コンサート:トーマス・ヘンゲルブロック指揮ミュンヘン・フィル(4月17日、ミュンヘン・イザールフィルハルモニー)
4月17日、ヘンゲルブロック指揮ミュンヘン・フィルのコンサートを聴きました(ミュンヘン・イザールフィルハルモニー)。
この時期、オペラやコンサートが来シーズンの発表を続々と行っています。
とても楽しみで、発表されるとすぐチェックをします。
その中でも、とりわけ楽しみに、見逃さないよう聴き逃さないようにする公演とコンサートがもちろんあり、カレンダーに大きな赤丸をつけます。
今シーズンのミュンヘン・フィルの予定の大赤丸の一つに、このラファエル・ピション指揮のコンサートがありました。
ピションは近年、自身で創設したオーケストラと合唱の『ピグマリオン』との古楽的アプローチによる音楽活動が注目され、高い評価を受けています。
ところが・・・ピションが病気キャンセル、文字通りドタキャンをしてしまったのです。
代わりに飛び込んだのはトーマス・ヘンゲルブロック。
ヘンゲルブロックも古楽奏法の第一人者の一人です。
プログラム。
急すぎて、プログラムの改訂印刷も間に合わず。
「ピションの代わりにヘンゲルブロックが指揮する」という紙が挟まれていました。


しかも前半はピションが組み立てた《管弦楽組曲〈神々の領域〉』。
ラモー、ルベル、グルックの作品が並んでいます。
後半のベートーヴェン《交響曲第7番》は別として、前半のプログラムを突然、高レベルで指揮できる世界的指揮者が現在、何人いるでしょう。
ところで、古楽奏法あるいは古楽アプローチの巨匠として私自身はアーノンクールとサー・ロジャー・ノリントンがなんといっても双璧だと思います。
ただ二人の違いは一言でいうと、頭と体。
アーノンクールは頭の人で、アカデミックな興味はそそられるのですが、サー・ロジャーは体の人、とにかく楽しい。頭ではなく体で楽しめる。
大きな理由のひとつに『ダンス』的要素の表現があると思います。
このピションのプログラムをご覧ください!
まさに『ダンス』が中心なのです。
ベートーヴェン7番も体の要素=『踊り』が重要です。4楽章なんて、ぐるぐる回って突然止まったり倒れたり、また立ち上がったり、行進したかと思ったら、また、ぐるぐる回る。聴いている方も目が回る。
ヘンゲルブロックも私がとても好きな指揮者です。ただ、最近はなぜか以前ほど尖った演奏指揮をしなくなっていました。
そして以前ミュンヘン・フィルを指揮した時、私はとても好印象を持ったのですが、オーケストラからはどうだったのでしょう・・・という雰囲気もありました。
今回はさすがに彼の面目躍如といったところでしょう。
前日にホーネック指揮BR響(バイエルン放送響)のコンサートを聴いたのですが、これもマルヴィッツのキャンセルを受けてホーネックが飛び込んだものでした。→
マルヴィッツ指揮予定はヒンデミット、プロコフィエフ、ワイル。これをプロコフィエフ《ヴァイオリン協奏曲》以外をハイドン、ベートーヴェンに変更。
期せずして連日、指揮者のキャンセルと飛び込みにあいました。
そしてそれにより、24時間以内にベートーヴェン7番を違う指揮者とオーケストラ、違うホールでライブで聴いたわけです。
もちろん編成、オーケストラ配置、解釈もまったく違う。
いやぁ、これだから楽しくて、面白くて・・・!



コンサートは大喝采、とても暖かい大きな拍手が続きました。
FOTO:(c)Kishi
以下はミュンヘン・フィル提供の写真です。 credit: Tobias Hase



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