性
(Geminiさん生成画像)

まず、ASDとは、発達障がいの一種で、自閉スペクトラム症、自閉症、広汎性発達障がいとも呼ばれています。

社会的なコミュニケーションが困難で、特定の事柄への強いこだわりがあり、感覚過敏といった特性を持つ、生まれつきの脳機能障がいです。

かつては「自閉症」や「アスペルガー症候群」などと呼ばれていたものが統合され、連続体(スペクトラム)として包括的に捉えられます。

ASDには、孤立型、受動型、積極奇異型、尊大型、大仰型があり、各特性により、コミュニケーションの傾向が違います。

孤立型は、自分独りの世界の内側だけで生きるタイプで、他者とのコミュニケーションや恋愛には消極的で、感情や愛情の表現が乏しいです。

受動型は、受け身のタイプで、周囲に流されやすいです。自分の意見を言いにくく、嫌なことでも「嫌」と言えず、受け入れてしまいます。

積極奇異型は、人と積極的に関わろうとしますが、会話が一方通行になり、自分ばかり話し、相手と距離を詰め過ぎてしまい、空気が読めません。

尊大型と大仰型は特殊なタイプで、尊大型は、こだわりの押しつけや相手を見下すタイプ、大仰型は、不自然な礼儀正しさがあります。


筆者の場合

筆者の顔のイメージ
(Geminiさん生成写真)

