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長崎のローカルチェーン『牛右衛門』をぜんぶめぐりたい vol.2 佐々店編


昭和生まれの筆者が、令和になっても「良い」と感じる長崎のレストランチェーン『牛右衛門(ぎゅうえもん)』。そんな牛右衛門を一軒一軒めぐり、お店の雰囲気と料理の味を噛みしめていく記録です。

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vol.1   大塔店編


暇を持て余した祝日。子どもたちにリクエストされ、お隣の佐々町にある「でんでんパーク」でしこたま遊んだ。根こそぎ体力を奪われ、すっかりお腹が空いたわたしの脳裏に浮かんだのは、あの「赤い看板」だった。



1998(平成10)年オープンの“ファミリーレストラン”

牛右衛門 佐々店。建物の色がやわらかい

「なんて、やわらかい牛右衛門でしょう」。

牛右衛門 佐々店の建物を見て真っ先にそう思った。なんだか、全体的に色が淡くて、目に優しい。

特に驚いたのは、ファサード看板とバリアフリー通路の日よけの色に緑が使われていること。

サインポールは牛右衛門のイメージカラーの(だと勝手に思っている)赤だったので、余計にギャップを感じた。

「これぞ牛右衛門!」な赤い看板。平成を頑張って駆け抜けた色の褪せ方をしている。「安い!おいしい!」のフレーズがまっすぐでよい

「緑だなぁ……」と思いながらファサード看板をよく見てみると、RESTAURANTの前に“FAMILY”の文字が入っている! 

これは、大塔店では見られなかった表記だ。

“FAMILY RESTAURANT”と記されている

なぜ佐々店に“FAMILY”が刻印されているのかはわからないけれど、「佐々町らしいなぁ」と思わず感じてしまった。

なぜかというと、この町に移住した方々から「子育てしやすい」という言葉を取材のたび耳にしていたからだった。位置的にも、佐世保市のベッドタウンとなっている(と佐々町出身の方に言ってよいのかはわからないが……)。

高速道路が通ってからというものの、他県へのアクセスもよく、学校などの教育施設や自然もあり、Uターン含む移住者が増えているという。

そんなおおらかさを感じるからだろうか。隣町なのにときどき、子連れで20分ほどドライブしたくなるのは。

「ママ、魚がいっぱいいるよ」。子どもたちは駐車場のフェンスの下をのぞき込んでいる。真下の川で魚が泳いでいた。満足するまでしばらく観察して、子らの手を引いて店内へ入った。

駐車場を照らすオシャレな街灯。「雨に唄えば」がここで実現できる


内装もやわらかい

自動ドアをくぐると、お口を肉モードにしてくれるシズル感たっぷりの写真が出迎えてくれた。なんだこれは。寝室に飾りたい。

毎朝見れば、生きる活力をもらえそうだ

そして「Gyuemon」と書かれた表札には「SINCE1998」の文字が入っている。完全に佐々店オリジナル仕様じゃないか。シビれる。

それは、どの角度から見てもピカピカで、丁寧に磨かれているのがわかる。

1998(平成10)年にオープン

内装も外観と同じくやわらかい。ランチのピークは過ぎていたため、店内はゆったりとした空気だ。奥をみやると、子連れにもうれしいお座敷がある。

窓側の席を案内されたので、子どもたちと向かいあって座り、メニューを手に取った。

見渡すと長崎各地をモチーフとしたような絵や写真が飾られている。写真右側に見えるのは、鹿町町にあるつつじの名所「長串山公園」を描いたものだろう
せっかくなのでお冷のグラスも記録します。大塔店と同じでした(画像は大塔店のもの)

今回は子どもたちも一緒なので「おこさまめにゅー」も手に取る。

ひらがなを覚えたばかりの子2が、「お い し い な ま え は ぎゅ う え も ん」とていねいに読み上げていた。

子どもにも読めるようにしてある

子1は「おこさまカレー」(590円税抜)、子2は「おこさまうどん」(380円税抜)をチョイス。デザートのアイスは、さっき行った公園でセブンティーンアイスを食べてしまったので自粛するそうだ。えらいぞ。

読みやすいから、子どもが自分で選んで、自分で注文できる。まさに外食体験だ

わたしはというと、やはり肉を求めていた。けれど前回はステーキを食べてしまったし、子どもたちもいる手前、これ見よがしに贅沢はできない。

そこで、子どもも大好きな「ハンバーグ」だ。ざっとハンバーグのページを開く。……あれ? こないだは気が付かなかったけれど、肉料理のページだけで4~5ページ以上はある。なんて気合の入れようだ!!

