コンサート:ダリア・スタセフスカ指揮ミュンヘン・フィル(9月28日、ミュンヘン・イザールフィルハルモニー)
9月28日、ミュンヘン・イザールフィルハルモニーでミュンヘン・フィルのコンサートを聴きました。
プログラム。


指揮はダリア・スタセフスカ(40歳)。
父がウクライナ出身、母はフィンランド出身。
キエフで生まれ、フィンランドで育ちました。
あのパヌラの弟子で、セーゲルスタムにも師事しています。
現在はラハティ交響楽団の首席指揮者、国際シベリウス音楽祭の芸術監督、BBC交響楽団の首席客演指揮者をつとめています。
夫はパワー・メタル・バンド『ストラトヴァリウス』のベーシスト兼作曲家のラウリ・ポラー。彼はシベリウスのひ孫です。
彼女は2018年、ノーベル賞授賞式でストックホルム・フィルを指揮しました。
2022年ロシアのウクライナ侵攻以来、ウクライナ支援を積極的に行っています。
こんな経緯もあり、スタセフスカの名前は聞いていたものの、今回初めて実演に接しました。
いや、話以上に素晴らしい!
近年素晴らしい女性指揮者が出ています。
中でも私の一番のお気に入りはグラジニュテ=テュラなのですが、スタセフスカも彼女に並びました。
さて、この日のコンサートは私のこれまでの人生の数千回にわたるコンサート経験の中でも初めてという出来事がありました。
ピアノのガブリエラ・モンテーロが演奏後の拍手に応えてマイクを持って登場しました。
「これからアンコールを弾きます。ただ通常のアンコールではありません。みなさんから何か曲を提案してください。なんでもいいんです。それに対して即興演奏をします」
と英語で話したところ、早速、男性が何か歌ったのですが、よく聞こえず。
その後客席の後方から女性が歌い出し、それに合わせて他の場所からも歌声が上がりました。モンテーロが
「あら、素敵!私は知らない曲ですが、これでいいのですよね?」と早速メロディーを右手で弾き、聴衆が「うん、うん」と。
これは「Kein schöner Land in dieser Zeit」という曲で、19世紀ドイツの民謡でした。
(これで調べると楽譜や音楽が出てきます。ここに挙げると著作権の問題があると思うので、興味のある方は調べてみてください。)
単純なメロディーに、ショパンをちりばめたシューマン風で進んだかと思うとブラームスに到達。それで終わりかと思ったら、その後はなんとラグ・タイムとなりました!19世紀から20世紀という時代も、そして時系列もあっています。
モンテーロの即興演奏の能力は知られていますが、それにしても客席の遠くからの声をちょっと聞いただけで再現、構築し、素晴らしい即興演奏でした。
結構長い演奏だったのですが、次に何が出てくるのだろうと、聴衆も息を呑んで聴いていました。聴衆はやんやの大喝采!!
即興演奏なので、その場に居合わせた人しか聴いていませんし、2度と同じ演奏はありません。
これぞ贅沢の極みです。
そしてライヴの醍醐味です。
こんな素晴らしいコンサートに出会うと、本当に幸福感でいっぱいになります。





そしてスタンディング・オーヴェーションになりました。
FOTO:(c)Kishi
以下はミュンヘン・フィル提供の写真です。これは9月27日の写真なので、モンテーロの服が違います。credit: Lukas Barth-Tuttas



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