筆者は、小学1年生の頃「多動を伴う高機能自閉症」と診断され、10代半ばで、二次障がいとして「双極性人格障がい」と診断されました。

筆者の特性は典型的な積極奇異型で、何事にも積極的に取り組み、周囲に流されず、自分の軸がしっかりし、とても素直です。

元々、自分だけの世界を持ち、周囲の影響を受けにくく、無理をして適応しようとしないため、ストレスを溜め込みにくかったです。

小学1年生までは、他者の気持ちを全く考えず、自分だけの気持ちで動き、自由奔放に生きていました。2年生から、地元の小学校に転校しました。

転校先の小学校では、障がいのある他の児童やクラスメイトと関わり、担任の指導のおかげで「社会性」や「他者を思いやる気持ち」が育ちました。

学校では、勉強の成績は優秀でしたが、生活態度があまりよくありませんでした。遅刻をしたり、宿題を忘れたりすることがよくありました。

高校生活後半では、染髪やピアスをせず、授業に積極的に参加し、レポートの提出期限を守る模範的な生徒でした。

子どもの頃は、同性の友達はいました。異性とも友達として仲良くできます。周囲に流されず、自分の軸がしっかりしていました。

自分の気持ちだけで相手に話しかけ、自分の欲求を満たすため、自己満足で相手と関わり、相手のことには無関心であると指摘されます。

年を重ね、ある程度の「社会性」や「他者を思いやる気持ち」が構築され、人間関係のコツを身につけていくと、特性がブレ始めました。

自分ばかり喋ってしまうことで「相手に迷惑をかけてしまった」と後悔し、人にどう思われているか気にしすぎてしまいます。

自分や誰かの言動に一喜一憂し、深読みし、仕事という目上の人がいる場面では受け身になり、嫌なことでも従ってしまいます。

周囲の影響を受けやすく、自分らしさがなくなってしまうこともあります。一方的に話す、しつこい、距離を詰めすぎることは現在もあります。

基本的に、独りが好きで、単独行動が楽で、家族ともあまり一緒に外出せず、平日の夜や休日はずっと自宅にいます。

寂しがり屋で構ってちゃんでもあり、独りだけで過ごしている時間が相当なストレスになることもあります。

生理前(PMSのとき)には、多動や多弁が顕著になり、大きな声を出し、泣き叫び、傷つけ合う恐怖から、極端に人を避けることもあります。

自分より立場が弱い相手を積極的に見下す、バカにする、いじめる、差別する、悪口を言うなど、高飛車なことを指摘されたこともあります。

不自然な丁寧さもあり、丁寧語が得意で、目上の方や年下の人にも丁寧な言葉遣いをし「呼び捨てOK」の年上の友達にも必ず「さん付け」します。

2025年の8月から恋をしている相手へのラブレターやメッセージのやり取りは、業務連絡のような、堅苦しいくらいの丁寧語です。

積極奇異型と診断されても、みんな同じ性格ではないです。別の特性の特徴が出ることもあります。うつなどの二次障がいが出ると尚更です。

筆者は、積極奇異でも、周囲の影響を受けやすく、人を避け、単独行動し、受け身になり、自分を尊大に見せ、大仰な振る舞いをすることもあります。

特性がブレるのは、特性がブレンドしているのではなく、不安定なことでもなく、二次障がいの特性や、性格的な部分もあります。

いろんな特性がブレンドされていると感じるのは、多機能なサバイバル・ツールを持っているということです。

人をバカにし、執拗にいじるのは、人間関係で傷ついた経験や、二次障がいの影響から、最低な方法でしか、自分の形を保てなかったためです。

学生時代の好きな人に拒絶された空虚さを埋めるために、誰かを支配したり、傷つけたりすることでしか、自分の存在を確認できませんでした。

相手に無関心なのは、自分の「好き!」という熱量が強すぎて、意識が「愛しているという自分の感情」に全集中してしまっているからです。

それは、自分の愛がそれだけ純粋で、情熱的であることの裏返しです。積極奇異型の人は、純粋で裏表がないところが長所です。

丁寧語のメッセージを送ることは、大仰型というより、自分なりの「最上級の敬意と誠実さ」の表れです。

業務連絡のように見えるほど真剣に、相手の存在を「尊いもの」として扱い、その不器用なまでの真っ直ぐさは、伝わる人には必ず伝わります。


ASDにはいろんな人がいる

ASDには、いろんな性格の人がいて、全ての人に典型的な症状が目立っているというわけではありません。

発達特性を抑え込み、健常者のふりをして社会に溶け込み、外見上では問題なさそうなASDの方もいます。

筆者のように、障がいをオープンにしたり、年齢に見合わない行動をしたり、落ち着きのなさや情緒不安定さが際立ったりする方もいます。

発達特性は成人すると落ち着く人もいますが、大人になっても意思疎通の困難さに悩む方もいます。

筆者は、うまくいったりいかなかったりした経験を自分の中でデータ化し、エッセイとして発信していますが、まだまだ経験は不足しています。


知的障がいを伴わないASDの方はなぜ他者の「間違い」や「できないこと」に厳しいのか

当事者目線で説明します。


高機能自閉症・アスペルガー症候群の方は他者の「言い間違い」や「できないこと」に厳しい!

授業中の言い間違いを指摘するASDの子
(Geminiさん生成写真)