あれこれ吟味しつつ、まずは煮込みハンバーグを食べている自分を想像してみる。う~ん、なんだか物足りない(そんなわけないんだけど)。

では、ダブルハンバーグはどうか。……いや、15時に食べる遅めのランチとしてはトゥーマッチだ。晩御飯が入らなくなる。逡巡して、コンボハンバーグに着地した。

シングルでもなくダブルでもなく「+もう一皿」。あえて中間を選んだ形である(あるある)。わたしはつい“贅沢な一皿”のフレーズに惹かれて海鮮グリルを選んだ。

メニュー名だけで内容が十分に伝わるのに、ちゃんとそれぞれ違う言い回しでPRしているからすごい

料理を待つあいだ、子どもたちはおこさまセットのおもちゃでゴッコ遊びをしていた。世界観の作り込みが早くて、いつも本当に感心する。

海鮮グリルとハンバーグを贅沢にいただく(コーンも)

来た。

和食セットにしたものの、海鮮グリルとハンバーグがひとつの皿に乗っているだけでも贅沢だ。

そして気がついた。これはとてもアメリカ的なメニューだと。海鮮と肉、そしてコーンが並ぶ場面といえば、BBQ以外でおそらくない。

「ハンバーグ&海鮮グリル」(1230円税抜)

まずはハンバーグから実食。コクのあるデミグラスソースをまとった肉は、旨みたっぷりでジューシー。思っていたより肉肉しいなとメニューを見ると、牛肉100%とのこと。納得! 厳選したお肉を、毎日お店で手ごねする、“生”ハンバーグとのことだ。

40年頑張って作り続けてるハンバーグ。ダブルで食べてもよかった

次は“プラスもう一皿”の海鮮グリル。ホタテ貝のお皿に乗ったエビ、イカ、貝は、しっかりとしたガーリック味。レモンをキュッと絞って味変するのもいいですね。

海鮮だから、貝の形のお皿に入ってるのがよい

……さて、見ておわかりだろうか。

 ハンバーグ皿にも、海鮮グリルの皿にも、コーンがもりもりと盛ってあることに。コーン好きならこのセットは間違いないでしょう。

「ママ、コーン祭りだね!」とはしゃぐ子らのテーブルにはおこさまメニューがかわいく並んでいる。カレーには紙製のランチョンマットがついていた。

子どもに人気のアニマルたちと食卓を囲める
レトロなうさぎ柄のスープカップ

子どもたちは10分足らずで完食し、お手洗いに行くと言って席を立った。わたしはコーンの多さに苦戦しながら、なんとか最後の一口を食べ終え、窓の外を眺めていた。

緑の木と、何かの事務所らしき建物の裏側が見える。

子どもたちが厨房の入口付近で立ち、「来て!」と私を呼ぶのでのっそり向かう。奥を見てみると、配膳の猫ロボットが、ランチタイムの役目を終えて昼寝をしていた。モニターにはかわいい寝顔が映っていて、スピースピーと寝息が聞こえる。

そっか。平日のいま、わたしたちの他にもう一組しかいないし、アイドルタイムだものな……。
にしてもよ、かわいすぎるだろーー! と悶絶しそうになるのをこらえ、スタッフさんの邪魔にならないよう、子らとテーブルにささっと戻った。

まだ、よし、じゃあ帰ろうか、とはならない。

すまないが、わたしはデザートに移らせてもらおう。「ストロベリーティアラ」にひとめぼれしたからな。子どもたちはさっき、公園でセブンティーンアイスを食べてしまったのでガマンすると言っていたけれど。

「せっかくだし、ちょっと分けてあげるね」と注文した。

そんな母の慈悲はまったく意味を成さなかった。テーブルに運ばれてきた瞬間、1分後の未来が視えたから。いちごのティアラをはじめ、すべてが子らに食い尽くされてしまう未来がね。

着いてすぐ子らに取り囲まれる。「せめて写真撮らせて」と必死で制した

いちごはきれいになくなった。

このデザート、結論から言うとまた食べたいほどおいしかった。特に、バニラアイスとライスクリスピーの組み合わせが絶妙で。

「なんか硬いの入ってるし、子どもにはちょっと早いんじゃないかなぁ~」と牽制しながらも、ついニヤニヤしながら食べてしまったものだから、ロックオン対象に。わたしたぶん三口ぐらいしか食べていないぞ。

香ばしいザクザク感とアイスのクリーミーさが大結婚してる

お会計をする。

牛右衛門のレジ付近には、おこさま用のぬりえや風船が置かれていることが多い。佐々店も例外ではなく、子どもたちはそれぞれにお気に入りの色の風船をもらって上機嫌だった。

車に乗ってエンジンをかける。

牛右衛門のアイドルタイムはもう少し続きそうだ。わたしたちが帰りつくころにはきっと、ディナータイムの慌ただしさがやってくるにちがいない。

後部座席に座る子どもたちの顔をバックミラーでちらっと見ると、満腹で少し眠そうだ。

厨房で寝ていた猫ロボットと同じぐらいゆっくりさせてもらった気持ちで、やわらかい牛右衛門の駐車場をあとにした。

ねむくなったらこの看板を立てたい


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