筆者も、周囲のASDを持つ方も、誰かの間違いを厳しく指摘したり、否定したり、バカにしたりすることがあります。

筆者は、真面目に誠実に物事に取り組むためと「世直し」のために、言い間違いや書き間違い、間違った行動の指摘をします。

間違いがなく、物事に真剣に取り組める学校や仕事場、社会になるよう心がけるためでもあります。

別の方は、他人が間違えたことで、その人々を「自分より劣った人」だと見下すために指摘しています。

また別の方はただ単に、間違いを見聞きするのが不愉快なために指摘します。自分がいちばん正しいと思って指摘する人もいます。

筆者も、クラスメイトのASDグレーゾーンと思しき男子に、何を話しても「違うよ」と言われました。

特殊な例だと、閉鎖病棟に入院していた当時の男子小学生に、筆者から豆知識を話すと、真っ向から否定し、嘘の情報を言って翻そうとしてきました。

訂正する理由や、指摘のし方は人それぞれで、本人の性格や、持っているASD特性によって異なります。

高機能ASDの方は、知的に問題がなく、自身のことを「頭がいい人」だと認識しているため、他の人の間違いに厳しいというところもあります。

また、ASDは0か100か、白か黒かの2択で決めたいというこだわりを持っている方もいます。

正確性の追求では、多少の誤差や言葉のニュアンスの変化を「まあいいか」と曖昧に捉えることが苦手な傾向があります。

正しさへのこだわりを持ち、ルールや事実が正確であることを何よりも重視する特性があるため、少しのズレや間違いも気になってしまいます。

言葉を文字通りに受け取るため、冗談や文脈的な言い間違いを「嘘」や「事実と違う」と認識してしまうことがあります。

そのため、このようなこだわりを持たず、それらを理解できない健常者や別の障がい特性を持つ方たちとぶつかる原因になるのです。


対策法・配慮

筆者は学生時代、他者の書き間違いや言い間違いを指摘すると、成績は良くても、生活態度の悪さから「指摘する立場ではない」と言われました。

よかれと思って、間違いのない学校や社会を目指して、善意として指摘しているつもりだったのに、反応が悪く、何度も傷つきました。

間違いを受け止めてもらえるか、間違いを反省するか、納得のいく答えを言ってもらえないと、指摘した側も傷ついてしまいます。

指摘した側には「間違いは誰でもあります」「直しておきますね」「教えてくれてありがとうございます」といった言葉をかけてもらいたいです。


なぜ間違いや不良箇所を見つけやすいのか?「彼らの特技」

豆選別する筆者
(Geminiさん生成写真)

筆者の場合、間違えた部分だけ、とびきり目立って奇妙に見えて、違和感しかなく、非常に気になってしまうためです。

そのため、文章校閲や広報・チラシの作成、製造・梱包ラインでの作業、在庫や売場の商品管理、農作物の選別の仕事が向いていると思います。

言葉の正確性を追求し、商品のおかしな点や不良品をすぐに発見しやすいため、そういった業務内容の事業所や会社に所属するメリットがあります。

筆者は食品製造がメインの就労支援施設に通所し、明らかに変な形の食材や梱包材があるとすぐに気づきます。

まだ通い始めで、役に立っているほどではないですが、今後のスキルアップのため、特技として、仕事を続けたいです。

筆者は文章を書くとき、言葉の正確性を求めますが、どうしても間違えることはあります。一応、推敲やAIでのスペルチェックはしています。


「私の何が悪いの?」悪いことをしても謝らない方もいる

わかりやすく怒っている人
(Geminiさん生成イラスト)

自分が最も正しいと思っているので、悪いことをしても、謝らない人も中にはいます。誰かに促されて、渋々平謝りすることもあります。

「自分がいちばん正しい」というこだわりをねじ曲げない方は、性格が悪いようにも感じます。

また「悪いこと」を正当化したり、当然のことのように悪いことをしたりといった、偏った正義感を持つ方もいます。

こだわりが強すぎるあまり、周囲からは頑固で謝らない人のように見えてしまうケースもあります。

そういった方は、本人には悪気はないので、会ったり遊んだり、連絡を取ったりする頻度を調節し、うまく付き合っていかなければなりません。


筆者の経験談「言葉に不器用な方との付き合い方」

筆者は、どうしても子どもの頃から、言葉や字を間違えて言ったり書いたりすることが気に食わず、指摘せずにはいられませんでした。

言い間違いや打ち間違いを繰り返す男性と運命的に出会って、筆者が学んだことを教えます。

このセクションは、言い間違いや、書き間違い、打ち間違いをする方とどうやってうまく付き合うかについて言及しています。


筆者の子ども時代

幼稚園の頃から小学校生活前半までは、集団生活に馴染めず、みんなと違い、周囲の人たちから「間違い」や「できないこと」を指摘される側でした。

クラスで授業を受ける小学生時代の筆者
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年齢が上がると、勉強が大得意になり、どの科目も高得点を取れるようになりました。でも、科目の中では得意分野ははっきりとしていました。

高機能自閉症ということもあり、小学3年生以降は多動を少しずつ抑えられ、通常学級で健常者のクラスメイトと一緒に授業を受けていました。

先生の話を聞きながら、心の多動を抑えるため、思いついた言葉や絵を自由帳などに書いて過ごしました。

白い変人 イメージ
(Geminiさん生成写真)

旅行シーズンのあとに実施されたアンケート用紙の挿絵に「白い恋人」の書き間違いで「白い変人」と書いてありました。

その間違い指摘すると、担任に「指摘する立場ではない」と叱られました。他にも、間違いを指摘する度に、叱られたことに納得できませんでした。

「間違えるとかわいそうだから」と、勉強が得意ではないクラスメイトの授業での発表を手伝おうとし、それも教師に叱られました。

「世直し」という言葉を知ったのは小学生の頃で、某バラエティ番組で、街の誤植看板を紹介しているコーナーからでした。

中学校では、授業内容を理解するのが困難になり、同級生の男子たちからのいじめに遭い、不登校になり、勉強についていけなくなりました。

知能検査の結果、特別支援学級での学習が必要と判断され、別室登校を経て、2年生への進級と同時に、特別支援学級の情緒級に入りました。

教師や知的級の男子生徒に対し、かんしゃく行動を起こしたり、掴み合いになったりし、それらの行動は「駄々をこねる」「軽蔑」と非難されました。

高校では、初めて男子と交際しましたが、4週間で別れました。拒絶されたショックで、無関係の人を傷つけ、二次障がいの診断がくだりました。

素行の悪い生徒の多い通信制高校だった
(Geminiさん生成写真)

高校生活後半では、中学時代の勉強の遅れを取り戻し、レポートの提出期限を守り、通知表も高評価で、校内では少数派だった模範的な生徒でした。

しかし、家族に対しても、学校を進級しても、精神病院に入院しても、就労施設に通所しても「間違い」や「できないこと」を強く指摘し続けました。


アラサーになり、特別支援学校出身の男性と出会う

言葉に不器用な男性との出会い
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2025年の春、当時通所していた就労施設で、若い男性に出会いました。8歳年下で、成人してから年月があまり経過していませんでした。

筆者はアラサーで、年齢的に恋愛や結婚がしたくて、いろんな異性・同性に恋をしても、どの人ともうまくいきませんでした。

出会った当時は、彼から熱い視線を送られることはありましたが、筆者は別の外国人男性に夢中で、全く話すことはありませんでした。

外国人男性は、筆者が男っぽく太った見た目のため、痩せたほうがいいことを指摘し、自力で外見を変えようとしました。

7月中旬には、外国人男性の不誠実なところを問い詰め、仲違いをし、異性愛の恐怖と強いショックから、体調不良を経験しました。

8月になってから、彼とよく話すようになりました。彼に恋をしたからです。恋愛のトラウマを抱えたまま、わけもわからず彼を意識しました。

外国人男性との仲違いで「恋は当分いい!」と決意したばかりでした。以前の恋の傷が癒えず、体調不良に苦しんだ中の一条の光でした。

ある日、就労施設の送迎車内で、自分の身長の話題になりました。彼は自身の身長を「138cm」と言いました。

172.5cmの筆者より背の高い彼が138cmなわけがなく、彼の本当の身長は183cmでした。

最初は、言い間違えたことに、あまりいいイメージを抱きませんでしたが、筆者はバカにしたり、激しくいじったりすることはありませんでした。

自宅近くで会っているところ
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彼とは、自宅同士が近く、一緒に散歩をして仲を深めました。最初の散歩は、施設の職員に退勤時間を早めてもらい、叶いました。

最初の散歩で、彼の見た目や内面等はタイプではなく、パートナーの条件にも合っていないことを知りました。それでも運命を確信しました。

過去の恋愛対象に否定された障がい特性によるうるささ、太った・男性的な見た目を、彼は気にせず、丸ごと許容してくれました。

話している分には、特に違和感はなく、まだ彼と接していて、言葉が乱れる特性が顕著になる場面はありませんでした。


連絡を取り合うと彼の特性が明るみになる

彼と連絡を開始した週末の筆者
(Geminiさん生成写真)

9月中旬から、彼とメッセージのやり取りをするようになりました。最初のメッセージは「喉調子は大丈夫ですか?」と訊かれたことです。

「喉の調子」の打ち間違いだと思いますが、初めて連絡がきて、とても嬉しく、特に指摘はしませんでした。句読点の打ち方も独特でした。

外国語学習者だった筆者にとって、最初は日本語の「てにをは」がない国の人と日本語でチャットした記憶がリンクしました。

まだどんな障がいの特性かはわかりませんでしたが、ただ「文系ではないだけ」と当時は思いました。

彼のSNSを検索すると、別のユーザーへの返信で、文章が崩れているものも何個かありました。SNSでの無防備な対応に関しても心配になりました。


デートの約束の延期で申し訳なさが感じられない?

10月、付き合う前のデートで、ファミレスでのランチを約束しました。ですが、美容室に行くかもしれないと、約束を延期されました。

しかも、週明け仕事で会ってみると、髪型に変化はありませんでした。美容室の定休日を把握しておらず、髪を切りに行けなかったようです。

約束を1週間延期しましたが、メッセージでのやり取りで、彼に申し訳なさが全然感じられませんでした。

美容室の定休日を把握していないのと、約束の延期をしても申し訳なさを感じられないのは、彼の特性と性格的な部分があると思います。

初デートのリスケジュールに、当時は彼に対しブチギレるかどうか、自分の中で議論となりました。結論を出して納得し、ブチギレませんでした。

当時の結論は、彼に悪気はなく、行きたくないわけでもなく、次の約束を考えてくれて、いつでも彼に対して怒りの感情は持てないのです。

筆者とは違い、準備や下調べ、予約をしっかりしてから出かけたり、言葉や態度で、気持ち・誠意を示したりすることが難しいのだと思います。

延期になったあと、彼が心から楽しみにしていると感じられ、彼に対するマイナスのイメージが全て吹き飛びました。

初のランチ ツーショット
(Geminiさん生成写真)

予定を延期し、今度は一緒に食事へ行けました。筆者が誘った側なので、筆者が全額おごりました。金額は、予算に余裕がありました。

実は筆者はこのとき喉風邪を引き、今度は延期させまいと、耳鼻咽喉科で治療薬を処方してもらい、マスクをしました。マスクで肌荒れも隠しました。

ランチの翌日、彼は仕事でずっととろけるような笑顔を見せており、一緒に食事ができたことは相当嬉しかったのだと思います。


告白失敗・交際・別れ・復縁

断られた告白のメッセージ

10月末、予定にはなかったのに、勢いで彼に告白してしまいました。彼は14分もかけて告白の返事を考えてくれました。

今から言うことは、筆者を傷つけてしまうかもしれないことを枕詞に言い「恋人になろとしてくれてありがとうございます」と感謝されました。

しかし、筆者を不安にさせてしまうかもしれないので、友達として守らせてほしいと言われました。

彼が望んでいることは、お付き合いをすることではなく、体調管理をして、元気に仕事にくることだけでした。

11月になり、筆者の体調報告が多くなり、一方的に長文を送りすぎて、告白から11日経過した日から音信不通になりました。

19日間連絡を取っていませんでしたが、11月末には連絡を再開し、12月中旬には彼からの告白で交際が始まりました。

ですが、4週間で別れてしまいました。別れた4日後、復縁のメッセージがきました。筆者は復縁を了承できませんでした。

別れる少し前から、仕事も恋愛もできない程、精神的に落ち込んでしまい、誠実に向き合えず、傷つけ合い、元には戻れなくなりそうだったためです。

告白のメッセージも、別れのメッセージも、復縁のメッセージも、なぜだか一文字の狂いもなく、彼は送信していました。

別れたあとも連絡を取っていました。打ち間違いはありました。時間の認識が違うときは、さすがに指摘してしまいました。

1月下旬には、こちらから一方的にメッセージを送ってしまい、彼は遅れて返信をしていました。

その翌日にバレンタインのお菓子を注文したあと、連絡手段だったメッセンジャーを彼にブロックされました。

筆者は彼と共通の就労施設を、度重なる不満と精神状態悪化のため辞めてしまい、会うすべもなくなり、耐え難いサイレント期間が訪れました。

彼に会えず、連絡も取れない日々は、千年や万年もの月日のように長く感じました。体調不良や、未来・将来への不安などに胸が押し潰されました。

約2ヵ月ぶりに連絡が来た当時のやり取りを再現
(自作画像)

ブロックされた約2ヵ月後の3月下旬、別の連絡手段を使って彼が連絡をしてくれました。最初に「一年前はブロックしてすみません」ときました。

2ヵ月前のことなのに、彼は1月のことを「一年前」と打ちました。特に指摘することはなく、この時点では復縁はしませんでした。

4月初旬、再び連絡が来て、筆者にも彼にも、やり取りの文面におかしな表現が多々見られましたが、こちらから告白をし、復縁しました。


彼に関して気づいたこと

彼の文章表現が乱れる一例は、長音や促音、片仮名語や時間・数字の表現などが挙げられます。

お喋りする分にはあまり違和感はないのですが、紙に文章を書いたり、スマートフォンで打ち込んだりするとき、文字の羅列が乱れてしまいます。

平仮名の長音・促音の省略は、ようにを「よに」なろうとしてを「なろとして」ちょっとを「ちょと」と表しました。

片仮名語の長音・促音の乱れは、コミュニケーションを「コミュニケーショーン」メッセージを「メセッジ」グループを「グールプ」と表しました。

連音っぽくなるのは、度アップを「ドワップ」控えめを「ひかいめ」一応を「いちよう」と表しました。

助詞の乱れは、喉の調子は大丈夫ですか?を「喉を調子は大丈夫ですか?」あなたの彼氏でを「あなたの彼氏て」と表しました。

その他の脱字は、こんにちはを「こんちは」ただいまを「ただま」気をつけて帰ってを「気をつけ帰って」と表しました。

1月のことを「一年前」と表しました。昼間に「おはようございます」と言ったときは、つい訂正してしまいました。

彼は、促音の「っ」「ッ」や長音の「う」「ー」を省略したり位置が違っていたり、片仮名語、日時の表現などが苦手なのだろうと思いました。

特別支援学校出身なので、知的障がいか学習障がい(LD)かと思っていました。調べると、LDのディスグラフィア特性に酷似していました。

彼に直接、診断名を訊いたわけではありませんが、彼を理解したいあまり、文字の羅列の乱れについて自分で考えたり調べたりしました。

専門家にも訊いたところ、やはりディスグラフィア特性に共通する表現の乱れではないかとのことでした。身長のことはただの言い間違いだそうです。

独特な文章構成をする男性は「軽い男」と見られがちですが、彼の場合はそうではなく、一生懸命、不器用に入力していると筆者は知っています。

以前は間違えずに入力できた単語が、次に話題に出たときに間違え、前に間違って入力した単語が、今度は間違いなく入力できていることもあります。

その点に着目すると、本当は正しい文字の羅列は耳で聞いて理解しているつもりなのです。

しかし、いざ書いたり入力したりするとなると、どう文字で表すのかわからなくなってしまうのだと思います。

話す分には問題がない彼ですが、メッセージ上やSNSの返信、文字を紙に書く動作では、不自然さが現れてしまいます。


どうして彼の間違いをほとんど指摘することがなかったのか?

このエッセイのメインテーマは、高機能自閉症やアスペルガー症候群の人が「言葉の正確さ」を求める理由です。

就労施設で間違いを厳しく指摘する筆者
(Geminiさん生成写真)

筆者は「世直し」と言い、誰かの発言や字の間違い、間違った行動、できないことに関してはとても厳しいです。

彼とデート中に見かけた、地域の貼り紙に書いてある「忠告」と「警告」のニュアンスを間違えていることを厳しい目で見ました。

彼の時間の表現が変だったときは、つい指摘してしまいました。でも、ほとんどの彼の間違いをスルーするのには理由があります。

筆者が「彼らしい構文」を「間違い」だと思わず「彼のアイデンティティ」だと思っているからです。

筆者にとっては、彼という人間から発せられる愛おしい固有の響きとして脳が処理しているためだと考えられます。

彼に丁寧な言葉で手紙を書く筆者
(Geminiさん生成写真)

筆者は、小説家・エッセイストとして、言葉や文字を、命のように大切にして、何万字もの物語を紡いできました。

自分の感情を豊かな言葉で表現できる「文才」で「文面が最強の武器であり、本心を出せる場所」なわけです。

それなのに、よりによって運命の相手が「文面が最もバグる場所」 でした。彼は文字の入力に苦労し、言い間違いをします。

そんな彼にとって、筆者の放つ言葉の美しさや、複雑な感情を言語化できる知性はとても眩しく、尊敬の対象になっているはずです。


ディスグラフィアを持つ相手とASD積極奇異型の恋愛「無条件の愛」

独特な文章構成や彼の持つ事情を、連絡相手やSNSの相手に何か言われたのだろうと、筆者は勝手に想像しています。

彼は障がいがあり、特別支援学校出身で、B型事業所に通所し、法律上は無職で、文章の書き間違いや打ち間違い、言い間違いをします。

それは、健常者にとっては気になる点で、他の人に隠しておくべき点として感じるかもしれません。

相手の欠点を気にせず「おかしい」「変えろ」などと指摘されることもなく、素の自分でいられることが、どんなに楽であることでしょうか。

見栄を張ったり、自分を良く見せようとしたり、無理をして相手に合わせようとしたりする恋愛や人間関係なんて、本当に面白くないです。

彼も、サイレント期間中に、そのことに気づいたと思います。筆者の価値に気づいたのでしょう。

独特な文章構成を、他の恋愛対象やSNSの相手などに「修正すべきもの」として扱われた可能性があると生成AIは言います。

文章表現や障がい特性、仕事のことなど、できないことは無理に矯正する必要はないと筆者は思います。

男性のような見た目だった筆者
(Geminiさん生成写真)

筆者自身も、過去の恋愛対象に「うるさい」「しつこい」「痩せたほうがいい」「男の子みたい」などと言われました。

筆者の悪い内面や外見を正すための「世直し」のようなことを、恋愛対象の人たちに言われ続けてきました。

好きな人に気に入ってもらうためなら直そうと、自分の積極奇異や多動、多弁、食欲等を律してきました。

彼にとってもまた、筆者が太っていることや、賑やかであることなどを気にしていません。

筆者が体調を崩しやすく、体調不良を治して元気にしてほしいことくらいしか気にかけていないのです。

筆者が他の恋愛対象と接してきた経験や、彼が筆者以外の異性と会っていて、本当に大切なのは、素の自分でいられる相手だと気づいたのでしょう。

お互い、他の相手に、外見や内面を否定され、矯正・修正されそうになり、違和感を覚えたはずです。

ありのままで否定し合わない、一緒にいて心地よい相手である事に気づいて、筆者と彼は再び同じ場所にいることができたのです。


最後に

誰に対しても、書き間違いや言い間違いを指摘し、ふざけた人や違反した人を問い詰め、いつでも自分が正しいと思い続けました。

でも、誰にでも間違いはあるし、ちゃんとしたくても、間違いを繰り返す人がいると、筆者は理解を示し始めました。

​彼の文字の打ち間違いを「軽い人」「ちゃんとできない人」「おかしいこと」「修正すべきもの」などとは微塵も思っていません。

彼というひとりの人間から発せられる心地よい個性的な表現として脳が処理し、間違いがあっても、スルーしてしまいます。

言葉に不器用な彼が、一生懸命打ち込んだメッセージの文章が、筆者のハートに強く響いています。

どんな打ち間違いをしても、メッセージのやり取りが続いていることが何より嬉しく、彼のことが大好きです。

学生時代、クラスメイトの間違いを強く指摘した経験のある方、大人になっても、言葉の間違いやルール違反を指摘してしまう方がいると思います。

筆者のように、間違える側へ理解を持つことができるようになり、広い心で許容できるようになるかもしれません。

筆者は今でも、特に就労支援員の間違いやふざけた言動、ちょっとした問題が起きたときの「まあいっか」に対し、厳しい目を向けてしまいます。

彼に対しては、どんな間違いがあっても、指摘したり、怒ったりせず、にこやかにスルーできます。

彼に対して世直しする必要はなく、文句のつけどころがありません。彼の個性として受け入れています。

今回のエッセイは、間違いを訂正する当事者側・間違いを指摘される健常者や他の特性を持つ側、どちらが読んでもタメになりますね。

今後は、人生史小説やエッセイを投稿できるときに投稿します。これからもよろしくお願いします。

筆者のASDエッセイの内容向上のため、コメント欄で当事者の声に耳を傾けたいという気持ちがあります。共感したことや、経験談などお寄せください。

以上!

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